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スバル、TGRF 2019で「ありがとうEJ20トークショー」など実施

STI 平岡社長らエンジン設計者登壇

2019年12月15日 開催

2019年度で生産を終了するEJ20型エンジン。EJ20型エンジン搭載車「WRX STI」の受注は12月23日まで

 12月15日、TOYOTA GAZOO Racing FESTIVAL(以下、TGRF)が富士スピードウェイ(静岡県駿東郡小山町)で開催された。TGRFはTOYOTA GAZOO Racingのファン感謝デーでとして行なわれ、国内外で活躍したレーシングカーとレーシングドライバーが富士スピードウェイに集結した。

 このイベントにはスバル/STI(スバルテクニカインターナショナル)も参加しており、パドックでトークショーなどを実施。スバルではEJ20型エンジンの今年度での生産中止を発表しており、EJ20型エンジンを搭載する限定車「WRX STI EJ20 Final Edition」は大きな話題となった。すでに「WRX STI EJ20 Final Edition」を購入することはできないが、標準車である「WRX STI」の受注も12月23日まで。このWRXも人気となっており、生産可能部品の関係から23日以前に受注が締め切られる可能性も高まっている。TGRF 2019でのトークショーも、そのEJ20型エンジンに関係するものが多かった。

EJ20型エンジンのクラッチハウジング面。水平対向エンジンならではのたたずまい
EJ20型エンジンは、この時代のトレンドとなっていた、カムをベルトで駆動する設計

 イベント当日最後のセッションは、「ありがとうEJ20トークショー」。モデレーターにモータージャーナリストの河口まなぶ氏を迎え、STI 代表取締役 平岡氏、STI 沢田氏、スバル 佐藤氏、桑原氏、古田氏の5名のエンジン設計者(および、元エンジン設計者)が登壇した。

 平岡氏は、EJ20型エンジン誕生時からかかわっており、各種のエピソードを披露。沢田氏は現在ニュルブルクリンク 24時間レースを担当しているが、かつてはEJ20型エンジンの開発に携わり、24時間レースでも壊れないのがEJ型エンジンの特徴だという。佐藤氏は、等長等爆タイプのEJ型エンジンから開発に携わり、この等長等爆タイプが生まれた背景について解説した。一方、最も若い設計者である桑原氏は、EJ20型エンジンに憧れてスバルに入社。現在は、スバルの最新エンジンの設計に携わっているという。

 古田氏は本来トークショーに参加する予定ではなかったが、EJ20型エンジンの設計者として語りたかったことが一杯あるようで、今回は飛び入り。EJ型エンジンに関する、さまざまなエピソードを語っていたのが印象的だった。

STI 平岡社長
STI 沢田氏
スバル 佐藤氏
スバル 桑原氏
飛び入り参加のスバル 古田氏
モデレーターは河口まなぶ氏

 冒頭でも紹介したように、EJ20型エンジン搭載車の受注はまもなく終了する。92.0×75.0mm(ボア×ストローク)とショートストロークエンジンのため、市販エンジンで7000rpm以上を楽しめる希有なエンジンだ。このエンジンを搭載したWRX STIを購入する予定がある場合、早めにスバルディーラーに相談するのがお勧めとのことだった。

最終セッションは夕刻となっていたため、低い位置からの太陽光によりEJ20型エンジンは独特の光沢を放っていた