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ホンダ、「CES 2020」でオープンイノベーションを見据えた、開発中のコンセプトを提案

2020年1月7日~10日(現地時間) 開催

ラスベガス・コンベンション・センター

Smart Intersectionイメージ

 本田技研工業は、2020年1月7日~10日(現地時間)にラスベガス・コンベンション・センター(米国ネバダ州ラスベガス)で開催される「CES 2020」に出展し、オープンイノベーションで取り組む技術を紹介する。

 ホンダは2030年に向け「すべての人に生活の可能性が拡がる喜び」を提供することを目指し、新たな価値の創造に向けて2017年からのCESに出展。新価値創造に向けたオープンイノベーションの呼びかけを行ない、開発中の具体的な技術を展示して研究開発・事業化パートナーを募ってきた。CES 2020でも、引き続き研究開発の促進・事業化に向けたパートナーの募集を行なうとともに、将来のオープンイノベーションを見据えて開発中のコンセプトを提案する。

研究開発の促進・事業化に向けたパートナーを募る技術

ホンダ エネルギー マネジメント コンセプト世界観
Honda Energy Management Concept (再生可能エネルギーを、身近な暮らしのさまざまなシーンで活用できる技術コンセプト)

 電動モビリティとエネルギーサービスをつなぐことで、自由な移動と再生可能エネルギーの利用拡大への貢献を目指す。その実現手段の1つである可搬型バッテリー「モバイルパワーパック」を用いたシステムを展示。モバイルパワーパックは、これまで電動2輪車などに活用してきたが、さらに暮らしにまで広げた世界観を提示。特にその可搬性に着目し、野外など電力インフラのない場所での電源供給など、いつでもどこでも再生可能エネルギーの利用を可能にする。クリーンなエネルギーによる移動と暮らしの実現に向け、モバイルパワーパックを始めとするエネルギーマネジメント技術の活用を探索するパートナーを募集。

SAFE SWARM(コネクテッドカー技術[ネット接続型や車車間/路車間通信自動車技術]を活用し、安全でスムーズな交通の流れの実現を目指す技術コンセプト)

 車車間/路車間通信でデータをやり取りすることにより、見通しのわるい交差点進入時の衝突の回避や、合流時や車線変更時のスピードを分析し、適切なスピード・タイミングでの合流や車線変更をアシストすることで渋滞発生を防ぐなど、大群でも互いにぶつからずに泳ぐ魚の群れ(Swarm)のように、交通全体の流れを安全かつスムーズにすることを目指す。

 CES 2017でコンセプトを発表し、2018年初頭より、車車間/路車間(V2X)通信機を搭載したクルマを用いて、米国オハイオ州コロンバス地域とHonda R&D Americas, Incをつなぐ州道33号にて実証実験を行なってきた。現在100台ほどで運用中の搭載車両を約200台へ拡大する予定という。

 また、同州メアリズビルでは、交差点の信号にカメラ・センサー・V2X通信機を設置し、V2X搭載車両と通信する「Smart Intersection(スマート インターセクション)」の実証実験も開始。今後、実証実験をさらに加速させるための研究開発パートナーや共同実験パートナーを募集して、ITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)やCAV(Connected and Automated Vehicle:コネクテッドカー・自動運転車)に関わる企業と、実証実験を共同で実施する自治体のプロジェクト参画を募るという。

ホンダ CES 2020 出展参考動画(50秒)
Smartphone as Brain ~Drivemode~

 ドライブモードは米国カリフォルニア州に拠点を置く、スマートホンを活用したコネクテッドサービスの開発・運営を行なっている企業で、「スマートホン アズ ブレイン」は、シンプルな画像と音声フィードバックで、運転中でも進行方向から視線を外すことなくスマートホンを操作できるようにするHMI(ヒューマン マシン インターフェース)技術。運転中にスマートホンを操作したいというニーズに対し、運転者のスマートホンと二輪車・四輪車をBluetoothでつなげ、手元のステアリング・スイッチと音声認識でスマートホンの操作を可能にするインフォテインメントとコネクテッド機能を提供する。

Honda Personal Assistant ~SoundHound~

 サウンドハウンドは米国カリフォルニア州に拠点を置く、音声認識技術の開発を行なう企業で、「ホンダ パーソナル アシスタント」は、人とモビリティ、さまざまな機械やネットワークをつなぐインターフェース。AIエージェントがドライバーの発話だけで意図を理解し、モビリティ・機械ごとに異なる操作方法やマニュアルなどを紹介して、機能の複雑化により増大している人の負担を軽減する。

Industrial Innovation ~Monolith AI、Skelex、noonee、UVeye~

「インダストリアル イノベーション」は、AIやウェアラブルデバイスを活用し、高効率で人に優しい生産環境を実現するコンセプト。オープンイノベーションで生産現場をアップデートしていく。展示ブースでは、以下の4つの企業との取組みを紹介するという。

・モノリス エーアイは英国ロンドンに本社を置き、AIを活用して開発現場における高効率なソリューションを提供する企業で、生産現場における経験知をAIが学習し、図面を形にする際の検証を担うことで、実現したいデザインを効率的に具現化する。

・スケレックスはオランダに本社を置き、肉体労働時の上半身作業の負荷を軽減するウェアラブルデバイスを提供する企業で、頭上作業時にデバイスが腕をアシストすることで、肩のケガのリスクを低減させる。

・ヌーニ―はドイツに本社を置き、中腰作業における負荷を軽減するウェアラブルデバイスを提供する企業で、デバイスが椅子の役目を果たし、腰を掛けた状態での作業を可能にし、足腰のケガのリスクを低減させる。

・ユーブイアイはイスラエルに本社を置き、自動車の外観検査システムを提供する企業で、専用カメラシステムとAIを組み合わせることで、車両外観検査の高精度化と自動化を実現する。

将来のオープンイノベーションを見据えたコンセプト発信

自由運転

 完全自動運転が実現した時代に、パーソナルモビリティで移動することの価値を提案する新たな自動運転コンセプト。単なる自動運転を超えて、クルマが黒子になって運転をサポートすることで、ドライバーが運転中にふと興味を抱いた場所に意のままに立ち寄ることを叶えてくれるような、自由な移動の実現を目指す。自動運転技術とさまざまなセンサーが人の意思を読み取ることで、あたかもクルマがドライバーの思い通りになる足のような身体拡張を実現する。

自由運転イメージ
Future Honda Mobility(フューチャー ホンダ モビリティ)

 2035年の米国ロサンゼルスを舞台にホンダが描く未来のモビリティ社会を表現したVR映像。都市部において安全で安心できる自動運転の移動体験や公園でのモビリティと歩行者との共存、空中移動体験といったシーンごとに、ホンダが描く未来のモビリティエコシステムをリアルに表現。毎日の生活における移動と暮らしをシームレスにするホンダの未来構想を体験できる。

フューチャー ホンダ モビリティ体験ブース