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TOYO TIRE、6年ぶりの新型スタッドレスタイヤ「オブザーブ・ギズ2」

アイス・スノー・ウェット、あらゆる路面に対応し、アイス性能が永く続く

2020年7月14日 発表

オープンプライス

TOYO TIREの新型スタッドレスタイヤ「OBSERVE GIZ2(オブザーブ・ギズツー)」

 TOYO TIREは7月14日、新型スタッドレスタイヤ「OBSERVE GIZ2(オブザーブ・ギズツー)」を発表した。13インチ~18インチまでの全23サイズで8月1日より発売する。価格はオープンプライス。

 気象庁によると厳冬期の札幌市で日中の最高気温が0℃を上回る日数が増えていると報告されていると言う。日中の気温が上がれば、路面の雪は解けてシャーベット状の濡れたウェット路面となり、再び氷点下まで下がる夜間には、凍結したアイス路面へと変化する。冬道を走行するのに不可欠なスタッドレスタイヤは、こうした刻々と変化する路面状況に対応できる性能が求められているとして、オブザーブ・ギズ2では、こうした冬道での路面変化に対応するとともに、ゴムの経年変化による氷上での摩擦力低下を抑制、アイス路面での性能が長持ちするようにも配慮したという。

オブザーブ・ギズ2

 トレッドパターン設計にあたっては、CAEとAIを融合した同社独自のタイヤ設計基盤技術「T-MODE(ティーモード)」のスノー予測技術を活用し、最適な形状を設計。また、「持続性密着ゲル」を配合した新たなコンパウンド「吸着クルミゴム」を採用し、アイス路面での吸水・密着・ひっかきの効果を向上。一方、シリカ増量により高いウェットグリップを実現した。その結果、アイス路面でのブレーキング性能は従来品(OBSERVE GARIT GIZ)比で8%良化し、さらにウェット路面でのブレーキング性能は制動距離を同18%短縮、さらに氷上摩擦指数の経年変化も低減した。

従来モデルとの性能比較。アイス路面での制動で8%、ウェット路面での制動で18%向上

持続性密着ゲルを配合した新コンパウンド「吸着クルミゴム」

 コンパウンドには、従来のクルミ殻やNEO吸水カーボニックセルに加えて、新たに持続性密着ゲルを配合。NEO吸水カーボニックセルが氷の表面にできるミクロ単位の水膜を吸収し、従来品のゴムよりも柔らかい持続性密着ゲルをコンパウンドの中に分散させることで柔らかさを保ったゴムがアイス路面へしなやかに密着。そして20年以上採用し続けている鬼クルミの殻が路面をひっかき、しっかりと捉える。

 加えて、持続性密着ゲルは年月が経っても柔らかさを持続させ、アイス性能を永く保つことができる。また、シリカを増量したことでウェットグリップ向上も実現している。

新コンパウンド「吸着クルミゴム」
アイス性能も持続

パターン内で機能を分担させる非対称パターンを採用

 トレッドパターンはCAEとAIを融合したタイヤ設計基盤技術「T-MODE(ティーモード)」のスノー予測技術を活用し、実際の使用環境における雪質を考慮した最適なパターン 形状を設計した。スタッドレスタイヤに求められる性能をトレッドパターン内で機能分担させるインアウト指定の3本主溝非対称新パターンを採用。両側ショルダーブロックにはジグザグなスリット形状がエッジ効果を向上させるバイティングエッジを採用。両側メディエイトブロックには周方向の3連ブロックによってエッジ効果を向上。ショルダー部にはバッドレスエッジを採用し多方向のエッジ効果によってわだち路走行性の向上を図る。

 また、従来同様センターブロック部には吸着3Dサイプを採用。3D形状によって加減速時にもサイプの閉じ込みを防ぎ、除水・エッジ効果を発揮する。加えて後側センターブロックをブロック同士が支え合い制動性、旋回性を向上させるコンビネーションブロックとしている。

非対称となった新トレッドパターン
T-MODEで設計
トレッドパターン内で機能を分担
サイズラインアップ