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写真で見る ホンダ「フィット」(4代目/2020年フルモデルチェンジ)

 2月14日に発売された4代目「フィット」は、コンパクトカーとして圧倒的な室内空間・ユーティリティの高さなどを継承しつつ、「お客さまにより満足していただけるクルマへと生まれ変わること」を目指して開発。人の日常生活を豊かにするために「心地よさ」を新たな価値としたクルマで、TV-CMで使われているキャッチコピー「人がココチいいなら、クルマは嬉しい」は、まさに開発陣の思いを表現した言葉だという。

 本田技研研究所 オートモービルセンター 開発責任者 田中健樹氏が「開発チームではまず最初に、なぜ“心地よさ”が必要なのかを意識共有をするために1本のムービーを製作しました」と言う。それが以下の動画。

新型フィット開発コンセプト動画(2分10秒)

 この動画について田中氏は「映像に出てきた『用の美』が新型フィットのグランドコンセプトであり、『用』は人の役に立つ機能性。『美』は心地よさを徹底することで宿る美しさになる。従来のフィットで培ってきた機能性と、今回の新たに盛り込んだ心地よさを、シンプルなデザインで包み込んだのが新型フィットです」とコメント。

株式会社本田技研研究所 オートモービルセンター 開発責任者 田中健樹氏

 そして新型フィットには、シンプルな内外装の「BASIC(ベーシック)」、自宅のような居心地のよさが特徴の「HOME(ホーム)」、フィットネスをイメージさせるアクセントカラーを用いた「NESS(ネス)」、SUVテイストを取り込んだスタイルの「CROSSTAR(クロスター)」、本革シートでラグジュアリー感の漂う「LUXE(リュクス)」と、大きく5つのグレードが用意された。その全グレードと価格に関しては「ホンダ、2モーターの「e:HEV」で最高燃費29.4km/Lの新型「フィット」。155万7600円から」を参照して頂きたい。

親しみ感のあるエクステリア

 エクステリアデザインは、つぶらな瞳を思わせるヘッドライト、グリルレスにしつつも(CROSSTARは除く)角を丸めたエッジのないフロントフェイスは、親しみと安心感があり、飽きのこないシンプルな造形が特徴となる。テールゲートは塊感を強調しながらも、軽快な印象を与えてくれる形状とされた。また、どっしりとした低重心イメージを創出するリアバンパーにより安定感が高められている。

写真はガソリン、FFモデルのNESS(187万7700円)。ボディサイズは3995×1695×1540mm(全長×全幅×全高)で、ホイールベースは2530mm
ぬくもりと親しみを感じさせる表情と低重心にしたことで、一緒にいたくなる「親近感」と「安心感」を表現したという新型フィットのデザイン
オフロードテイストなデザインを用いることで、ガラリと印象の異なるCROSSTARは、専用バンパーやオーバーフェンダーを装備し、さらにオプションのルーフレールを装着するとボディサイズが4090×1725×1570mm(全長×全幅×全高)と圧倒的なボリューム感となる。また、最低地上高も他グレードよりも25mm高く、荒れた道の走破性も高い。ホイールベースは2530mmで同じ。写真はe:HEVエンジン、FFのCROSSTAR(228万8000円)
ハイブリッド車には、右側の後ろに「e:HEV」のエンブレムが付くのと、前後にある「H」エンブレムの内側に青色が追加される
給油口は左側の後方に配置

無駄がなくすっきりとしたインテリア

 フルカラーTFT液晶メーターを採用し、1つのメーターにさまざまな情報を表示できるようになったことで、従来のようなメーターフードは不要となり、薄く水平基調なインパネを実現。また、大きなフロントガラスから入る光により明るい室内、広い視界を確保。無駄を省いたシンプルな造形ながら質感を高めた素材、スイッチ類のフィーリングにまで作り手のこだわりを感じるインテリアになっている。

2分割にしたAピラーとフラットなダッシュボードのおかげで、旧型よりもワイドで心地よい視界を確保
NESSとCROSSTARのシートは、中心部分がはっ水ファブリック、サイドがファブリックという構造。カラーはブラック×ライムグリーン、ブラック×グレーの2色がある。またBASICは中心部分とサイドともファブリックで、カラーはソフトグレーとブラックの2色が設定されている
LUXEのシートは、中心部分が本革&レザテック、サイドが本革&プライムスムースとなっている。カラーはブラウンまたはブラックの2色
HOMEのシートは、中心部がナチュラルテキスタイル(織物)、サイドがプライムスムースの組み合わせ。カラーはソフトグレーとブラックの2種類となる
7インチフルカラーTFT液晶メーターを採用
カーナビは9インチのプレミアム インターナビ、8インチのベーシック インターナビ、7インチのエントリー インターナビの3種が設定される。※写真はプレミアム インターナビ
助手席の前には上段にインパネアッパーボックス、下段にグローブボックスが設けられる
センターコンソールには12VシガーソケットとUSBポートが配置される
運転席と助手席の間には、後部席用のUSBポートを2つ配備
LUEXのみセンターコンソール用のワイヤレス充電器がメーカーオプションとして設定されている
旧型よりも全体的に拡げられたテールゲートの開口部
リアシートは、チップアップ&ダイブダウン機構付き6:4分割可倒式
荷物の量によって倒す側の使い分けが可能
すべてを倒したユーティリティ・モードでは26インチクラスの自転車を積むことも可能
ハイブリッド車のラゲッジスペースの下にある収納スペースはが、先代の3.5倍となる14Lの容量を確保。別途パンク修理キットや牽引用フックも備える
リアシートの座面を跳ね上げることで、高さのある荷スペースを作ることもできる
ステアリングの左側には、音量調整や曲送りといったオーディオ関係と、TFT液晶メーターに表示させる情報を選択するジョグダイヤルなどが備わる
ステアリングはシンプルな2本スポーク形状
ステアリングの右側には「アダプティブクルーズコントロール(ACC)」「車線維持支援システム(LKAS)」といった安全運転支援システム「Honda SENSING」の操作ボタンを配備
本革巻きステアリングはLUEX全車とHOMEのハイブリッド車のみオプションとして設定。また、ステアリングヒーターはLUEXのみとなり、4WDは標準装備、FFはオプション。ON/OFFボタンはステアリングの右側に配置される
便利で見やすいTFT液晶メーター

 速度表示やHonda SENSING作動表示などを分かりやすく表示するTFT液晶メーター。表示させる項目もカスタマイズでき、自分が必要とする情報を選択して表示せることも可能。

もっともシンプルなのが速度のみの表示。あえてその他の情報を表示させず、運転に集中できる心地よさを演出。一番下にある外気温と時間はデフォルトで表示される
アダプティブクルーズコントロール(ACC)スタンバイ状態
Honda SENSINGの設定状態を確認できる
全席のシートベルト装着状況を確認できる
パワーユニットは新型ハイブリッドとガソリンの2種類

 新型フィットに搭載される新しいハイブリッドシステム「e:HEV」は、2つのモーターとガソリンエンジンを搭載。基本的にはモーターで走り、エンジンは発電用となる。ただし、高速クルーズのときだけは、モーターでは効率がわるいため、ガソリンエンジンをそのまま動力へとつないで走る。

 この2モーター+ガソリンエンジンという組み合わせのハイブリッドシステムは、すでに中・大型用に開発され、実際に「インサイト」などに搭載されているが、今回モーターの変更などで約20%の小型化に成功したことで、コンパクトカーのフィットへの搭載が可能となり、この構造を成立させている。

インサイトなどに搭載される「H4」型モーターを小型化した新開発「H5」型モーターと、アトキンソンサイクルや電動VTCなどの採用によって高い熱効率を誇る直列4気筒DOHC 1.5リッターエンジン(LEB型)が組み合わされ、モーターでは最高出力80kW(109PS)/3500-8000rpm、最大トルク253Nm(25.8kgm)/0-3000rpm、エンジンでは最高出力72kW(98PS)/5600-6400rpm、最大トルク127Nm(13.0kgm)/4500-5000rpmを発生する。パーキングブレーキは電動化されている
ガソリン車は、直列4気筒DOHC 1.3リッターエンジン(L13B型)で、大型電動オイルポンプを使う「サーボ油圧システム」を搭載する新開発CVTと組み合わせて燃費が向上。最高出力72kW(98PS)/6000rpm、最大トルク118Nm(12.0kgm)/5000rpmを発生し、WLTCモード燃費は、2WD車が19.4km/L~20.4km/L、4WDが17.0km/L~18.2km/Lとなる。電動パーキングブレーキスイッチの左側には「アイドリングストップOFF」ボタンが配置される

用の美に個性を与えてくれるアイテム

 ホンダのモータースポーツシーンを牽引する「無限」と、ドレスアップ系アイテムを豊富に手掛ける「ホンダアクセス」から、オリジナリティ溢れるアイテムが発売された。

 無限は新たな試みとして、エアロパーツをまとめた「スタイリングセット」だけでなく、「スタンダードセット」「ユーティリティセット」「ボディデカールセット」と、エアロ以外のパーツを組み合わせたセットメニューも用意している。その他の無限パーツに関しては関連記事「無限、新型フィット用「Dash」&「Skip」イメージに合わせた2種類のエアロ」をあわせてご覧いただきたい。

無限では「LIFE IS SPORTS」をコンセプトに、“駆け抜ける”アクティブなイメージを表現した「Dash(上)」と、“弾むように”楽しむイメージを表現した「Skip(下)」の2タイプのエアロパーツをラインアップ

 ホンダアクセスは「FIT.in Your LIFE」をキーワードに、日常使いから遊びまで多様なライフスタイルシーンにフィットするインテリア&エクステリアアイテムを発売。HOME、NESS、CROSSTAR、LUXEの各グレード向けにアイテムを用意しているほか、おすすめアイテムを組み合わせた「お得な純正ディーラーオプションパッケージ」も設定している。

 さらに、上品なネイビーとボルドーピンクを組み合わせたインテリアコーディネートアイテム「Elegant Color Collection(エレガントカラーコレクション)」も展開している。その他のホンダアクセスのアイテムに関しては関連記事「ホンダアクセス、新型フィット用アクセサリー」をあわせてご覧いただきたい。

ホンダアクセスのNESS向けアイテムは、3連の「ビームライト」「フロントグリル」「16インチアルミホイール」など。さらにエアロパーツが、より颯爽としたイメージを際立たせている
高輝度シルバーの「ロアガーニッシュ」や「クロスバー」はCROSSTAR専用アイテム。タフな印象を与えるとともに「LEDフォグライト」「デカールボディサイド」「デカールテールゲート」でスタイリングに個性をプラスしている