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佐藤琢磨選手、カートに挑戦する子どもたちと交流する「TAKUMA KIDS KART CHALLENGE 2020」オンラインイベントに出演

グリコ x with you Japanのスカラシップで瀧口純輝くんの夢をサポート

2020年11月28日 開催

 レーシングドライバーの佐藤琢磨選手は11月28日、自身が主宰する「グリコ x with you Japan TAKUMA KIDS KART CHALLENGE 2020」のオンラインイベントに出演。全国76人の子どもたちと、質問コーナーやトークで交流を深めた。

“TAKUMA KIDS KART CHALLENGE”は「モータースポーツの楽しさを通じて、東日本大震災の復興地を応援しよう」と、カートを通じて全国の子どもたちが触れ合うことを目的に2014年にスタートしたプロジェクト。

 開催7年目の2020年は、新型コロナウイルス感染症による自粛期間の影響で6月~9月の実施に限定されたものの、2019年より2カ所多い全国27サーキットで1147人の小学生がレンタルカートで計4791回のタイムトライアルに参加したという。

 例年、鈴鹿サーキットにおいて全国の成績上位者によるファイナル大会が行なわれていたが、2020年は参加者、関係者の健康・安全を考慮して開催中止。ファイナル大会に代わって、タイムトライアルを勝ち上がった76人の子どもたちと佐藤選手が交流できるこのオンラインでのイベントが開催された。

 ファイナル大会の開催中止にともなって、ファイナル大会の上位10名のみが参加でき、佐藤選手より直接指導を受けられる特別プログラム「ACADEMY」についても2020年の開催は中止となっている。

 ACADEMYではレーシングカートを使って、これまでと違う指導方法で参加者の10名をみっちり指導するものといい、佐藤選手は「今後、例えばモータースポーツの入り口になるんですけども、本格的に始めてみたいという選手には、僕たちもここからさらに上を目指してもらいたいという、その入り口の部分で、キッズカートチャレンジから、(次のステップの)ACADEMYというものを、去年まで3年間続けてきました」と説明。

 そして、2017年、2018年、2019年に開催したACADEMYの卒業生の中から、瀧口純輝くんに対して「グリコ x with you Japan」のスカラシップが決定したことが報告された。現在、SRS-K(鈴鹿レーシングスクール・カート)で学びながらレーシングドライバーとしての夢に挑戦する瀧口純輝くんの姿が紹介され、TAKUMA KIDS KART CHALLENGEの活動が着実に成長していることを示した。

 子どもたちとの交流イベントを前に、例年開校前に佐藤選手が子どもたちに話している、あいさつと道具の管理についての重要性についての話題となり、佐藤選手は「レーシングドライバーである前に、しっかりと自分というものを持っていただきたいですし、その中で人としての礼儀だったり、やっぱり自分が活動するためには、本当にたくさんの方が支援してくださってる、今は家族だけの支援かもしれないですけども、これから上に上がっていく、それからこれからもっともっと高学年になって、あるいは社会に出て行く時に、本当にたくさんの方のサポートがあって自分の活動ができると、そういうところでの感謝の気持ちをとても意識してもらいたいんですね。ですから、自分がやるべきことは自分が責任をもって、せめてヘルメットだったりグローブだったり、走り終わったらそこらに置いとくのではなくて、きちんと自分で管理する。朝会場に来たら大きな声で気持ちよくあいさつをしてもらいたいですし、“お願いします”“ありがとうございます”と、今回はカート走行はないですけども、普段カート走行するときは、現場のスタッフたちもいますから、そういうことをしっかりとその状況わかった上で、自分のパフォーマンスを100%出すための環境づくりっていうのそれぞれにしてもらいたいなと思います」との思いを伝えた。

 また、イベントの中で佐藤選手は、2017年と2020年に獲得したインディ500優勝のチャンピオンリング2つを披露して「チーム一丸で勝つぞ、という気持ちで勝ち取った優勝だった。みんなも自分を応援してくれる家族や周りの人への感謝を忘れないでほしい」と話した。

 オンラインイベントでは、佐藤選手は子どもたちの疑問に直接答えるオンラインでの質問コーナーに参加して、ビデオレッスンのコーナーでは、レンタルカートとレーシングカートの違いやライン取りについて解説して、「コーナーの立ち上がりでいかに速くクルマを正面に向けて、アクセルを踏む時間を長くするかが、タイム短縮のカギ」などとアドバイス。イベントの最後には、佐藤選手が実際に着用したウェアなどが当たる抽選会やモニター画面上での記念撮影会も行ない、限られた時間の中で子どもたちと心を通じ合わせた。

 初のオンラインイベントを振り返って、佐藤選手は「今年は難しい状況の中でも1143人がタイムトライアルに参加してくれたし、ファイナル大会を楽しみにしていたと聞いていたので、(中止は)残念だったと思う。中には泣いてしまう子もいたと聞いて、それぐらい一生懸命な気持ちを持った子どもたちだから、オンラインで時間を共有できてよかった。小学校低学年の子には技術的に難しい話もあったかもしれないけど、全部はわからなくても“チャレンジしていくことが次に繋がるんだ”と、みんなわかってくれたと思うし、期待している。子どもたちはサーキットで見たときと変わらない元気で笑顔もいっぱい見られたし、すごくいいイベントだったと思う。これからもキッズカートチャレンジは続けていきたい」とコメントしている。