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国内自動車メーカーに6月以降の生産状況や新型コロナ対策を聞いた【マツダ編】

100周年を迎えたマツダ、地元広島に貢献しつつ次の100年に向けて前進

マツダ広島本社 宇品第1工場でラインを流れるCX-30

 2020年3月13日に成立した新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく緊急事態宣言が解除されてから約4週間。新型コロナウイルスの長期化も懸念される状況のなか、新型コロナウイルスとともに生活していく“Withコロナ”という新しい生活様式も生まれてきた。

 この“Withコロナ”時代において、移動中に第三者との接触が避けられるという意味で改めてクルマへの注目が集まっているという見方がある一方で、世界的には新車需要の低迷を受けて生産調整を行なっているとも聞く。そのあたりを含め、自動車メーカーの生産体制はコロナ禍前と後でどう変わったのか。6月以降の生産状況や新型コロナウイルス対策などの取り組みについて、マツダ広報部に聞いた。

 なお、今年100周年を迎えたマツダ。その歴史を振り返れば、原爆で被災するなど、順風満帆の歴史とは言えなかった。しかし復興のためのトラック製造が現在の自動車業への舵取りのきっかけになるなど、苦境を乗り越えてきた歴史を持つ会社でもある。新型コロナウイルスについても、独自のフェイスシールドフレームの開発や、感染症軽症患者等向け搬送車両の開発など、地域に貢献しながら前に進んでいる様子がうかがえる。生産についても復調傾向にあるといい、100周年特別記念車の販売やオフィシャルグッズの発売など明るいニュースも聞こえてきている。

100周年特別記念車は2021年3月末まで受付中
マツダ初のオフィシャルグッズも発売

──国内各工場について、緊急事態宣言が出された4月や5月と比べ、6月以降はどれくらいの生産量まで戻せそうでしょうか? また海外の拠点についても教えてください。

マツダ広報部:国内においては5月11日より昼勤のみで稼働を再開。5月中は一部休止するラインもありましたが、6月からは全工場で昼勤のみですが稼働しています。また、7月1日より宇品工場と防府第2工場で、7月27日より防府第1工場で、休止日を設けず昼夜勤の2直操業を再開いたします。これにより国内の生産台数は、6月では前年比4割程度にとどまりますが、7月は8割まで戻ると想定しております。

 海外ではメキシコが6月より2直で操業を再開。タイは4月27日から乗用車生産を、5月18日からピックアップトラック生産をそれぞれ2直で再開。中国では3月16日より2直で再開しているとのことです。

 生産台数については、日本・メキシコ・タイ工場で4月は約1万台まで減少しましたが、6月は約5.1万台を計画。7月はその1.5倍以上を想定しております。

──納期にもっとも影響が出ているモデルはありますか? また、期間はどのくらいですか?

マツダ広報部:申し訳ありませんがモデル別の影響は回答を控えさせていただきます。お客さまにできるだけ早く納品できるよう、日々努めております。

──緊急事態宣言は解除されましたが、コロナ禍において各工場で取り組んでいる感染防止対策(出社の手順、従業員の出社人数、拠点での移動方法、休憩や食事の方法、訪問者や請負業者との接触方法など)はありますでしょうか。

マツダ広報部:工場に限定せず、以下の事を実施しています。

・感染予防行動の徹底(マスク着用推奨、日々の健康観察を行ない、発熱や咳などの風邪症状が見られる場合には出社しない等)
・職場・接触場所の衛生管理の実施
・職場でのソーシャルディスタンス確保(共用エリアでの接触回避行動の実践など)

──車両生産のほか、マスクやフェイスシールドの生産など医療従事者へのサポートといった動きも見られます。そうした新たな取り組みについて、改めて教えてください。

マツダ広報部:弊社Webサイトでもまとめてありますが、医療現場への支援として、「CX-8」をベースとした新型コロナウイルス感染症軽症患者等向け搬送車両の提供と、医療現場で活用可能なフェイスシールドフレームを開発し、供給しております。

 また、当社備蓄品のマスクの提供や当社従業員の提供によるレインコートの提供、また広島市の福祉作業所で加工している「ウェス」に使う布類が不足しているとのことで、従業員からタオルやTシャツなどを募って提供しております。今後は関連会社でのマスク生産も予定しており、社内で活用することで国内のマスク不足緩和につながるかと思っております。

 そのほか、外出自粛中にご自宅で楽しんでいただけるよう、塗り絵やペーパークラフトなどもご用意させていただいております。

大きな窓のある隔壁で運転しやすさに考慮した新型コロナウイルス感染症軽症患者等向け搬送車両
医療現場のほか、工場でも使うことを想定して開発されたフェイスシールド

――読者に向けてひと言メッセージをお願いします。

マツダ広報部:マツダは、これからもお客さま、従業員、関係先等の皆さまの安全・安心を第一に考えて、新型コロナウイルス感染拡大に伴う対応を実施してまいります。お客さまのお気持ちに寄り添って取り組んでいきたいと考えております。