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住友ゴム、2020年第1四半期連結決算。営業利益は前年比54%減の27億5300万円も医療用精密ゴム部品などは増益
新型コロナの影響でタイヤ、スポーツ事業が低迷
2020年5月19日 08:05
- 2020年5月18日 発表
住友ゴム工業は5月18日、2020年第1四半期(2020年1月1日~2020年3月31日)の連結決算を発表した。
第1四半期は新型コロナウイルス感染症の拡大により世界規模で景気が急速に悪化し、経済活動の大幅な停滞に見舞われたことと、日本経済も同様に経済活動が抑制され、個人消費や輸出、生産の減少に加えて雇用情勢も弱含みとなるなど、景気は急速に悪化。先行きの厳しい状況となったと前置きしたうえで、住友ゴムグループを取り巻く情勢は天然ゴム価格や石油系原材料価格が下落し、低位に推移したが、新型コロナウイルス感染症の影響による急速な景気の悪化により、販売環境は大きく悪化したことに加え、ユーロ及び新興国通貨安が進行したこともあり「非常に厳しい状況」で推移。
この情勢の中でも、2025年を目標年度とした「新中期計画」の実現に向けて、経営基盤の強化と収益力の向上を目指してさまざまな対策に取り組んだが、新型コロナウイルス感染症の影響による需要の減退が大きく、厳しい事業運営を強いられた。
その結果、住友ゴムグループの売上収益は前年同期比9.7%減の1907億9400万円、事業利益は54.7%減の25億7500万円、営業利益は54.0%減の27億5300万円となり、税金費用を計上した後の最終的な親会社の所有者に帰属する四半期損失は62億5800万円減のマイナス34億300万円となった。
セグメント別の経営結果
タイヤ事業
タイヤ事業の売上収益は、前年同期比10.2%減の1631億8600万円、事業利益は51.6%減の20億7700万円となった。
国内新車用タイヤは、納入車種拡大によるシェアアップや低燃費タイヤを中心とする高機能商品の拡販を進めたが、自動車メーカーの生産台数が減少したことから売上収益は前年同期を下まわった。また、国内市販用タイヤは、新商品「VEURO VE304」をはじめとするダンロップブランドの低燃費タイヤを中心に高機能商品の拡販を推進したが、暖冬の影響による冬タイヤの販売が前年同期を下まわったことに加え、新型コロナウイルス感染症による影響を受け市場が低迷したことにより、売上収益は前年同期を下まわった。
海外新車用タイヤは、中国を中心に自動車メーカーの工場稼働停止および減産の影響により、売上収益は前年同期を下まわった。アジア・大洋州地域、特に中国において新型コロナウイルス感染症の感染拡大阻止に向けた大規模な都市封鎖が行なわれ、需要が大きく落ち込んだ。また、欧州・アフリカ地域及び米州地域においても、同様に新型コロナウイルス感染症の影響によって市場が低調となったことから、売上収益は前年同期を下まわった。
以上の結果より、タイヤ事業の売上収益は前年同期を下まわり、事業利益も減益となっている。
スポーツ事業
スポーツ事業の売上収益は前年同期比14.0%減の173億5100万円、事業損失は12億5400万円減のマイナス3億9700万円となった。
ゴルフ用品ではゴルフクラブの「ゼクシオ イレブン」「ゼクシオ エックス」が国内外で好調なスタートを切ったが、新型コロナウイルス感染症に伴うイベント中止や自粛ムード、ロックダウンなどの影響を受け、国内外ともに売上収益は前年同期を下まわった。また、テニス用品も同様に売上収益は前年同期を下まわった。
ウェルネス事業でも新型コロナウイルス感染症予防対策でスポーツクラブの一時休業を実施したことなどにより、売上収益は前年同期を下まわった。
以上の結果から、スポーツ事業の売上収益は前年同期を下まわり、事業損失となった。
当第1四半期連結会計期間末における財政状態
資産合計は、季節要因による営業債権及びその他の債権の減少などにより、前連結会計年度末に比べて591億200万円減少し、9763億8200万円となった。負債合計は、営業債務及びその他の債務の減少などにより、前連結会計年度末に比べて189億4100万円減少し、5410億600万円となった。
また、当第1四半期連結会計期間末の資本合計は4353億7600万円と、前連結会計年度末に比べて401億6100万円減少し、うち親会社の所有者に帰属する持分は4214億1300万円、非支配持分は139億6300万円となる。
この結果、親会社所有者帰属持分比率は43.2%、1株当たり親会社所有者帰属持分は1602円31銭となった。