ニュース

日産、グローバル本社ギャラリーにオープンした「インフィニティラウンジ」説明会

空間の“間”と光でラグジュアリーブランドを体現できる空間に

2020年10月28日 発表

日産グローバル本社ギャラリーにオープンした「インフィニティラウンジ」

 日産自動車は10月28日、日産グローバル本社ギャラリーに「インフィニティラウンジ」をオープンした。同日、報道陣にインフィニティラウンジの概要を紹介する説明会を実施した。

 インフィニティは2012年から香港に本社を置いていたが、日産との連携をより強化するため香港から日産の本社がある横浜へ2020年に移転。今後、日本に拠点を置くグローバルデザインや研究開発、生産といった機能とさらに融合し、電気バッテリーの発展や電動パワートレーン「e-POWER」の搭載を推進していくとアナウンスしている。

 今回のインフィニティラウンジは本社の移転に伴ったもので、日本市場に導入されていないインフィニティモデルを直接見られる貴重なラウンジになっている。開設時には9月に発表したデザインスタディの「QX60 Monograph」とコンセプトカー「Qインスピレーションコンセプト」を展示するが、展示モデルは適宜入れ替える予定とのこと。

QX60 Monograph
Qインスピレーションコンセプト

インフィニティがどういうブランドなのかを伝えたい

日産自動車株式会社 グローバルマーケティング本部 グローバルブランドエクスペリエンス部 主担の鈴木香奈子氏

 説明会には、日産グローバル本社ギャラリーや東京 銀座のブランド発信拠点「NISSAN CROSSING(ニッサン クロッシング)」の責任者であるグローバルマーケティング本部 グローバルブランドエクスペリエンス部 主担の鈴木香奈子氏、インフィニティラウンジのデザインを担当したグローバルデザイン本部 アドバンスドデザイン部 安原大介氏がインフィニティラウンジの概要を紹介。

 はじめに登壇した鈴木氏は日産グローバル本社ギャラリーの概要について触れ、「日産グローバル本社ギャラリーではくつろいだ環境で市販車や歴代モデル、コンセプトカーや最新技術をじっくり見られるようになっています。企業情報の発信やSUPER GTのイベント、クリスマスの装飾など、お子さまから大人まで楽しんでいただける多種多様なイベントを開催しています。おかげさまで、新型コロナウイルスの感染拡大前になりますが年間125万人のお客さまに来場いただけるようになりました。日産グローバル本社ギャラリーはみなとみらい21地区に根付いてまいりまして、お客さまの70%がリピーターというほどよく知られる存在になっています」と紹介。

 また、「インフィニティラウンジの開設にあたって日産グローバル本社ギャラリーはより多角的な発信拠点になるので、来年には東京オリンピックもありますので海外のお客さまにも楽しんでいただける拠点として発展していきたいと思います。インフィニティラウンジでは普段目にかかれないコンセプトカーや市販車があるので、より多くのお客さまに来場いただき楽しんでいただきたい」とコメントした。

日産自動車株式会社 グローバルデザイン本部 アドバンスドデザイン部 安原大介氏

 一方、インフィニティラウンジのデザイン責任者である安原氏は、本社機能の移転、それに加えて社内・社外からインフィニティのクルマを見てみたいという要望が多かったことが同ラウンジを作った理由と紹介するとともに、「きっかけは大きく2つありまして、インフィニティは日本国内で販売しておりませんので、なかなかインフィニティがどういうブランドなのか、どういうクルマなのかということが日本のお客さまには伝わりにくいので、それをお届けしたいのが1つ。もう1つは従業員のためでもあり、われわれは日産、ダットサン、インフィニティと3つのブランドを持っていますが、国内で販売していない関係もあって社内にいてもクルマや世界観に触れる機会が少ない。なので日産グローバル本社ギャラリーにインフィニティを感じられる空間、クルマが見られるというのはわれわれの誇りでもありますし、モチベーションとしても非常に大切だと思っています」と説明。

 また、インフィニティラウンジは建築家の隈研吾氏がデザインを手がけた2019年の上海モーターショーのインフィニティブースに着想を得ている。同ラウンジでは実際にブースで使われた「クラウド」と呼ばれる加飾が天井から吊り下げられているのが特徴となっており、安原氏は「デザインテーマは“自然にできる形”を大切にしていこうということと、インフィニティは日本発祥のブランドですから“ジャパニーズDNA”という日本古来のデザイン、所作が原点になっています。クラウドはセラミック製の非常にハイテクなものですが、これも世界で岐阜の会社1社しか作れないもので、NASAのパラボラアンテナや衛星などに使われている素材と聞いています。それを竹細工の六つ目織の工法や折り紙という日本の伝統の文化がありますが、それを合わせて作り上げています。自由に伸縮でき、(クラウド自体の)重みで自然な形ができるようになっているのです」。

「われわれは日本の建築でも大事にされている空間の“間”を大切にしているのですが、モノとモノの間の空間をどう演出するかということをインフィニティでは大事にしています。クラウドとクラウドの間や、クルマとクルマの間などはリッチなエンバイロメントを構成してラグジュアリーブランドにふさわしい空間を作り上げています」「光というのも大事で、ブランドを体験していただくときに(今回のインフィニティラウンジでは)北側からのやわらかい光が差し込んでおり、光がクラウド越しに入ってくる。これは日本の障子や行灯といったものの考え方がベースになっています。こうした直接的な表現ではないもので日本のブランドであること、ラグジュアリーブランドであることを体現できる空間にしています」と、インフィニティラウンジの特徴を語った。

2019年の上海モーターショーのインフィニティブースは建築家の隈研吾氏がデザイン
インフィニティラウンジでは、上海モーターショーのブースで使われた「クラウド」と呼ばれる加飾が天井から吊り下げられる

 なお、インフィニティラウンジは期間限定ではなく常設となっている。日産のラグジュアリーブランドを日産グローバル本社ギャラリーでぜひ体験してみてはいかがだろうか。