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ホンダF1田辺TD、F1イギリスGP後会見 23回あるレースのうちの1つのレース、気持ちを切り替えて残りのレースを1戦1戦大事に戦っていく
2021年7月19日 08:52
F1第10戦イギリスGPは、メルセデスのルイス・ハミルトン選手の優勝に終わった。レースは1周目の9コーナー(コプス)において、トップを走っていたレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン選手の右リアタイヤにメルセデスのハミルトン選手が接触し、はじき出されたフェルスタッペン選手はタイヤバリアーに激突、リタイアに終わった。
ハミルトン選手には、そのアクシデントは避けることが可能だったとして10秒のタイムペナルティが出されることになったが、直接のライバルが消えたレースでハミルトン選手は後半追い上げ、優勝を飾ってみせた。
Verstappen and Hamilton collide!
— Formula 1 (@F1)July 18, 2021
The title rivals come together at Copse, pitching Verstappen into a high-speed crash.
The Dutchman was able to walk away but he has been taken to hospital for precautionary checks#BritishGP🇬🇧#F1pic.twitter.com/ol1s9dRJoa
レッドブル・ホンダとしてはセルジオ・ペレス選手もノーポイントに終わり、ドライバー選手権ではフェルスタッペン選手のリードは8点に縮まった。同じようにコンストラクター選手権では4点差とリードは一挙に消滅して「振り出しに戻る」という状況になっている。
F1第10戦イギリスGP、メルセデスのハミルトンが母国GPで優勝 ホンダF1は6連勝ならず
https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/1338949.html
そうしたイギリスGP終了後、ホンダF1 テクニカルディレクター 田辺豊治氏のオンライン会見が行なわれたので、その模様をお届けしていく。
シーズンが終わったときに、イギリスGPがターニングポイントだったと言われないようにこの先1戦1戦を大事に戦っていく
──それでは田辺TDから本日のレースの振り返りを。
田辺氏:今日のイギリスGPは、レッドブル、ホンダF1それぞれのファクトリーがあるミルトンキーンズ近くのサーキットということでホームレースだったが、残念な結果に終わった。特に今回のレースではスプリント予選が初めて行なわれ、そのあたりでもいろいろ難しいところがあった。
そのスプリント予選でポールポジションを獲ったマックス・フェルスタッペン選手が1周目にルイス・ハミルトン選手に後ろから接触されてコントロールを失ってコースアウト、かなりのインパクトで一瞬ヒヤッとしたけど、クルマから出ることができて大事に至らなかった、それが幸いだった。
セルジオ・ペレス選手はスプリント予選でスピンしてしまいリタイアということで、クルマの方を大きくパーツを変えたりして、ピットレーンスタートを選択した。戦略も含めていいところにいったけど結局はノーポイントに終わってしまった。
アルファタウリの2台、スプリント予選に関してはルーキーの角田裕毅選手には難しい状況だったが、2台とも粘り強い走りでポジションを上げることができた。ただ、ピエール・ガスリー選手がパンクでピットに入らないといけなくなってしまい、その代わりに角田選手がホンダパワーユニットとしては唯一ポイント獲得を獲得してくれた。ルーキーの角田選手がきちんと走ってポイント獲得はよかったと思っている。
今年あと2回スプリント予選がある、週末のマネジメントはやってみてどうだったかをよく調査して、今後に備えたい。次戦は1週間空いてハンガリーとなる。夏休み前のレースで、何が起こるか分からないというレースになる可能性が高い。今回はわるい形でのリタイアになってしまったが、1戦1戦大事に戦うということで、しっかり準備をしてハンガリーに向かいたい。
──フェルスタッペン選手は体の方のダメージはないと聞いておりそれは何よりだが、パワーユニットの方のダメージはどうなのか?
田辺氏:最初にクルマがつり上げられたのを見たときにはかなりひどい状況だと思ったが、実車では映像で見るよりはダメージは小さいように見えた。しかし、クルマに乗せたままの見立てでは分からないので、ファクトリーできちんと確認して計測、判断する必要がある。
──一般的には51Gでどんな衝撃があると考えられるか?
田辺氏:当たり所によって全然違うので正直分からない。
──レッドブル・ホンダにとっては残念な結果だったが、シーズンを考えた上で、どのような分析をしているか?
田辺氏:非常に残念な結果だったことは事実だ。フェルスタッペン選手はポールポジションから出たのにリタイアに終わってしまったし、ペレス選手もスプリント予選でスピンがあり、ピットレーンスタートになってしまったことで難しいレースになってしまった。
しかし、23回あるレースのうちの1つだし、まだ10レースしか終わっていないと考えれば、1戦1戦気持ちを切り替えてやっていくことが大事。終わってみたら、「イギリスGPがターニングポイントだったよね」と言われないようにやっていきたい。
──スプリント予選、金曜日からレース予選、パワーユニットのローテーション的にはどうか、次はモンツアのレースで行なわれるが?
田辺氏:スプリント予選に関しては、次の機会でも同じような作戦で行くかどうかは、今回のレースを振り返ってまとめた上で、それらを加味しながらローテーションなどを考えていきたい。そうしたことを毎回見直しかけながらやるしかないのでやっていきたいと思う。
──次戦のハンガリーについてはどんなレースになっていく見通しか?
田辺氏:ハンガリーは低速コースと位置づけられるサーキットになる。もう1つは8月の頭になるので、暑いレースになる。このため、低速で冷えない、スピードが遅い、冷却の効率があまりよくないという状況になる。そこでパワーユニットとして冷却系をきっちり押さえて、パワーユニットのマネジメントは車体との事前シミュレーションをしっかりやって望みたい。
F1第10戦イギリスGP 決勝結果(暫定)
順位 | 号車 | ドライバー | 車両 | 周回数 | タイム | ポイント |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 44 | ルイス・ハミルトン | メルセデス | 52 | 1時間58分23秒284 | 25 |
2 | 16 | シャルル・ルクレール | フェラーリ | 52 | +3.871秒 | 18 |
3 | 77 | バルテリ・ボッタス | メルセデス | 52 | +11.125秒 | 15 |
4 | 4 | ランド・ノリス | マクラーレン・メルセデス | 52 | +28.573秒 | 12 |
5 | 3 | ダニエル・リカルド | マクラーレン・メルセデス | 52 | +42.624秒 | 10 |
6 | 55 | カルロス・サインツ | フェラーリ | 52 | +43.454秒 | 8 |
7 | 14 | フェルナンド・アロンソ | アルピーヌ・ルノー | 52 | +72.093秒 | 6 |
8 | 18 | ランス・ストロール | アストンマーティン・メルセデス | 52 | +74.289秒 | 4 |
9 | 31 | エステバン・オコン | アルピーヌ・ルノー | 52 | +76.162秒 | 2 |
10 | 22 | 角田裕毅 | アルファタウリ・ホンダ | 52 | +82.065秒 | 1 |
11 | 10 | ピエール・ガスリー | アルファタウリ・ホンダ | 52 | +85.327秒 | 0 |
12 | 63 | ジョージ・ラッセル | ウイリアムズ・メルセデス | 51 | +1周 | 0 |
13 | 99 | アントニオ・ジョビナッツィ | アルファロメオ・レーシング・フェラーリ | 51 | +1周 | 0 |
14 | 6 | ニコラス・ラティフィ | ウイリアムズ・メルセデス | 51 | +1周 | 0 |
15 | 7 | キミ・ライコネン | アルファロメオ・レーシング・フェラーリ | 51 | +1周 | 0 |
16 | 11 | セルジオ・ペレス | レッドブル・レーシング・ホンダ | 51 | +1周 | 0 |
17 | 9 | ニキータ・マゼピン | ハース・フェラーリ | 51 | +1周 | 0 |
18 | 47 | ミック・シューマッハ | ハース・フェラーリ | 51 | +1周 | 0 |
NC | 5 | セバスチャン・ベッテル | アストンマーティン・メルセデス | 40 | DNF | 0 |
NC | 33 | マックス・フェルスタッペン | レッドブル・レーシング・ホンダ | 0 | DNF | 0 |
ドライバーランキング(F1第10戦イギリスGP終了後)
順位 | ドライバー | 国 | 車両 | ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | マックス・フェルスタッペン | NED | レッドブル・レーシング・ホンダ | 185 |
2 | ルイス・ハミルトン | GBR | メルセデス | 177 |
3 | ランド・ノリス | GBR | マクラーレン・メルセデス | 113 |
4 | バルテリ・ボッタス | FIN | メルセデス | 108 |
5 | セルジオ・ペレス | MEX | レッドブル・レーシング・ホンダ | 104 |
6 | シャルル・ルクレール | MON | フェラーリ | 80 |
7 | カルロス・サインツ | ESP | フェラーリ | 68 |
8 | ダニエル・リカルド | AUS | マクラーレン・メルセデス | 50 |
9 | ピエール・ガスリー | FRA | アルファタウリ・ホンダ | 39 |
10 | セバスチャン・ベッテル | GER | アストンマーティン・メルセデス | 30 |
11 | フェルナンド・アロンソ | ESP | アルピーヌ・ルノー | 26 |
12 | ランス・ストロール | CAN | アストンマーティン・メルセデス | 18 |
13 | エステバン・オコン | FRA | アルピーヌ・ルノー | 14 |
14 | 角田裕毅 | JPN | アルファタウリ・ホンダ | 10 |
15 | キミ・ライコネン | FIN | アルファロメオ・レーシング・フェラーリ | 1 |
16 | アントニオ・ジョビナッツィ | ITA | アルファロメオ・レーシング・フェラーリ | 1 |
17 | ジョージ・ラッセル | GBR | ウイリアムズ・メルセデス | 0 |
18 | ミック・シューマッハ | GER | ハース・フェラーリ | 0 |
19 | ニコラス・ラティフィ | CAN | ウイリアムズ・メルセデス | 0 |
20 | ニキータ・マゼピン | RAF | ハース・フェラーリ | 0 |
コンストラクターランキング(F1第10戦イギリスGP終了後)
順位 | チーム | ポイント |
---|---|---|
1 | レッドブル・レーシング・ホンダ | 289 |
2 | メルセデス | 285 |
3 | マクラーレン・メルセデス | 163 |
4 | フェラーリ | 148 |
5 | アルファタウリ・ホンダ | 49 |
6 | アストンマーティン・メルセデス | 48 |
7 | アルピーヌ・ルノー | 40 |
8 | アルファロメオ・レーシング・フェラーリ | 2 |
9 | ウイリアムズ・メルセデス | 0 |
10 | ハース・フェラーリ | 0 |