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角田裕毅選手、F2最終戦を2位で年間ランキング3位 ミック・シューマッハ選手が年間チャンピオン獲得
F1スーパーライセンス取得を確実に
2020年12月6日 22:48
- 2020年12月4日~6日 開催
F1直下のカテゴリーとなるFIA F2選手権の最終戦、第12戦サヒールのレース2(スプリントレース)が12月6日(現地時間)に行なわれた。前日のレース1(フィーチャーレース)で優勝し、レース2は8番グリッドからスタートした角田裕毅選手は追い上げて2位表彰台を獲得。年間ランキング3位を確定させた。
さらにレース中のファステストラップポイントをマークした角田選手は、ランキング2位のアイロット選手に1ポイント差となる200点を獲得しており、ルーキーの中では最上位という結果をマークした(ランク1位、2位は2年目)。こうした結果は、F2の前身であるGP2やF3000/F2などを含めて日本人ドライバーとしては過去最高の成績だ。
レースに優勝したのは角田選手のチームメイトのジェハン・ダルバラ選手。チャンピオン争いは、ランキング1位、2位がノーポイントで終わったため、レース前の順位どおりミハエル・シューマッハ氏の長男であるミック・シューマッハ選手が年間チャンピオンを獲得した。
角田選手は8番グリッドからスタート。11位まで順位を下げるが、タイヤをいたわりながら順位を上げる
スタートで11位に順位を落とした角田選手は、徐々に追い上げて6周目にはマゼピン選手を追い越し8位に上がる。その追い越した周にファステストラップも記録し、前との差を詰めていく、ファステストラップをマークして入賞すればファステストラップポイントを得られる。
角田選手はタイヤの使い方に定評があるだけに、この調子でタイヤをセーブしながら前を追いかけて行くことが期待された。
F2のチャンピオン争いは、ランキング1位のミック・シューマッハ選手と2位のカラム・アイロット選手によって行なわれているが、序盤はシューマッハ選手が3位、アイロット選手が4位という熱い展開だ。
その前ではトップを走るダン・ティクタム選手と、角田選手のチームメイトであるジェハン・ダルバラ選手が2位でトップを争っている。トップグループはタイムが上がらず、8位の角田選手はトップグループに追いついていく。
トップグループでは3位を走っていたミック・シューマッハ選手が、チャンピオンを争うアイロット選手に抜かれてしまう。そしてタイヤを完全に使い切り、タイヤ交換のためにピットインしてトップグループから脱落してしまった。
シューマッハ選手はノーポイントになる可能性が濃厚になってきたため、アイロット選手は逆転を目指したいが、優勝するか、2位+ファステストラップポイントを取る必要がある。ファステストラップは角田選手がマークしているため、アイロット選手としては優勝を目指すしかない(その後ファステストラップはミック・シューマッハ選手がマークしたが、入賞しない限り、ポイントは与えられない)。
角田選手は乱戦の中徐々に順位を上げていき、26周目には表彰台の3位まで順位を上げる。
8番グリッドから2位へ。年間ランキングでも3位を確定し、誰もが納得するF1昇格へ
角田選手は残り2周で2位を走るダン・ティクタム選手に追いつき、オーバーテイクする。しかし、その後のメインストレートでDRSを使ったティクタム選手に逆襲され追い越し返される。ここからが角田ショーの開始だった。
コーナーでフラフラするティクタム選手の動きをよく見て、最終週の最終コーナーで見事にオーバーテイクし、2位に上がってチェッカーを受けた。
優勝は角田選手のチームメイトのジェハン・ダルバラ選手。今シーズンF2にデビューしたダルバラ選手はこれが初優勝。そして2位に入った角田選手と合わせてカーリンチームは今シーズン初めての1-2フィニッシュを決めた。3位は昨年スーパーフォーミュラにも参戦していたダン・ティクタム選手。
チャンピオン争いはシューマッハ選手、アイロット選手のどちらもノーポイントに終わり、レース前のランキングどおりでミック・シューマッハ選手がチャンピオンとなり、来年のハースからのF1デビューに向けて華を添えることになった。
ランキング2位はアイロット選手。ランキング3位はアイロット選手との差を詰めた角田選手が入った。角田選手はファステストラップポイントも獲得し(ファステストラップはシューマッハ選手がマークしていたが、入賞した選手の中では角田選手が最速)、ポイントを200点に伸ばし、アイロット選手に後1点と迫る価値のある3位となった。
角田選手は今シーズンのルーキー(シューマッハ選手とアイロット選手は2年目)として最上位。4回のポールポジション、3勝という記録は、前身となるGP2時代、そしてさらにその前のF3000やF2などを含めて日本人ドライバーとしては過去最高の記録で、F1昇格に向けて誰もが納得する結果といってよい。
レース後の公式会見で角田選手は「先週は本当に厳しく、特に予選ではつらかった。これまでサポートしてくれた、チーム、レッドブル、ホンダなど全ての人に感謝したい。(来年F1に昇格だねという質問に対して)まだ発表されていないし、そもそも自分もどうなるのか知らない、すべてはレッドブルが決めることでその発表を待ちたいが、そうなれば鈴鹿の日本のファンはとても喜んでくれると思う」と述べ、日本のファンにいい結果をもたらすことができのは、とてもうれしいと述べた。
F2最終戦 第12戦サヒール 決勝結果(暫定)
順位 | ドライバー | チーム | 周回数(2位以下は1位とのタイム差) |
---|---|---|---|
1 | ジェハン・ダルバラ | カーリン | 34周 |
2 | 角田裕毅 | カーリン | 3.5 |
3 | ダン・ティクタム | DAMS | 3.9 |
4 | ガンユー・ジョー | ユニビルトーシ | 5.6 |
5 | ロバート・シュワルツマン | プレマ | 7.5 |
6 | ジュリアーノ・アレジ | MPモータースポーツ | 9 |
7 | ルカ・ギヨット | ハイテック | 11 |
8 | フィリペ・ドゥルゴビッチ | MPモータースポーツ | 13.8 |
9 | ニキータ・マゼピン | ハイテック | 14.5 |
10 | カラム・アイロット | ユニビルトーシ | 16 |
11 | ペドロ・ピケ | チャローズ | 16.1 |
12 | クリスチャン・ルンガー | ART | 17 |
13 | ルイ・デルトラ | チャローズ | 20.1 |
14 | マーカス・アームストロング | ART | 21.8 |
15 | ロイ・ニッサニー | トライデント | 23.6 |
16 | 佐藤万璃音 | トライデント | 26 |
17 | ショーン・ゲラエル | DAMS | 26.7 |
18 | ギリェメル・サマイア | カンポス | 28.5 |
19 | ミック・シューマッハ | プレマ | 35.9 |
20 | アーテム・マルケロフ | HWA | 59.7 |
21 | テオ・プルシエール | HWA | +1周 |
R | ラルフ・ボシュン | カンポス | DNF |
F2 年間ランキング(暫定)
順位 | ドライバー | ポイント |
---|---|---|
1 | ミック・シューマッハ | 215 |
2 | カラム・アイロット | 201 |
3 | 角田裕毅 | 200 |
4 | ロバート・シュワルツマン | 177 |
5 | ニキータ・マゼピン | 164 |
7 | ガンユー・ジョー | 151.5 |
6 | クリスチャン・ルンガー | 149 |
8 | ルイ・デルトラ | 134 |
9 | フィリペ・ドゥルゴビッチ | 121 |
10 | ルカ・ギヨット | 106 |