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マツダのフェイスシールドフレームは金型で生産。オンラインで公開
アフターコロナを想定したマルチパーパスで使えるものを開発
2020年5月26日 17:50
- 2020年5月26日 開催
マツダは5月26日、フェイスシールドの広島県への納入を発表したが、あわせてメディア向けにフェイスシールドフレームの生産工程をオンラインで公開した。
今回納入するフェイスシールドは、ツバやツルの部分となるフレームと、実際に顔を覆う透明のシールドフィルムの2つのパーツからなるが、マツダで生産しているのはフレームの部分となる。同社技術本部長 安達範久氏によると、製造を行なっているのは実験や研究を行なう生産技術の開発棟。3Dプリンターなどではなく、金型を使った射出成形機で生産し、材料はマツダ車のバンパーと同じPPを用いている。
1つの金型から2つのフレームが作れるようになっており、1分に2つのフレームが生産可能。1日600~900個のフレームを生産できるという。金型から取り出されたフレームは、余計なゲートやランナーを取り除き、皮膚に触れたときにケガなどしないようにサンドペーパーで仕上げられた後、クリーンルームにて全数検査、アルコールで除菌後梱包されて出荷される。
シールドフィルム部分は先代のアクセラやアテンザのナビパネル部分を製造した石井表記が担当。ポリエステル製のフィルムをフレームに合う形状に加工している。シールドフィルム部分は使い捨てとなるため、医療現場でフレームとシールドフィルムを組み立てて利用する形となる。
早さだけでなく機能性を求めて開発
フェイスシールドの開発・製造については広島県の依頼を受けてスタートしたという。4月中頃から開発をスタートしたが、アフターコロナを想定したものを作ろうと、早さだけでなく機能性を求めて開発。同社では金型の設計部門、製作部門を持っているため、金型自体は1週間程度でできたという。
フレーム形状は、医療現場だけでなくマツダの生産現場でも使用することを想定しており、加工をすることでつば付きの帽子と併用できる形状としている。また、ツルの後端はゴムバンドなどが引っかけられるようになっており、さまざまな頭のサイズに対応できる形とした。
また、フレームとシールドフィルムの固定は、当初ステープラーのような締結部材を用いることを想定したが、医療現場で万が一にもそうした部材が脱落するリスクを考え、シールドフィルムのスリットを引っかけてフレームに固定する形としている。
今週末までにまずは3000個を生産し広島県に納入。その後の生産スケジュールは未定だが、継続的に広島県に納入するとともに、マツダの工場や関連企業などにも納品を想定しているとのこと。