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国内初の遠隔型自動運転システムによるレベル3自動運転車、福井県永平寺町で本格運行開始

3月25日に永平寺町自動運転車出発式を開催

2021年3月23日 発表

主な自動運行装置の構成

 国土交通省と経済産業省は3月23日、福井県永平寺町において、国内初となる遠隔監視・操作型の自動運行装置を備えた自動運転車両(レベル3)を使用して、無人自動運転移動サービスの本格運行を3月25日より開始すると発表した。3月25日14時5分~14時35分に「永平寺町自動運転出発式」が実施される。

 これまで、国交省と経産省が連携して、福井県永平寺町において、遠隔監視・操作型の自動運転車による無人自動運転移動サービスを実施してきた。今回、当該車両を製作している国立研究開発法人 産業技術総合研究所から申請のあった車両に対して、国土交通省中部運輸局が、全国初となる遠隔監視・操作型の自動運行装置を備えた自動運転車両(レベル3)の認可を行なった。

 今回認可した自動運転車に搭載された自動運行装置の名称は「ZEN drive Pilot」。道路に敷設した電磁誘導線上を追従しながら周辺の交通状況を監視するとともに、運転者に代わって運転操作を行ない、最大速度12km/hで自動走行する装置。

 当該装置は、国土交通省が付与した特定条件(走行環境条件)の範囲内で作動が可能となり、作動後、走行環境条件を満たさなくなる場合や故障発生時等においては、警報を発し運行を停止するという。

自動運転のレベル分け

3月25日より遠隔監視・操作型のレベル3自動運転車が本格運行開始

永平寺ラストマイル自動運転車(レベル3)の認可について説明資料

 これまで、国交省と経産省では「成長戦略フォローアップ(令和2年7月17日)」に掲げられている「2020年中に限定地域での無人自動運転移動サービスの実現」に向け、国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下、産総研)に委託し、福井県永平寺町において遠隔監視・操作型の自動運転車の実証実験を進めてきた。

 この実証実験の成果を生かして、2020年12月22日に、福井県永平寺町が、まちづくりZENコネクトに業務委託し、1名の遠隔監視・操作者が3台の自動運転車を同時に監視対応するレベル2自動運転移動サービスが実現した。

 2021年に入って、産総研において、センサー類を改修・追加するなど車両の高度化が図られ、レベル3の車両として、国土交通省中部運輸局に申請があり、3月5日にこれを認可。その後、公道走行のための準備を経て、3月25日より国内初の自動運行装置を備えた車両(レベル3)での本格運行が開始される。

 今回レベル3にアップグレードすることで、3台の自動運転車が作動継続困難な場合を除き、遠隔にいる運転手は常時監視しなくてよくなり、運転負担が軽減され、それに伴いまちづくりZENコネクトにおいて安全確保のため車内に乗車していた保安要員を外した運用とすることにした。

 今後は、成長戦略会議「実行計画(令和2年12月1日)」に掲げられている「2022年度目処に限定地域での遠隔監視のみの自動運転移動サービスの実現」に向け、引き続き、技術開発・実証を実施していくとしている。

3月25日に永平寺町自動運転車出発式を開催

 国内初の遠隔監視・操作型の自動運行装置(レベル3)を備えた車両での本格運行に伴い、3月25日に福井県永平寺町において「永平寺町自動運転出発式」が実施される。

 同日、国交省と経産省が連携して、地域の先進事例等を発信するシンポジウムを東京で開催。同シンポジウムの中で、オンラインで永平寺町と東京の会場をつなぎ「永平寺町自動運転出発式」の中継も行なわれる。

【社会受容性シンポジウム】
日時:2021年3月25日12時~14時35分(11時開場)
会場:TOC有明 4F コンベンションホールWEST(オンライン同時開催)
東京都江東区有明3丁目4番10号