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DS、最新のEV「DS 3 クロスバック E-TENSE」を東京ミッドタウン日比谷に2日間限定で展示中

8月22日~23日。フルEVを日本に導入した理由などを聞いた

2020年8月22日~23日 開催

東京ミッドタウン日比谷にフル電動のコンパクトSUV「DS 3 クロスバック E-TENSE」を展示中

 DS Automobiles(Groupe PSA Japan)は、フル電動のコンパクトSUV「DS 3 クロスバック E-TENSE」を7月29日に発売。それを記念して、東京ミッドタウン日比谷にてDSの世界を体験できるイベントを8月22日~23日に開催している。

 東京ミッドタウン日比谷のアトリウムスペースを会場とし、デビューしたばかりのDS 3 クロスバック E-TENSE、そして「DS 3 クロスバック」「DS 7 クロスバック」のDSの全ラインアップを展示。会場ではフラワーアーティスト・田中孝幸氏による作品展示と、菓道家・三堀純一氏によるパフォーマンスというDSの“Spilit of Avant-Garde”と共鳴する日本の気鋭の匠とのコラボレーションにより、美と技でアトリウムの空間をDSのテイストに鮮やかに彩っているという。

会場ではDSの全ラインアップを展示するとともに、日本の気鋭の匠とのコラボレーションにより、美と技でアトリウムの空間をDSのテイストに仕上げた
菓道家・三堀純一氏

 DS 3 クロスバック E-TENSEは「So Chic」と「Grand Chic」の2グレードが設定され、So Chicが499万円、Grand Chicが534万円。ボディサイズは4120×1790×1550mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2560mmで、パワートレーンは100kW(136PS)/260Nmの電気モーターを搭載し、航続距離はJC08モードで398kmとアナウンスされている。

 ドライブモードは3つ用意され、SPORTモード選択時(100kW/260Nm)にはヴィヴィッドなアクセルレスポンスによってスポーティなドライビングが可能。NORMALモード(80kW/220Nm)では日々のドライブでバランスのとれた走りを実現。ECOモード(60kW/180Nm)ではもっとも航続距離が伸びる穏やかな走りになるとのこと。

DS 3 クロスバック E-TENSEは100kW(136PS)/260Nmの電気モーターをフロントフード内に、50kWhのリチウムイオン電池をフロア下にそれぞれ搭載。航続距離はJC08モードで398kmとのこと

 ここからは、このイベントに関して、そしてDS 3 クロスバック E-TENSEについてGroupe PSA Japan関係者に書面にて質問を行なったので、その回答をご紹介する。今回は水谷昌弘氏(DSプロダクトマネジャー)、上村学氏(EV関連担当およびプジョープロダクトマネジャー)、セシル・ヴェリエ氏(マーケティング部DSブランドマネジャー)による共同回答となっている。

最量販モデルにフルEVを

――今回の日比谷で開催されているこのイベントは、どのような目的で催されたのでしょか。また、東京ミッドタウン日比谷を選んだ理由も教えてください。

Groupe PSA Japan:E-TENSEに採用されている最先端技術は、環境への配慮と心を豊かにするデザインのために発揮され、エコやエシカルを強く意識する時代のラグジュアリーの価値観を再定義する自動車と位置付けています。

 芸術の国、フランスが発信する刺激的なデザインと、環境に配慮された先進技術によって無駄を省き、本当に心を豊かにするものだけを見極める感性を持つ人にDS 3 クロスバック E-TENSEを届けたいと思っています。そこで、このクルマがこれからの時代のラグジュアリーであることを訴求する場所として相応しかったのが、東京ミッドタウン日比谷でした。最新のラグジュアリーな複合施設であるということが、このクルマの最先端技術という点と一致します。また、東京ミッドタウン日比谷は、日比谷という文化と歴史ある街にクリエイティビティと現代性を持ち込んだ施設だから、というのが理由です。

――では、DS 3 クロスバック E-TENSEについて教えてください。なぜフルEVのこのクルマを日本に導入したのでしょうか。

Groupe PSA Japan:環境問題に対応するCOP、CAFE、排出ガス規制などへの取り組みは国家レベルでの重要なテーマであり、メーカーとしても最重要課題の1つです。その中でも、電動車の導入・販売促進は、環境問題への対応策のキーとなります。PSAのEV導入戦略のキーは「Power Of Choice」です。ガソリンモデルと同等のデザイン、スペース、装備を持つEVを提供することで、お客さまにEVを普通の選択肢の1つとして真剣に考えて頂くことです。そのためにDSの最量販モデル、DS 3 クロスバックに設定したのです。

――このクルマのターゲットユーザーはどういう人たちを想定していますか。特にガソリン車(ICE)のDS 3 クロスバックとのユーザー層の違いはどういうところなのでしょうか。

Groupe PSA Japan:BEVということで、ICEのターゲットをベースとしながら、進取の気性に富んだとか、クルマの用途として長距離ユースの頻度があまり高くない方がメインになります。

 実質、初めてといえるコンパクトSUVへのピュアEVの投入は、DSブランドの魅力と、EVのシティコミューターとして環境性能&経済性&使い勝手の両方を感じて頂けるでしょう。

――エクステリアとインテリアにおいて、ICEとの違いはありますか。あれば、具体的にどこが違うのでしょう。

Groupe PSA Japan:あえてこれみよがしな差別化はしていません。

エクステリア

・ボンネットのE-TENSE専用マスコット
・DSウィング(=グリル)がクロームからサテンクローム(ツヤ消し)に
・グリル色がブラックからアントラシートグレーに
・リアスカート部分の装飾と(当然ながら)エキゾーストなし
・E-TENSE専用エクステリアカラーのクリスタルパール

インテリア

・パールグレーレザーステアリングホイール
・パールグレーダッシュボードとダイヤモンドステッチ
・パールグレーナッパレザー&ファブリックシート
・メーターパネル内のEVモードメーター表示

が違うポイントです。

エクステリアではE-TENSEボンネットマスコット、サテンクロームDSウィング&アントラシートグレー(無煙炭を意味するフランスの伝統色)グリル、サテンクロームフィニッシュのDSウイングとリアガーニッシュ、リアスカート装飾、リアE-TENSEバッヂ、アントラシートグレー18インチ”KYOTO”アロイホイール(Grand Chic)などがE-TENSEだけのオリジナルディテールとなる
ダッシュボード中央のひし形モチーフからラップラウンドしてドアトリムまで大胆にダイヤモンドステッチを入れたインテリアの景色は、かつて1920年代に建築様式・デザイン様式として世界を席巻したアール・デコを連想させる

――年間でGroupe PSA Japanの中でのフルEVの目標割合を教えてください。

Groupe PSA Japan:目安としてですが、EVは各モデルの約10%を最初の目標と考えています。

――ディーラーでの対応についてお伺いします。これまでEVを扱ったことがないところがほとんどだと思いますが、ディーラーへの教育はどのようにしてされていますか。

Groupe PSA Japan:販売店向けのトレーニングは3つのカテゴリーで行なっています。まず、セールス、フロント(カスタマーアドバイザー)向けに、商品知識、セールスプロセス(特にお客さまの使用状況やご希望からのEVの適正判断、環境のヒアリングなど)、EV試乗の進め方、想定問答、充電、メンテナンスなどの具体的な情報の共有と教育です。

 次にセールスマネージャー向けに、上記を実施するための店舗内研修の進め方のレクチャー。そしてメカニック向けにはEVの構造と動作、電気設備と安全作業について、充電設備のメンテナンス、バッテリーのケア、整備交換方法などのトレーニング。

 最後に、資料としてセールスマンポケットガイド(商品知識)、納車説明マニュアル、ご購入者向けの取説の抜粋版の配布、メカニック向けの随時のテクニカル情報アップデートなどを用意し、万全を期しています。

――各ディーラーで充電器の配備はどのようになっていますか。また、将来的にはどうなっていく予定ですか。

Groupe PSA Japan:急速充電器1台、普通充電器2台をガイドラインに年内を目処に配備を進めています。

コンセント型普通充電(3kW/200V)で100%充電まで約18時間、ウォールボックス型普通充電(6kW/200V)で100%充電まで約9時間。急速充電は日本のスタンダード「CHAdeMo規格」に対応し、80%充電までの時間は約50分

――例えば、BMWは「Charge Now」のように最初の1年はNCSの利用料無料や、充電器の自宅導入支援等の施策を打っていますが、Groupe PSA Japanとしては何かEVの普及に関して施策はあるのでしょうか。

Groupe PSA Japan:ダイレクトな金銭的なプロモーションは行なっていません。しかし、EVをガソリンと同程度の月々所有コストで検討して頂くために、

①魅力的な車両価格の設定(他社と比較した場合)
②EV専用金利(1.52%予定)
③EV専用メンテナンスコスト(約70%価格)
④国、地方の補助金
⑤エコカー減税のメリット

などを全て考慮すると、ガソリンと大差がないという設計のもとに導入をしています。