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新型「レヴォーグ」のインテリア装備に詰まったこだわり 疲れないシートや乾燥し過ぎないエアコンモード

新型「レヴォーグ」の11.6インチセンターディスプレイと、12.3インチのフル液晶メーターを採用するデジタルコクピット。「アイサイトX」をオプションで選択した場合に同時装着される

「現行型レヴォーグではインテリアが課題の1つだった。走りはいいのに、欧州車より質感が劣っている。これはなんとかしなきゃいかん」と、意思を固くして開発にあたったという新型「レヴォーグ」の内装。ドアを開けたときに目を引く11.6インチセンターディスプレイと、12.3インチのフル液晶メーターを中心としたデジタルコクピットに生まれ変わっただけでなく、細かいところまで心配りが行き届いた装備になっていた。

 シートの座り心地、触れたところや握るところの触感、形、エアコンのマイルドモードなど、実際に確かめてみないと分からない部分もあるだろうが、1つひとつに詰まっているこだわりを紹介していきたい。

長時間の運転で体にかかる負担を軽減するシート

 新型レヴォーグでは、センターコンソールの高さを現行型よりもわずかに高くすることで、包まれ感を演出。助手席に座っている人に疎外感を与えないよう、ディスプレイをドライバー側へ傾けることなく、ドライバーズカーとしての印象を付与した。

 ステアリングは、現行型の丸い断面から、新型ではわずかに平らな面を設けて手を置きやすく、握りやすい断面へと変更された。また、センターディスプレイとメーターの面の角度を揃えたり、左膝横の素材と両サイドのアームレストの素材を合わせたり、一体感を持たせている。

アイサイトXを選択しない場合のインパネ。中央にあったセンターディスプレイの位置には、上部にナビが、下部にエアコンの温度表示などの画面が配置される

 シートに関しては、座り心地だけではなく、さまざまな体型の人たちに正しい姿勢をとれるよう、シートのスライド量やステアリングのチルト・テレスコの量を拡大。シートの座面の形と中のウレタンクッション、骨組みまで一新して、ロングドライブでも疲れないようなシート構造とした。

 具体的には、臀部から太ももにかけて体重を分散するようなシート形状にするとともに、ウレタンの発泡密度を座面は柔らかく、側面は固くしてホールド性を向上。バネも沈み込まないように、体を支えられるような固さとすることで、長時間の運転でも体が痛くならないような工夫をこらしている。

 また、骨盤を支えるという考え方を取り入れ、骨盤を3方向から支えるようなフレーム形状とした結果、体に余計な力を入れることなく、長時間いい姿勢を保てるようなシートとした。これにより、長時間座っていても姿勢が崩れず、腰が痛くならないようになったという。

 ホールド性は、カーブの際に上体が流れないようにするため、背中全面と脇で体を押さえられるようなシート構造に変更。それにより、コーナリングでも肩が押さえられてしまい動かしづらいなどといったことがなく、簡単にスムーズな操作ができるようにしている。

グレードごとに異なるシート表皮を採用するも、「疲れにくいシート」という基本構造は変わらない

荷室容量を拡大してワゴン価値を向上

 新型レヴォーグは、ボディサイズ4755×1795×1500mm(全長×全幅×全高。プロトタイプ参考値)と、現行型に対して全高を据え置きつつ、全長は65mm、全幅は15mmそれぞれ拡大するも、エクステリアデザインがシェイプを絞ったようなスポーティなデザインになっている。一見荷室容量が減ってしまいかねないデザインではあるのだが、今回はそれを許さず10L拡大した492Lを確保。

 寸法(プロトタイプ参考値)は、現行型に対して奥行きは変わらず1070mmとし、リアゲート開口幅(下端から70mm上)は+30mmの1055mm、リアゲート最大開口幅(下端から270mm上)は+29mmの1144mm、ホイールエプロン幅は+20mmの1100mm、リアゲート開口部高さは+4mmの701mmとした。

 さらに、ラゲッジボード下のサブトランク容量を29L拡大して69Lの大容量を実現。スーパーの買い物かご2つをそのまま収納できるほか、スノーボードのブーツも入れることができるとのこと。また、防汚や防水の加工はほどこされていないものの、プラスチック製フロアのため、汚れや水滴を簡単に拭き取れるという。

 なお、ラゲッジのサイドポケットは現行型ではネットを採用していたが、旅先でラゲッジをベンチ代わりとしてくつろいでもらいたいということで、コーヒーなどを置けるように、汚れても拭き取れるバスタブタイプの収納を設定している。

現行型に対して10L拡大した492Lを確保するラゲッジルーム。サブトランクは現行型から29Lと大幅に拡大した69Lの容量を誇り、計561Lという荷室容量とした

同乗者にも優しいエアコンのマイルドモード

 スポーティでドライバーファーストなモデルとなると、ともすれば同乗者には眉をひそめられてしまいかねない場合もあるだろう。新型レヴォーグでは同乗者にも気遣いを忘れずに、エアコンを入れ続けていると乾燥してしまいがちな車内で、湿度を下げ過ぎないためのマイルドモードが設定されている。

 このマイルドモードは、新型レヴォーグの走行モードを「コンフォート」にした場合に適用されるもので、窓ガラスが曇らないよう常に乾燥させている車内の湿度を測るセンサーを採用することで実現。乾燥し過ぎないように、窓ガラスが曇るか曇らないかのギリギリの湿度になるよう、このセンサーで管理しているという。なお、加湿器や空気清浄機のような動作はしていないとのこと。

 さらに、足下からの冷風も止めて冷え過ぎを防ぐといい、「乗り心地がわるくて、寒くて乾燥する車内」を嫌う奥さまに向けて、乗り心地がよく、冷え過ぎず、乾燥し過ぎない“奥さまモード”として開発がされたという。

インテリアの概要説明パネル
ワゴン価値の説明パネル

 このように、新型レヴォーグは1人で出かけるだけでなく、誰かとどこかへ行く楽しみをも手助けするような装備が採用されている。現行型レヴォーグからさらにワゴン価値を高めた新型レヴォーグを、早くロングドライブに連れ出してみたい