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アバルト創立70周年を記念して博物館級の車両も集結。「アバルトデイズ 2019」レポート

限定車「Abarth 695 70° Anniversario」日本初公開。200台のみの限定販売

2019年11月9日 開催

富士スピードウェイで「アバルトデイズ 2019」開催

 1949年、イタリア・トリノで設立された自動車メーカー「アバルト」。創設者であるカルロ・アバルトの誕生月の星座であるサソリのエンブレムがクルマに装着されているのがその証だ。“アバルトマジック”と呼ばれたハイチューンのマシンはレースなどでも活躍。1950~1970年代には、595、695、750、850、1000、1300など小排気量のコンパクトモデルが人気となり、アバルトの名は一般のユーザーにも広く知られるようになった。

 当時のマシンから最新型までを所有する日本中のアバルトファンたちが集結する「アバルトデイズ」は、初開催が2010年。アバルト創立70周年となる今年は、それを記念したスペシャルイベントとして初めて富士スピードウェイで開催された。

開会式でホームストレートに集結したアバルトオーナーら
さまざまなアバルトが一堂に介した

 イベントは、ホームストレートに集結した200台以上のアバルト車とそのオーナーによる記念撮影でスタート。主催者によるあいさつの後、参加者は自らの愛車で憧れの本コースを1周した。

 横浜から家族を乗せ、赤の595で参加した金子さんは「いつもは1人で参加しますが、今回はサソリの70周年記念。富士スピードウェイで開催されることもあり、妻と娘を連れてきました」とのこと。奥さまも7歳の娘さんも「楽しくてワクワクしています」と記念写真をたくさん撮影していた。

横浜から参加した金子さん一家

「アバルト・ミュージアム」と称したピットの一画には、アバルトの歴史を彩った希少なモデルが大集結。70周年記念とあって、これまでに比べて格段に濃いラインアップとなったという。

 中でも際立つのが、1965年7月18日、今はなき船橋サーキットで開催された第1回全日本自動車クラブ選手権レース大会(CCCレース)の雨中のレースで、伝説のドライバー浮谷東次郎氏らと戦った立原義次氏が駆る「アバルト1000 Bialbero GT(1963年)」そのものだ。最近オーナーとなった方によると、「このクルマは当時のレースに参加するため、エンジンやミッションなどにかなりの手が加えられていました。あちこちを開けてみるとそれらが手に取るように分かりました。今回アバルトデイズに参加するため毎晩2時までかけて調整しましたが、それはとても楽しい作業でした」と語る。

雨の船橋サーキットを走った1000 Bialbero GT(1963年)とそのエンジン

 また、珍しいバブルルーフを持つイエローカラーの「アバルト 750GT ザガート」(1959年)を所有する深町忠生さんは、「このクルマは30年以上探していて、最近やっと手に入れました。フェラーリ・ディーノやアルファロメオも持っていますが、今はこれが最高です」とドライバースシートで満面の笑みを見せてくれた。

750GT ザガートのオーナー深町さん
深町さんの750GT ザガート(1959年)

 このほか、1960~1970年代に国際レースで活躍したイタリア人ドライバーGuido Nicolaiがレースで使用した「アバルト OT 1300 シリーズ2“Periscopio” #137C/0075」(1967年)、創設者のカルロ・アバルトが実際に所有していた「アバルト 695 SS ベルリーナ アセットコルサ」(1969年)、1960年代の英知を尽くして製作された低く丸いFRP製バルケッタボディを持つアバルト純正のレーシングカー「アバルト 1000SP バルケッタ チュボラーレ」(1966年)など、文字通り“博物館クラス”のマシンがずらりと並んだ。午後にはフリー走行でサーキットを周回して、参加者らはその希少性やボディの美しさ、豪快な排気音を楽しんでいた。

アバルト OT 1300
アバルト OT 1300 ゼッケン83
1000SP レーシングカー
アバルト 1300GT(1962年)
アバルト 1000TCR
アバルト 1000 Bialbero GT ロングノーズ(1963年)
850クーペ スコルピオン/Allemano(1959年)
午後のフリー走行はまるで“動く博物館”

 メインコースではプロドライバーのサーキット走行に同乗できるサーキットタクシーが行なわれたほか、ドリフトコースでは愛車でジムカーナコースにチャレンジできるアバルトオーナー待望のイベントを開催。会場内ではモータージャーナリスト嶋田智之氏×チンクエチェント博物館の深津浩之氏、フォトグラファーKEI OGATA氏×プロ・ドリフトドライバー石川紗織氏のトークショーや、eスポーツの世界でアバルトを操って富士スピードウェイを走る「e-Scorpion」、ドリフト自転車による「ドリフトライク」、親子で楽しめる「アバルト 595 ペーパークラフト」、カルロ・アバルトのりんごダイエットにちなんだ「青森産リンゴプレゼント」など数多くのイベントが行なわれ、参加者は丸1日アバルトの世界を満喫した。

モータージャーナリスト嶋田智之氏×チンクエチェント博物館の深津浩之氏のトークショー
フォトグラファーKEI OGATA氏×プロ・ドリフトドライバー石川紗織氏のトークショー
e-Scorpion
ドリフトライク
ペーパークラフト
ライブペインティング
青森産リンゴプレゼント

限定車「アバルト 695 70° Anniversario」を日本初公開

 また、今回のイベントに合わせて限定車の「アバルト 695 70° Anniversario(セッタンタ・アニヴェルサーリオ)」も日本初披露された。「ベルデ モンツァ 1958」と呼ぶ緑の専用ボディカラーと、ボンネット上にサソリのエンブレムをまとったこの車は、国内では200台のみの限定販売で、その内訳は右ハンドルの機械式LSD付きMTモデル(417万円)が60台、左ハンドルの機械式LSD付きMTモデル(417万円)が40台、右ハンドルのATモデル(434万円)が100台とのこと。予約はWebからのみで、カルロ・アバルトのサソリ座の誕生日である11月15日の19時58分から受け付ける予定だという。

「アバルト 695 70° Anniversario(セッタンタ・アニヴェルサーリオ)」
フロントビュー
ボンネットにはサソリが
サイドビュー
最大60度まで12段階で角度調整ができる大型リアウイングを装着
リアビュー
専用のエンブレムを装着
ブラックのホイールの間からブレンボのレッドブレーキキャリパーが覗く。タイヤサイズは205/40ZR17
インテリア