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ボルボ、「S60」「V60 クロスカントリー」に48Vハイブリッド導入 装備を一部変更

国内販売モデル全車電動化が完了

2020年11月26日 発売

499万円~799万円

「S60」「V60 クロスカントリー」に48Vパワートレーンを導入

 ボルボ・カー・ジャパンは11月26日、プレミアム・ミッドサイズスポーツセダン「S60」と、プレミアム・ミッドサイズクロスオーバー「V60 クロスカントリー」の装備を一部変更するとともに、パワートレーンに48Vハイブリッドを導入して発売した。価格は499万円~799万円。

 S60は従来の「T4」「T5」パワートレーンに代わり、新たに48Vハイブリッドパワートレーン「B4」「B5」を採用。プラグインハイブリッドモデル「Recharge Plug-in hybrid T6」と併せて全て電動化させた。また、V60 クロスカントリーも従来の「T5」パワートレーンに代わり、新たに48Vハイブリッドパワートレーン「B5」を採用。今回のS60とV60 クロスカントリーのパワートレーン一新により、ボルボの国内販売モデルは全て電動化されたこととなる。

S60
モデルエンジントランスミッション駆動方式価格
S60 B4 Momentum直列4気筒 2.0リッター直噴ターボ(197PS/300Nm)+電気モーター(48Vハイブリッド)8速AT2WD(FF)4,990,000円
S60 B5 Inscription直列4気筒 2.0リッター直噴ターボ(250PS/350Nm)+電気モーター(48Vハイブリッド)6,240,000円
S60 B5 R-Design6,240,000円
S60 Recharge Plug-in hybrid T6 AWD Inscription Expression直列4気筒 2.0リッター直噴ターボ+スーパーチャージャー(253PS/350Nm)+電気モーター(プラグインハイブリッド)4WD6,840,000円
S60 Recharge Plug-in hybrid T6 AWD Inscription7,990,000円
V60 クロスカントリー
モデルエンジントランスミッション駆動方式価格
V60 クロスカントリー B5 AWD直列4気筒 2.0リッター直噴ターボ(250PS/350Nm)+電気モーター(48Vハイブリッド)8速AT4WD5,790,000円
V60 クロスカントリー B5 AWD Pro6,740,000円
S60

新グレードの追加と装備内容を一部変更

 S60 B4 Momentumは、パワートレーンの変更と併せて仕様装備の見直しを行ない「キーレスエントリー」「運転席8ウェイパワーシート(運転席ドアミラー連動メモリー機構付)」「ドアハンドル(ボディ同色、グラウンドライト付)」を標準装備とし、B4パワートレーン搭載で500万円を切る価格設定とした。

 さらに、S60には「R-Design」を新設定。R-Designは「洗練さ(Refinement)」の「R」を軸とした専用装備と、スポーツサスペンションによる洗練された走りによる、通常モデルと差別化したグレードとなる。グロッシーブラック仕上げのアクセントや18インチ専用アルミホイールをはじめ、専用オープングリッドテキスタイル/ファインナッパレザー・コンビネーション・スポーツシートや、本革/シルクメタル・スポーツステアリングホイールなどを装備している。

 また、S60では今回新たにプラグインハイブリットモデルのエントリーグレードとして「Inscription Expression」を追加設定。装備レベルを見直し、「Recharge Plug-in hybrid T6 AWD Inscription」と比較して価格を抑えた。

 両モデルともに装備レベルの一部変更が実施され、「CleanZone-アドバンスト・エア・クオリティ・システム(PM2.5センサー、車内自動換気機能付)」を採用。車内から微粒子状物質を除去することでPM2.5粒子を最大95%車外に排出することが可能となり、これにより車内のエアクオリティが最適化され、大気汚染や微粒子による健康への影響を抑制するという。あわせて「ワイヤレス・スマートフォン・チャージ」が標準装備(Recharge Plug-in hybrid T6 AWD Inscriptionを除く)されたほか、オプションのB&Wプレミアムサウンド・オーディオシステムをアップグレードして音場再現性を向上させるとともに、新たに“Jazz Club”モードを追加した。

180km/hの最高速度制限とケア・キーを導入。先進安全および運転支援機能を全車標準装備

 今回、新たに180km/hの最高速度制限とケア・キー(搭載されるキー2本のうち1本がケア・キーとなる)を導入。どちらもドライバーのより適切な行動をサポートすることで、交通事故による死者、重傷者ゼロを目指した取り組みによるものとなる。

 ボルボは、新しいボルボ車搭乗中の死亡者または重傷者をゼロにすることを目指しており、その目標を達成するためには、技術面に焦点を当てるだけでは実現できないことを認識し、ドライバーの行動面にも焦点を当てなければならないと考えているという。その中で、自動車の速度超過が死亡重症事故の大きな原因の1つであることから、すべてのボルボ車の最高速度を180km/hに制限。

 また、標準装備のケア・キーを使用することにより、運転免許を取得したばかりの10代の若者などの運転経験の浅い人や、高齢者が運転する際、また他人にクルマを貸し出す際などに、あらかじめクルマの最高速度を任意のより低い速度に制限可能とした。

V60 クロスカントリー

 加えて、先進安全および運転支援機能を全車標準装備。クルマ、人、サイクリストが混在する複雑な交通環境において、事故を未然に防ぐためにクルマにできる最善の対策として、「対向車対応機能」「歩行者・サイクリスト検知機能」「インターセクション・サポート(右折時対向車検知機能)」などを備える「City Safety(衝突回避・被害軽減ブレーキ・システム)」をはじめ、「全車速追従機能付ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)」「パイロット・アシスト(車線維持支援機能)」「ステアリングアシスト付BLIS(ブラインドスポット・インフォメーション・システム)」「衝突回避・被害軽減ブレーキ機能付CTA(クロス・トラフィック・アラート)」「ランオフロード・ミティゲーション(道路逸脱回避機能)」「オンカミング・レーン・ミティゲーション(対向車線衝突回避支援機能)」といった機能を採用している。

新パワートレーン「B4」「B5」

 48VハイブリッドパワートレーンのB4、B5は、ISGM(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター・モジュール)による回生ブレーキで発電した電力を48Vリチウムイオンバッテリーに蓄電し、エンジンの始動や動力補助を行なうハイブリッドシステムを搭載。ISGMはバッテリーモジュールへの充電、エンジンの始動、車両出力補助、制動に使用される。また、スターターモーターに代わりISGMによりエンジンの始動を行ない、アイドリングストップ後の再始動時におけるノイズやバイブレーションの大幅な低減と、より上質感のある走行性能を実現している。

 約90%ものパーツが新設計された新世代パワートレーンDrive-E(ドライブイー)の第3世代となる直列4気筒2.0リッターガソリンエンジンを搭載。ボルボ独自の設計思想により、優れた効率性と環境性能、コンパクトなデザインを実現して、新世代ボディ構造とともに、高いレベルの衝突安全性能も考慮されている。また、シリンダーの表面処理の改良など、エンジン内部の摩擦(フリクション)低減を図るとともに、気筒休止システムを導入したことで、一定条件を満たした状態での2気筒走行が可能となり、エンジンの運転効率とともに燃費を向上させている。

S60 Recharge Plug-in hybrid T6 AWD

 S60に設定しているRecharge Plug-in hybrid T6 AWDは、ボルボの中大型車向けプラットフォーム「SPA」をベースとするプラグインハイブリッドモデル。新しいプロダクトラインとなる「Recharge」(リチャージ)は、「外部充電可能」という意味から今後導入されるBEV(電気自動車)とプラグインハイブリッド車の呼称として使用され、電動化を推進するボルボ・カーズを象徴する位置付け。

 186kW(253PS)/350Nm(35.7kgfm)を発生するDrive-E 4気筒2.0リッタースーパーチャージャー付き直噴ターボエンジンと240Nmを発揮する電気モーターをリアに配置。ベストな走行バランスを追求した「Hybridモード」をはじめ、電動モーターだけで駆動する「Pureモード」ではEV走行のみによるゼロエミッション走行が可能で、プラグインレンジは48.2kmとなっている。また、エンジンとモーター2つのパワーソースを最大限に活用する「Powerモード」も選択可能としている。