ニュース

ホンダ、新型「ヴェゼル」の「Honda CONNECT」新機能「オンライン地図更新」などを試してみた

2021年4月23日 発売

「e:HEV PLaY」に標準、ほかのグレードはオプションとなる「Honda CONNECTディスプレー」

 本田技研工業から4月23日に発売される新型「ヴェゼル」では、コネクテッドサービス「Honda CONNECT」の利用が可能となっている。具体的には通信を利用して地図などの情報を最新のものとして利用できるほか、スマートフォンをクルマのキー代わりに使うことができ、さらに、リモートでドアの施錠/解錠、エアコンのON/OFFが可能になる。

オンラインで地図取得やクルマのリモートなどを実現

 新型ヴェゼルに搭載されるHonda CONNECTの機能は、ホンダ初搭載となる自動地図更新をはじめ、「Honda e」には搭載されていたが、“量産車”として初となるHondaデジタルキー、Hondaアプリセンター、車内Wi-Fiがある。また、ボタン1つで緊急対応を要請できる緊急サポートセンター、スマートフォンでクルマの機能をリモート操作できるHondaリモート操作、Honda ALSOK駆けつけサービスも搭載する。

新型ヴェゼルのHonda CONNECTで提供される機能一覧

 利用には「e:HEV PLaY」に標準装備、そのほかのグレードはメーカーオプションとなるHonda CONNECTディスプレー、またはホンダアクセスが用意する純正アクセサリーのGathers(Honda CONNECT対応)ナビゲーションが必要で、それぞれ利用できる機能が異なり、自動地図更新とHondaアプリセンターはHonda CONNECTディスプレーのみの対応となる。

 利用は有料で、緊急サポートセンターとリモート操作、自動地図更新サービスがセットの基本パックが月額550円、ALSOK駆けつけサービスが月額330円、Hondaアプリセンターが月額330円、Hondaデジタルキーが月額330円となる。また、車内Wi-Fiは1GBあたり330円で通信容量を購入できる。

Honda CONNECTの利用料

 ただし、無料期間として基本パックの初回申し込みから12か月間は、車内Wi-Fi以外のすべてのサービスが無料で利用できる。車内Wi-Fiだけは12か月の期間内に1GBだけ無料で利用できるのみとなる。

 サービスの利用に必要な通信機器は車両に搭載しており、車内Wi-Fi以外の通信料は利用料に含まれる。回線はソフトバンク回線を用いるという。

スマートフォンをキー代わりにでき、エアコンやドアロックの遠隔操作が可能

 新型ヴェゼルに搭載するHondaデジタルキーやHondaリモート操作は、スマートフォンをキー代わりにすることや、スマートフォンからの操作で、新型ヴェゼルのエアコンのON/OFF操作ができるなど、通信機能を活用した機能を多く備えている。

車外からエアコンの操作が可能
リモート操作では操作時に注意喚起の画面が出る
エアコンが動作した

 キー代わりの機能としては、スマートフォンアプリの操作で、ドアの施錠/解錠、クルマのエンジンスタートが可能となる。誤動作を防ぐため、キー代わりの機能については、スマートフォンで解錠したあと、メーターパネルに表示されるPINコードをスマートフォン側に入力しないとエンジン始動ができないようになっている。

 また、リモート機能では、クルマの状態や燃料残量が確認でき、ドアロックの操作やエアコンの操作が可能。クルマに乗り込む前にエアコンを動作させておくこともできるようになっている。

Hondaデジタルキーの操作、まずはスマートフォン画面からドアをアンロックする。PINコード入力欄がある
PINコードはメーター画面にその都度違う数字が表示される
認証が済むと、エンジンスタートができる状態になる

地図の自動更新サービスを新搭載。専用アプリとの連動も

 ナビゲーションでは、ホンダ初の地図の自動更新を搭載した。これはメーカー装着のHonda CONNECTディスプレーで利用できるもので、最新の地図をメッシュ単位で受信して利用するものとなる。地図データは地図の元データとなるゼンリンのサーバとホンダのサーバのデータを同一に合わせ、それぞれ年に6回更新する。

システム概要とHonda CONNECTディスプレー
自動地図更新サービスなど、主要機能詳細

 地図画面上では、左下に青色のアイコンが表示されているときは、最新の地図であることを意味し、灰色のアイコンが表示されているときは地図データがまだ更新されていないことを意味する。

画面左下に表示されるアイコンで、地図が最新かどうかが分かる。写真では灰色の表示になっており、現在通信中で地図データを完全に受け取っていないことを表している

 Hondaアプリセンターでは、Honda CONNECT機器に専用アプリを提供し、利用を可能にする。地図だけでなく音楽アプリや、radikoのようにラジオ音声を通信回線で取得し視聴するアプリもあれば、検索結果をナビゲーションに転送して道案内に利用できるアプリもある。

Hondaアプリセンター
radikoアプリの詳細
NAVITIME CONNECT for Hondaアプリの詳細
音楽アプリのAWAも使える

 例えば「よりみちスポット検索」では、スポットを複数検索したあと、最適な巡回ルートの検索ができ、必要に応じて順番を入れ替えるといったことも可能となる。

よりみちスポット検索
“よりみち”する場所を複数設定すると、順に到着予定時刻を表示する
巡回するルートを考えてくれる

 試用車では「トイレ検索」アプリもインストールされ、単にトイレを検索するだけでなく、駐車場ありや、温水洗浄便座の装備といった条件で検索でき、すぐにナビゲーションに転送して道案内につなげることができた。

トイレ検索アプリ
条件設定が細かく、トイレに困ったときに重宝する

 また、基本のナビゲーションで目的地検索をする場合、変換候補がオンラインで取得できるのもHonda CONNECTの特徴。これによって、より目的地検索がしやすくなる。

ナビゲーションの目的地設定画面
検索する際の変換も、予測変換候補が通信で取得できるため、新語や流行語などの変換がしやすい

 アプリを複数投入するとアプリを起動させるための画面が複雑になるが、ドラッグ&ドロップの要領でボタンを長押しして移動させて入れ替えたり、下部に配置されているバー状のアプリ切替ショートカットにアプリを設定したりも可能。オンラインの音楽をよく聞くなら音楽アプリを下部メニューに入れておけば、一発で起動できる。

アプリのアイコンはドラッグ&ドロップの容量で下部に配置されるバー状のアプリ切替ショートカットに設定することが可能

車内Wi-Fiも有料で利用可能に

 通信機能を搭載した新型ヴェゼルでは、車内Wi-Fiを使って無線LANによるインターネット接続が可能となる。通信機能はHonda CONNECTの各機能のために装備し、通信費用も各サービスに含まれるが、車内Wi-Fi設備では車内のユーザーにインターネット接続を提供する。通信量は1GBあたり330円で、事前に容量を購入して利用する。

車内Wi-Fiの画面。残り容量が表示されるほか、容量の購入、Wi-Fiの通信設定の変更などがこの画面からできる

 通信に必要なSSIDと暗号化キーはHonda CONNECTの画面から確認できるほか、任意の文字列に変更することも可能。ホンダでは、車内にゲーム機を持ち込んだり、PCやタブレットを使ったりする用途を想定している。