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ホンダ、2020年度通期見通しで営業利益2000億円を計画

2020年度第1四半期決算は1136億円の営業赤字

2020年8月5日 発表

本田技研工業株式会社 代表取締役副社長 倉石誠司氏

 本田技研工業は8月5日、2020年度第1四半期(2020年4月1日~6月30日)決算を発表。売上収益は2兆1237億7500万円と前年同期比46.9%減、営業利益はマイナス1136億9100万円、税引前利益はマイナス734億3300万円、四半期利益はマイナス799億7900万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益はマイナス808億7100万円となった。

 2020年度第1四半期においては、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、世界的に景気は停滞し需要は大幅減少、全ての拠点で生産や販売活動に影響を受けたことにより、減収減益となったとしている。

 2020年度(2020年4月1日~2021年3月31日)の通期予想については、売上収益12兆8000億円で前年度比14.3%減、営業利益2000億円で同68.4%減、税引前利益3650億円で同53.8%減、当期利益1950億円で同61.8%減、親会社の所有者に帰属する当期利益1650億円で同63.8%減。

 なお、第1四半期配当金は対前年同期17円減の1株当たり11円、年間配当金は1株当たり44円を計画する。

配当

2020年度第1四半期は1136億円の営業赤字

2020年度第1四半期の総括を報告する本田技研工業株式会社 専務取締役 竹内弘平氏

 同日開催されたオンライン決算発表会に、同社代表取締役副社長 倉石誠司氏と同専務取締役 竹内弘平氏が出席。2020年度第1四半期決算の内容と、2020年度通期業績見通しについて説明した。

2020年度第1四半期の総括

 2020年度第1四半期は、全ての事業における販売減少などにより、売上収益が2兆1237億円と前年同期比46.9%減収となった。

 営業利益はマイナス1136億円の赤字と、前年同期比3661億円の減益。販売費及び一般管理費の減少などはあったものの、売上変動及び構成差に伴う利益減などの影響があった。

 税引前利益もマイナス734億円と、同社では新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う影響は約4400億円と試算している。親会社の所有者に帰属する当期損失808億円と、前年同期比2531億円減益となった。

2020年度第1四半期決算の内容

 2020年度第1四半期決算の内容について、倉石氏は「新型コロナウイルス感染症による需要の大幅な減少に加え、多くの国で生産や販売活動の一時休止の影響はあったものの、全社横断でコストダウン努力や経費の効率化などを実行し、営業損失は1136億円となりました。また税引前損失は持分法による投資利益の貢献はあったものの734億円となりました。前年度と比較すると3632億円の減益となりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響約4400億円と、為替の影響マイナス108億円を除くと、約808億円の増益と試算されます」と総括した。

2020年度連結業績見通し

 2020年度通期業績予想については、営業利益2000億円、税引前利益3650億円と黒字を確保する計画で、新型コロナウイルス感染症の拡大影響により先行き不透明であるものの、収益改善に向けた全社横断的な取り組みを一層強化するとしている。

 倉石氏は「新型コロナウイルス感染症により先行きは依然不透明であるものの、収益改善に向けた取り組みを一層強化し営業利益2000億円を計画しています。また税引き前利益は持分法による投資利益の貢献などにより3650億円を計画しています。前年度と比較すると4249億円の減益となりますが、新型コロナウイルス感染症の影響前年差約5000億円と為替の影響のマイナス800億円を除くと約1500億円の増益と試算されます。ホンダは今後も体質改善に向けた取り組みを着実に進め、さらなる体質の向上を目指していきます」との見通しを示した。

2020年度通期販売台数、中国市場は前年度を上まわる計画

2020年度第1四半期のグローバル販売実績

 2020年度第1四半期のグローバル販売台数については、二輪事業で185万5000台と前年同期比62.3%減、4輪事業では79万2000台と同40.0%減、ライフクリエーション事業で108万3000と同15.4%減。

4輪事業で日本市場の2020年度第1四半期の販売実績と2020年度販売見通し
4輪事業で米国市場の2020年度第1四半期の販売実績と2020年度販売見通し
4輪事業で中国市場の2020年度第1四半期の販売実績と2020年度販売見通し
二輪事業の2020年度第1四半期の販売実績と2020年度販売見通し

 4輪事業の主要市場では、日本市場の販売台数は12万6000台と前年比31.0%減。新型フィットの好調な販売などはあったものの、3か月累計では前年同期を大幅に下まわった。米国では販売台数 29万4000台と前年比27.9%減。

 一方で中国市場では販売台数39万0000台と前年比4.9%減にとどまった。

 この中国市場について倉石氏は「中国市場は新型コロナウイルス感染症の影響はあるものの経済活動の再開に加え、政府の各種消費刺激策の打ち出しにより全体市場は前年同期を上まわりました。ホンダはBreeZeの投入効果やシビックの好調な販売などはあったものの生産中止に伴う市場への供給不足などにより、卸売販売では前年同期を上まわったものの小売販売では前年同期を下まわりました」と報告。通期販売については「ホンダは新型車投入効果や工場フル稼働による市場への供給回復などにより、前年度の販売を上まわる計画です」との見通しを示した。

 2020年度通期のグローバル販売台数については、2輪事業で前年度比23.5%減となる1480万台、4輪事業で同6.1%減の450万台、ライフクリエーション事業で同6.9%減の531万台を計画している。

補足資料