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ユーグレナ、バイオ燃料のブランド名を「サステオ」に決定 一般ユーザーの認知向上を目指す

2021年6月29日 発表

サステナブルなオイル=サステオと命名

 ユーグレナは6月29日、自社が製造・販売するバイオ燃料のブランド名を「サステオ(SUSTEO)」とすることを発表した。

 ユーグレナは、2021年6月に陸海空すべての分野でのバイオ燃料使用を達成したのを受け、今後はサステオを一般消費者も身近に感じられる愛称として使用し、バイオ燃料利用が日々の生活でも当たり前となる社会の実現を目指すとしている。

サステオとは

 バイオ燃料はサステナブルな燃料として世界で使用が拡大しているが、日本での製造・使用はまだまだ遅れている状態。そこでユーグレナは2010年よりバイオ燃料の共同研究を開始し、2018年に神奈川県横浜市に日本初のバイオ燃料製造実証プラントを竣工、2020年にバイオディーゼル燃料供給を開始。2021年6月にはバイオジェット燃料による初フライトを実現するなど、バイオ燃料の製造を進めている。

 今回バイオ燃料を一般消費者に身近に感じてもらい、バイオ燃料の利用が日々の生活でも当たり前となる社会を実現したいという想いから、ブランド名として「サステオ」を採用することにいたしたという

 なお、サステオは「サステナブルなオイル」が由来となっていて、軽油の代替となる「次世代バイオディーゼル燃料」、ジェット燃料の代替となる「バイオジェット燃料(SAF)」などがある。

すでにさまざまな利用実績のあるサステオ

サステオの原料

 事業所や家庭で使用されたのちに回収された使用済み食用油と、微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)などの微細藻類が原料。今後は上記以外にも、CO2排出量の削減と持続可能性が期待されるものは、バイオ燃料製造時の原料として検討するとしている。

 従来のバイオ燃料は、トウモロコシやサトウキビ、大豆、パームといった作物を主な原料とするため、食料との競合や、森林破壊にともなう温室効果ガスの増加といった問題があったが、サステオは食料との競合や森林破壊といった問題を起こさない持続可能性に優れた燃料を目指している。

 また、サステオは燃料の燃焼段階ではCO2を排出するが、使用済みの食用油の原材料である植物も、微細藻類ユーグレナも成長過程で光合成によってCO2を吸収するため、燃料を使用した際のCO2の排出量が、実質的にはプラスマイナスゼロとなるカーボンニュートラルの実現にも貢献すると期待されている。

 使用済みの食用油は、資源の再利用という観点でも環境負荷が低いため、海外におけるバイオ燃料製造においても主要な原料として利用されているが、中長期的な観点から利用できるボリュームの面で限界がある。そのためユーグレナは、今後のサステオ供給量拡大を見据え、微細藻類ユーグレナの利用比率拡大に向けた研究開発をこれからも継続していくとしている。

サステオのロゴ

 サステオの文字は、ユーグレナでも使用している、力強くも優しさを感じる書体で、サステオを力強く広げていくという意思と地球へのやさしさを表現。そしてその下部には、「多様性」を意味する最小単位の3種の大きさからなるグリーンカラーの「サステオ・ドット」により広がりを表現し、サステオがさまざまな用途で、自由に使用される様やサステオが広がることによって、地球の負担が軽減され、地球が緑色を取り戻していく様をデザインで表現したという。