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ミシュラン、廃タイヤを原材料に変えるテクノロジー開発に向けエンバイロと提携

熱分解テクノロジーで毎年約10億本の廃タイヤのリサイクルを目指す

2020年4月24日 発表

 ミシュランは4月24日、使用済みタイヤをリサイクルする熱分解テクノロジーの大規模な開発・事業化を目指し、スウェーデンに本社を置くエンバイロ(Enviro)との提携を進めると発表した。2020年半ばの最終的な合意に向け、両社で話し合いが進められている。

 タイヤ産業にとってリサイクルは大きな課題。そこでミシュランは、エンバイロが開発に成功した「熱分解プロセスにおいてエネルギー消費を最小限に抑えながら、素材の化学的組成及び物理的状態を変化させるテクノロジー」に着目。この最先端の革新的なテクノロジーを利用して、再生カーボンブラック、熱分解油、鋼鉄など、他の産業分野の生産工程で再利用可能な生成物を生産することを目指す。

 このリサイクルテクノロジーにより、毎年処分されている廃タイヤ約10億本が良質な原材料としてリサイクルできるようになるという。また、この提携により両社は相互に補完し合うノウハウを持ち寄り、タイヤのリサイクルを加速。ミシュランは自社の事業ノウハウを工場建設プロジェクトや研究開発・製造に生かし、エンバイロは特許権を取得している熱分解テクノロジーを提供することで、高品質の製品を生み出していくとしている。

 ミシュラン サービス&ソリューション ハイテクマテリアルビジネス部門 ディレクターであるソニア・アルティニアン・フレド氏は「エンバイロとの提携は、ミシュランの“すべてを持続可能に”というビジョンに沿っています。2017年のリーハイテクノロジー社のハイテクを活用して使用済みタイヤから微粉化粉末を抽出する専門事業者の買収に続き、今回の提携も、ミシュランがリサイクルと持続可能なモビリティに長期的にコミットしていることの確かな証しです」とコメントしている。

ミシュランとエンバイロの提携内容

・エンバイロの熱分解テクノロジーを大規模に展開するための開発契約の締結。
・ミシュランは約3百万ユーロを出資してエンバイロ株式の20%を取得。筆頭株主となり、同社の取締役になる人員を派遣する(予定)
・当テクノロジーの事業化を進めるための工場建設共同プロジェクトを発足(工場の立地は検討中)
・ミシュランとエンバイロ間の相互供与契約の締結