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写真で見る ホンダ 新型「ヴェゼル」(2021年フルモデルチェンジ)

2021年4月23日 発売

227万9200円~329万8900円

新型「ヴェゼル」。インテグレーテッドグリルが新鮮なイメージだ

新型ヴェゼルのモデル概要

 本田技研工業「ヴェゼル」はコンパクトサイズの都市型SUVだ。2013年に誕生した初代モデルはSUVならではの力強さをベースに、クーペのようなパーソナル性とミニバンのような使いやすさを融合。ガソリン車に加えてハイブリッド車もラインアップし、累計45万台を販売するヒットモデルとなった。

 2代目となる新型は「AMP UP YOUR LIFE」をグランドコンセプトに、「信頼」「美しさ」「気軽な愉しさ」の実現を目指して開発された。

 パッケージはホンダがこれまで積み上げてきた「M・M(マン・マキシマム/メカ・ミニマム)思想」を継承。初代から受け継ぐ燃料タンクを車体中央に配置するセンタータンクレイアウトを採用することにより、4330×1790×1580~1590mm(全長×全幅×全高)とコンパクトなボディサイズとしながら居住空間を確保。とくに後席まわりは足下と膝まわりで35mm広げるとともに、背もたれを2度後方に倒すことで、今まで以上にゆったりと寛げる空間を実現している。

 外観は初代と同じくクーペライクなプロポーションを採用。フロントグリルをボディと一体としたインテグレーテッドグリルから続くロングノーズ、水平基調のサイドライン、緩やかなカーブを描くリアゲートなど、サイズを越えた存在感とスマートな印象を併せ持ったデザインとなった。一方、内装も水平貴重のシンプルなデザインとしつつも、素材や細部の作り込みなど品質の高さを感じさせる仕上がりだ。

 パワートレーンはガソリンエンジン車と、ハイブリッド車となる「e:HEV」の2タイプが用意される。ハイブリッド車は発電用と走行用を搭載する同社最新の2モーターハイブリッドシステムで、1.5リッターのアトキンソンサイクル直列4気筒 DOHC i-VTECとなる「LEC」エンジンが組み合わされる。スペックはエンジンが最高出力78kW(106PS)/6000-6400rpm、最大トルク127Nm(13.0kgfm)/4500-5000rpm、モーターが最高出力96kW(131PS)/4000-8000rpm、最大トルク253Nm(25.8kgfm)/0-3500rpmを発生。加えて、バッテリーセルを初代の48セルから60セルにアップするなど、SUVにふさわしい走りを実現するために最適化が図られている。

 トランスミッションは電気式CVTのみとなるが、駆動方式は2WD(FF)と4WDを用意。一般的なハイブリッド車(FF)の場合、リアに専用モーターをプラスした電気式4WDとすることが多いが、ヴェゼルではあえてプロペラシャフトを使用したコンサバティブな4WD方式を採用。デフなどの駆動系が増えるため構造的に複雑になり重量面でも不利となるが、エンジン+モーターの力をそのまま利用することができ、独自の「リアルタイムAWD」により前後のトルク配分は100:0~50:50を実現。速度域にかかわらず大きな駆動力を手に入れている。WLTCモード燃費は2WD(FF)が24.8~25.0km/L、4WD車は22.0km/L。

 一方のガソリンエンジンは新開発の1.5リッター直列4気筒 DOHC i-VTECの「L15Z」ユニットを搭載。最高出力87kW(118PS)/6600rpm、最大トルク142Nm(14.5kgfm)/4300rpmを発生する。トランスミッションはCVTのみとなっているが、ブレーキ操作に応じて自動的にシフトダウンを行なう「ステップダウンシフト」を採用。ワインディングなどでのレスポンスのよい走り、長い下り坂でスムーズな減速を可能にすることによる安心感など、マニュアルトランスミッション車のような走りが楽しめる。こちらも2WD(FF)と4WDが用意される。WLTCモード燃費は2WD(FF)が17.0km/L、4WD車は15.6km/Lとなる。

 先進安全装備は「Honda SENSING」を全車に標準装備。「衝突軽減ブレーキ(CMBS)」「誤発進抑制機能」「路外逸脱抑制機能」「渋滞追従機能付アダプティブクルーズコントロール(ACC)」など充実した機能が用意されるとともに、フロントカメラの画角拡大に加え、高速画像処理チップや近距離障害検知前後ソナーの採用により性能面でも大きな向上を果たしている。

 グレードはハイブリッド車が「e:HEV X」「e:HEV Z」「e:HEV PLaY」の3タイプで、価格は265万8700円~329万8900円。4WD車は287万8700円、311万8500円。e:HEV PLaYは2WD車のみとなる。ガソリンエンジン車は「G」の1タイプで、価格は227万9200円、4WD車は249万9200円。ボディカラーはe:HEV PLaY以外は「プレミアムサンライトホワイト・パール」など6色、e:HEV PLaYは「ミッドナイトブルービーム・メタリック&シルバー」など5色が用意される。

e:HEV PLaY

 もっとも特徴的なグレードとなるのが、このe:HEV PLaY。純粋に最上級モデルといえばe:HEV Zになるものの、専用の外観やグレージュのインテリアカラーのほか、装備面でもパノラマルーフを唯一装備するなど差別化が図られている。半面、唯一4WD車が設定されていないグレードでもある。

撮影車両はe:HEV PLaY。ボディカラーはプレミアムサンライトホワイト・パール&ブラック
e:HEV PLaYは専用の外装パーツを装備。フロントグリルにはトリコロールのカラーバーオーナメントが付く
ホンダセンシング用のフロントカメラは画角を100度にワイド化。ガラスが曇るのを防ぐための防曇ヒーターも装備
電動格納式リモコンカラードドアミラーは全車標準。e:HEV Zとe:HEV PLaYはオートリトラ&リバース連動(助手席側)機能も搭載
ドアロアガーニッシュにパッションレッドの加飾が付くのもe:HEV PLaY専用
リアドアのアウターノブは初代と同じ位置に
e:HEV Zとe:HEV PLaYはクリアブラック塗装のフロント、サイド、リアバンパーガーニッシュを装備
他グレードのLEDリアコンビランプはレッド&クリアだが、e:HEV PLaYはスモーク&クリアの組み合わせに
テールゲート下部にe:HEVバッヂが付く
エンジンルームにはエンジンとパワーコントロールユニット(PCU)、2モーター内蔵電気式CVTが収まる
ガソリンはレギュラー仕様。燃料タンク容量は40L
e:HEV Zとe:HEV PLaYのタイヤサイズは225/50R18。ブラックと切削コンビネーションのアルミホイールも標準
水平基調で広々とした印象のインパネまわり。e:HEV PLaYはインテリアカラーがグレージュとブラックのコンビネーションになる
e:HEV Zとe:HEV PLaYのステアリングは本革巻タイプ。e:HEV PLaYはステッチがオレンジ色になる
e:HEV Zとe:HEV PLaYはステアリングヒーターを装備
e:HEVのメーターパネルは7インチ液晶とアナログスピードメーターの組み合わせ。液晶側にはエネルギーフローや各種情報の表示が可能
シフトセレクターはDレンジのほか減速度の高いBレンジを設定。4段階に調節可能な減速セレクターも用意されている。バーミリオン色のパネルはe:HEV PLaY専用
シフト横のセレクターでは加速度が異なる「ECON」「NORMAL」「SPORT」の3モードを選択可能。ヒルディセントコントロールは全車標準
ワイヤレス充電器はe:HEV PLaYに標準。その他はオプションで装着可能
ペダルまわり
フルオートエアコンは全車標準。e:HEV Zのみ左右独立温度調節が可能
フロントのエアコン吹き出し口には逆L字型の「そよ風アウトレット」を装備。ウィンドウに沿って風を流すことでエアカーテンを形成し快適性をアップする仕組み
e:HEV PLaYにはナビ連動タイプのETC2.0車載器が標準
ステアリングコラム右側のスイッチ群
シフトレバー後方にカップホルダーを装備
カップホルダー後方にはアームレスト付センターコンソールボックス
e:HEV PLaYにはHondaConnectディスプレーが標準。10スピーカーとなる「プレミアムオーディオ」はe:HEV Zとe:HEV PLaYにオプション。ディスプレイ後方にセンタースピーカーがある
左右のAピラーにはアルミドームツィーターを配置
荷室サイドには13cmボックスバスレフサブウーファーも配置
車載通信モジュールを搭載したHondaConnectナビゲーションはもちろん各種アプリも利用可能
フロントシート頭上にはバックミラーと静電タッチ式のLEDマップランプを装備
e:HEV PLaYには前後にガラスエリアを持つパノラマルーフが標準。残念ながら他のグレードにはオプション設定もされていない
タップリとしたボリュームを持つフロントシート
ここにもトリコロールのタグが付く
e:HEV PLaYのシート表皮はグレージュとグレーのコンビネーションを基調にバーミリオンのステッチとアクセントテープが加わる
運転席ドアトリム
e:HEV Zとe:HEV PLaYのパワーウインドウは全席ワンタッチタイプ
リアシート。中央に収納式のアームレストを装備
前席バックレスト部にシートバックポケットとスマートフォポケットを装備。e:HEV Zとe:HEV PLaYは運転席側、助手席側ともに用意される
リアドアのドアトリム
リアシートは6:4分割可倒式。チップアップ&ダイブダウン機構を採用しており、前倒し時にはほぼフラットなラゲッジスペースを生み出すことが可能
フロア下部には収納スペースを用意
パワーテールゲートはe:HEV Zとe:HEV PLaYに標準装備

e:HEV X

 ハイブリッド車のベーシックグレード。外観ではバンパーガーニッシュが未塗装のブラックとなり、内同ではシート表皮がファブリックになるのが目立つ部分。そのほか一部装備も簡素化または非対応となっている。

ボディカラーはメテオロイドグレー・メタリック
リアコンビランプはレッド&クリアタイプ
フロント、サイド、リアのバンパーガーニッシュはブラックとなる
タイヤサイズは215/60R16。アルミホイールは標準装備
インテリアカラーはブラックになる
シート表皮はファブリックでシンプルなデザインを採用
運転席ドアトリム
パワーウィンドウは運転席のみワンタッチ式

純正オプション装着車

 ホンダアクセスからは新型ヴェゼルの発売に合わせ、数々の純正オプションが発売される。外観には「アーバンスタイル」「カジュアルスタイル」と2タイプのスタイリングコーディネートを用意。内装にはLEDイルミネーションなどのほか、「LEDテールゲート」「ラゲッジトレー」など日常からアウトドアなどでも役に立つアイテムが用意されている。

カジュアルスタイル
フロントグリルとロアスカートにカッパーブラウンのアクセント
ドアミラーカバーもカッパーブラウン
リアロアガーニッシュとサイドガーニッシュも同様。リアロアフィニッシャーやエキパイフィニッシャーも装着
リアコンビランプ中央にリアコンビガーニッシュ。大型のテールゲートスポイラーはLEDストップランプ内蔵でリアまわりを引き締めるのにピッタリ
18インチのアルミホイール「MS-045」
合皮製のシートカバーはe:HEV XやGグレードに装着したいアイテム
センターコンソールイルミネーション、フットライト、ドリンクホルダーイルミネーションなど夜間にインテリアを引き立てる照明アイテムも充実
ステンレス製のサイドステップガーニッシュ。イルミネーションはブルーとホワイトを用意
アルミ製のスポーツペダル
エアコンのクリーンフィルターにかぶせて利用することで抗ウイルス作用を発揮する「くるますく」
汚れ物の収納に便利なラゲッジトレーなど実用的なアイテムも
夜間の荷物積み込みなどで重宝するLEDテールゲートライト
リアシート用のシートバックトレー
ステンレス製のリアパネルライニングカバー