ニュース
ホンダ八郷社長「チームホンダ 一丸となって必ずこの難局を乗り越えていく」。2020年3月期決算説明会
中国は消費刺激策で市場は活性化。北米の正常化は夏ごろを想定
2020年5月12日 19:35
- 2020年5月12日 発表
本田技研工業は5月12日、2020年3月期(2019年4月1日~2020年3月31日)決算説明会をオンラインで開催。同社代表取締役社長 八郷隆弘氏、代表取締役副社長 倉石誠司氏、専務取締役 竹内弘平氏が登壇して決算内容を報告するとともに、新型コロナウイルスの影響下における2021年3月期に向けた見通しなどを話した。
2020年3月期決算については、売上収益は14兆9310億900万円(前年同期比6.0%減)、営業利益6336億3700万円(同12.8%減)、税引前利益7899億1800万円(同19.3%減)、当期利益5099億3200万円(同24.6%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益4557億4600万円(同25.3%減)となった。
次期2021年3月期(2020年4月1日~2021年3月31日)の連結業績予想については、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う影響を現時点において合理的に算定することが困難なことを理由に未定とした。今後、連結業績予想の算定が可能となった時点で開示予定としている。
八郷社長「チームホンダ 一丸となって必ずこの難局を乗り越えていく」
決算説明会冒頭の挨拶の中で、八郷社長は「先が見通せない不透明な状況が続いていますが、昨年の事業方針説明会でお話しした四輪を中心とした既存事業の盤石化に向けた取り組み、またホンダミーティングなどでご紹介したホンダ eMaaSをはじめとする将来のさらなる成長に向けた仕込みを進めております。そして、これらを実行するための新しい組織運営体制を先月からスタートしています」と述べ、新型コロナウイルスの影響下においてもこれらの取り組みを推進していく考えを示した。
また、「しかし、今回の新型コロナウイルスが世界に与えた大きな影響は今後われわれの事業環境だけではなく、人々の価値観にも大きな変化を与えるに違いありません。ホンダとしても現在展開しているさまざまな施策に加えて将来起こりうる変化にも対応できる新たな事業方針を定めて、できるだけ早く皆様に直接ご説明する場を設けたいと思います」との考えを話した。
八郷氏は「ホンダはこれまでも幾度となく大きな困難に直面してきましたが、そのたびに克服してきました。今回も厳しい状況にありますが チーム ホンダ 一丸となって必ずこの難局を乗り越えていきます。そして一刻も早くこの厳しい環境が収束して、また業界全体で明るい話題を提供していけるよう取り組んでまいります」との意気込みを話した。
中国は消費刺激策で市場は活性化。北米の正常化は夏ごろを想定
代表取締役副社長 倉石誠司氏からは現在の稼働状況や市場環境についての説明があった。倉石氏は「現時点でのグローバルでの稼動状況は4輪が約7割、2輪は約5割の拠点で稼働を再開しております。その中で、中国はおかげさまで広汽本田は3月末から、東風ホンダは4月中旬から通常稼働に回復している状況です。アメリカやカナダの四輪生産拠点は昨日から稼働を再開しております」と報告された。
市場環境について、倉石氏は「そんな中での市場の状況ですが、中国は4月の販売実績が11万3000台で前年同期比9割、卸では110%を超えるということで受注も非常に好調に推移しております。一方で北米では4月になって非常に厳しい状況が続いておりまして、前年度44.2%の5万7000台という状況です」と説明した。
今後の見通しとして、倉石氏は「中国につきましては実際コロナウイルスの影響を受けて、特にわれわれは武漢の方に工場もあるため大きな影響を受けたわけですが、直近では中央政府による新エネルギーカーの優遇政策の延長だとか、一部地方政府においてナンバープレート発給規制緩和など数々の消費刺激策が打たれてきており、その影響もございまして市場は活発化してきております。一方でアメリカの方は現在最も影響を受けている東海岸地区は徐々に販売店も稼働を再開してきております。全国レベルで販売が正常化するには夏ごろを想定しておりますけれども、販売店とコミュニケーションを密にしてできるだけ早い復活を目指して、今後進めていきたいと思っている状況です」との見通しが示された。