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DS、エレクトリックラグジュアリーコンパクトSUV「DS 3 CROSSBACK E-TENSE」日本発売。価格は499万円~

「So Chic」「Grand Chic」の2グレードを設定

2020年7月29日 発売

499万円~534万円

いよいよ日本で発売される「DS 3 CROSSBACK E-TENSE」

 DS Automobiles(Groupe PSA Japan)は7月29日、コンパクトラグジュアリーSUV「DS 3 CROSSBACK E-TENSE(DS 3 クロスバック E-TENSE)」の日本仕様を発売した。「So Chic」と「Grand Chic」の2グレードが設定され、So Chicが499万円、Grand Chicが534万円となる。

 去る6月24日に「DS、電動化モデル『DS 3 CROSSBACK E-TENSE』日本導入決定」との発表があり、そこでの予告通り今回の日本仕様の発表となった。なお、画像は欧州仕様のため左ハンドルだが、日本仕様はすべて右ハンドルとなる。

 ボディサイズは4120×1790×1550mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2560mmで立体駐車場にも入れるコンパクトサイズ。車輌重量は1580kg(Grand Chic)。パワートレーンは最新E-TENSEテクノロジーによる100kW(136PS)/260Nmの電気モーターを搭載し、航続距離はJC08モードで398km、超高速モードを含む欧州WLTCモードで320km。

 DS 3 CROSSBACK E-TENSEに採用される電動化プラットフォーム「eCMP」は、そのライドフィールと静粛性、効率性で高い評価を得ているICE(内燃機関)を搭載する「DS 3 CROSSBACK」のプラットフォーム「CMP」のEV(電気自動車)版で、バッテリーと電気モーターが効率的に搭載される。

1:7kW車載充電器(オプション:11kW充電器)、2:100kW(136HP)電動モーター、3:高性能ヒートポンプ、4:充電ソケット:自宅充電は7時間30分で100%充電完了(7kW普通充電器)/急速充電は50分で最大80%充電可能(50kW急速充電器)、5:50kWhリチウムイオン電池。航続距離307~331km

 また、居住空間やトランクスペースを犠牲することなく、その都会的なコンパクトさを保ちつつ、5人乗車のフルシーターでクラス最大級となる約350Lのトランクスペースを確保。EVにおいては、静粛性への配慮は今まで以上に重要なポイントで、内燃機関独特の振動や音が存在しないことで、外部環境からのノイズが相対的に大きく感じられるが、DS 3 CROSSBACK E-TENSEは、このセグメントで他に類をみない静粛性を実現したという。

DSオートモビルCEOのベアトリス・フシェ氏

 DSオートモビルCEOのベアトリス・フシェ氏は「電動化は、現在のモビリティの課題に対する有効な解答です。ブレーキ時の運動エネルギーを回収し、内燃機関では不可能な卓越したエネルギー効率を実現しています。無音のうちにゼロ回転から瞬間的にトルクが立ち上がるドライビングエクスペリエンスは、比類なき喜びをもたらしてくれるでしょう。これこそが、内燃機関の自動車に課せられていた都市中心部への移動の制限に対する決定的な解答です。移動の自由とDSをドライブする喜びのすべてを、これからも担保すべく、私たちはDS 3 CROSSBACK E-TENSEというクリエイションを成し遂げたのです」とコメントしている。

DS 3 CROSSBACK E-TENSEの特長

E-TENSEだけのオリジナルディテール

 ICEバージョンとの外観上の違いは、あくまで控えめ。E-TENSEボンネットマスコット、サテンクロームDSウィング&アントラシートグレー(いわゆるアンスラサイト=無煙炭を意味するフランスの伝統色)グリル、サテンクロームフィニッシュのDSウイングとリアガーニッシュ、リアスカート装飾、リアE-TENSEバッヂ、アントラシートグレー18インチ”KYOTO”アロイホイール(Grand Chic)となる。

E-TENSE専用の新色クリスタルパール

 ボディカラーは新色のクリスタルパールがイメージカラー。繊細なメタリックホワイトを基調に、ハイライト部分にほのかにシャンパンゴールドが覗くエレガントなE-TENSE専用色となる。他にも好評のブルー ミレニアム、オル アンペリアル、ウイスパーを標準設定。ルーフはクリスタル パールではノアール ペルラネラ、ダイヤモンド レッドとの組み合わせが選択可能。

普段はボディと一体化するドアハンドル

 ボディパネルと完全同一面に格納される「フラッシュリトラクタブルハンドル」は、プロキシミティスマートキーによって、キーを持った人が1.5mまで近づくと自動的に4つのドアハンドルがせり出してアンロックされ、車輌から離れるときも2m以上離れると自動で格納・施錠される。キーをハンドバッグやポケットから出す動作さえも不要になる。

プロキシミティ キーレスエントリー(1分41秒)
1.5mまで近づくとドアハンドルがせり出しつつ開錠され、2m以上離れると格納されるとともに施錠される
パリのエレガンスを身に纏うかのようなインテリア

 内装はDS オートモビルのブランドタグライン"Spirit of Avant-Garde”の理念がそのまま形となって現れ、Grand Chicでは、シートサイドサポートはオフホワイトのナッパレザー、ダッシュボード、ドアトリムも同じくオフホワイトのテップレザーを採用。さらにステアリングホイールまでもオフホワイトで仕上げられる。シート座面中央は、あえて同色のファブリックとして、フランス車ならではの座り心地の柔らかさを提供する。

ひし形モチーフがふんだんに使われる内装

 ダッシュボード中央のひし形モチーフからラップラウンドしてドアトリムまで大胆にダイヤモンドステッチを入れたインテリアの景色は、かつて1920年代に建築様式・デザイン様式として世界を席巻したアール・デコを連想させ、さらにオフホワイトのRIVOLIの華やかさは、幾何学模様が織りなすアール・デコ様式が自動車業界に波及し、ドレスのオートクチュールと同じ文脈でフランスが超高級車を創造してきた、古きよき時代さえも思い浮かばせるという。

ダッシュボード、シート、ドアインパネにもひし形モチーフを採用
オフホワイトが超高級感を演出

独創性あふれる先進運転支援機能を搭載

 DS 3 CROSSBACK E-TENSEは、コンパクトSUVという概念を超越する先進装備と先進安全運転支援機能(ADAS)を搭載。任意のレーンポジションをキープしアクティブクルーズコントロールと統合制御する「DS ドライブアシスト」、前走車や対向車の位置や距離を解析し自動制御する「DS マトリクスLEDビジョン」、視線をそらすことなく情報を読み取れる「ヘッドアップディスプレイ」「アクティブセーフティブレーキ」「アクティブブラインドスポットモニター」など、コンパクトSUVをリードする先進機能を完備する。

DS マトリクスLEDビジョンを搭載するヘッドライト
ヘッドアップディスプレイ
マトリクスLEDビジョン(Grand Chicに標準装備)

 ヘッドライトは、3つのロービーム用モジュールとハイビーム用モジュールで構成されたセグメント初の統合ヘッドライトユニットとなる。フロントガラス上部のカメラで前方の交通情報を解析し、独立した15個のライトが自動で点灯・消灯。先行車や対向車を幻惑させず、常時ハイビームでの走行を可能とした。

DS マトリックスLEDビジョン(2分11秒)
DS マトリクスLEDビジョン(イメージ)
人に寄り添うADAS(Grand Chicに標準装備)

 トラフィックジャムアシスト付きのアクティブクルーズコントロールと、レーンポジショニングキープを統合した「DS ドライブアシスト」は、車間距離を保つとともに白線を認識して車線内のポジションをキープ。車線左右幅で左寄り、右寄りといった任意のポジションを選べるのはグループPSAだけのテクノロジーとなる。リアルワールドにおいて路面状況や好み、例えば渋滞時に片側を2輪車がすり抜けるなど、状況に合わせて好きな位置を選べ、ドライバーのストレスを軽減してくれる。

 アクティブクルーズコントロール機能は、アクセルとブレーキの操作から自動停車まですべて行ない、3秒以内に前走車が再発進した場合は自動で再スタートする。

アクティブクルーズコントロール(イメージ)
レーンポジショニングキープ(イメージ)
DS ドライブアシスト(1分4秒)
アクティブセーフティブレーキ

 安心感という心の安寧もまた、ラグジュアリーの1つであることをDS 3 CROSSBACK E-TENSEは提案。前方の車輌や障害物を検知し、ドライバーが回避操作を行なわない場合に自動でブレーキを作動。作動範囲は約5~140km/h。約80km/hではサイクリストと停止車輌を、約60km/hまでは歩行者も検知。検知機能がこれまで以上に向上していて、2輪車や自転車も検知対象となっている。

セグメントを超越し、静謐なる興奮とドライビングフィールをもたらす新世代プラットフォームeCMP

完全新設計の新世代プラットフォームCMPのBEV版となるeCMP

 DS 3 CROSSBACK E-TENSEの静謐なる興奮を生み出すドライビングエクスペリエンスの源となるのが、グループPSAで最初に採用された完全新設計の新世代プラットフォームCMP(Common Modular Platform)のBEV(Battery Electric Vehicle)版であるeCMP。CMPは企画設計段階からICEとBEVを共通で開発できるように配慮され、CO2の削減、軽量化、高剛性化、効率的な音響、ノイズと振動の軽減、レベル2以上の先進運転支援機能などを見据え、世界でベストとなるコンパクトカーの製造の基礎とする使命も与えられている。

グループPSA初のコンパクトプラットフォーム「eCMP」

 グループPSAとして初採用となる完全電動化コンパクトプラットフォームeCMP。このBセグメントおよびCセグメント専用の新型プラットフォームは、ディメンジョンとパワーユニットのバリエーションに高い柔軟性を完備。液冷式の50kWhリチウムイオンバッテリーをセンタートンネル、フロントシート座面下、リアシート座面下に搭載することで、居住空間、ラゲッジスペースなどを限りなくICE版と同一にしつつ、BEV化を実現した。

 eCMP独自の仕様としてバッテリー搭載による重量増に備えて、リアのトーションビームサスペンションにはパナールロッドを追加し、サスペンションの横剛性とキャパシティが引き上げられている。また、エアコンと連動した液冷式ヒートポンプによってバッテリーの温度を最適に管理し、効率的な急速充電と長い航続距離、そしてバッテリーの長寿命化を実現した。

 80年の歴史を誇るパリ近郊のYvelines(イヴリンヌ)にある4000名のスタッフをかかえるPoissy(ポワシー)工場は、このプラットフォームのために1億ユーロをかけて完全リニューアルを行なっている。

3つのドライブモードと2つのブレーキモードを搭載

 発進直後から最大トルクを発生する電動モーターの特性を活かし、3つあるドライブモードのSPORTモード選択時(100kw/260Nm)には、ヴィヴィッドなアクセルレスポンスによってスポーティなドライビングが可能。NORMALモード(80kw/220Nm)では、日々のドライブでバランスのとれた走りを実現。ECOモード(60kw/180Nm)ではもっとも航続距離が伸びる穏やかな走りとなる。

 また、回生ブレーキも2つのモードが設定され、シフトレバーを手前に引いてBモードにすれば、アクセルOFFでのエネルギー回生を積極的に行ない、ワンペダルドライブに近いフィーリングを実現。通常のDモードではあえてICEのアクセルOFFのエンジンブレーキをシミュレートした挙動とすることで、なじみのあるフィーリングを再現している。

 さらに、高速走行時には、交通の流れとドライビングのリズムを乱さないよう回生をチューニング。人の生理や感覚に寄り添ったフィロソフィーとタッチもまたDSならではのポイントとなる。これらのテクノロジーと知見は、Fomula-E初期の2015年から参戦し、2019年にドライバーとチームで総合優勝を飾った「DS TECHEETAH」からのダイレクトなフィードバックによるもので、Grand Chicに標準装備される。

バッテリー保証は寿命8年間または16万km走行

 アフターセールスのサービスとして、バッテリー保証(8年または16万km走行)、DSアシスタンス(年会費無料)、EV専用メンテナンスプログラム/延長保証プログラム、全国DSオートモビル正規販売店での充電器配備、24時間365日のサポートを実施。

日本仕様にはリッドのランプはない(画像は欧州仕様)が、チャージ中はルームミラー下の青色LEDが点滅する
標準搭載される 3kW 15A 200V充電ケーブル
急速充電は日本のスタンダード「CHAdeMo規格」に対応

・コンセント型普通充電 3kW 15A 200V
100%充電:約18時間 50km充電:約4時間弱
・ウォールボックス型普通充電 6kw/200V
100%充電:約9時間 50km充電:約2時間弱
・CHAdeMo急速充電 50kw
80%充電:約50分

乗っていないときも楽しめるEV

 スマートフォンアプリMy DS(iOSおよびAndroid OSに対応)をアップデートし、リモートチャージングとプリコンディショニングの操作が可能。リモートチャージングは、充電状況の確認(ON/OFF、普通・急速充電、充電レベル、速度、満充電残り時間)と充電予約(設定した時間に充電を開始)を、プリコンディショニングは、遠隔でエアコンを作動させ、車内を快適な温度にすることが可能となる。作動条件は50%以上の充電状態、イグニッションOFF、車両ロックの条件がすべて揃っている場合に限られる。

家の中などからスマホでエアコンの操作や充電状況の確認が可能
DS 3 CROSSBACK E-TENSE価格/主要装備
KYOTO(18インチ)
MADRID(17インチ)
カラーコンビネーション