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レクサス、新型「LX」の走りコンセプトは「世界中のどんな道でも楽に、上質に」 チーフエンジニア 横尾貴己氏のメッセージ公開

2021年10月14日 発表

 レクサス(トヨタ自動車)は10月14日、14年ぶりにフルモデルチェンジする新型「LX」を世界初公開し、日本では2022年初頭に発売予定としている。公式Webサイトでは、新型LXのチーフエンジニアである横尾貴己氏のメッセージが公開され、新型LXの特徴を紹介するとともに、開発にかけた想いを語っている。

 横尾氏は、14年ぶりのフルモデルチェンジを迎えるにあたり、掲げた走りのコンセプトについて「世界中のどんな道でも楽に、上質に」と紹介。「唯一無二とも言えるオフロード性能を持ちながら、誰もが気負うことなくストレスフリーかつ上質に運転いただけること、多様化するお客さまのライフスタイルに寄り添うために、新型LXが目指した走りがここにあります」と、その仕上がりに自信を示した。

The New LX CHIEF ENGINEER MESSAGE

新GA-Fプラットフォーム採用など約200kg軽量化

 新型LXは、これまでのV型8気筒エンジンではなく、新たにV型6気筒エンジンを搭載。ボディオンフレーム構造を維持しながら、新GA-Fプラットフォームの採用や約200kgの軽量化、デジタル開発による高剛性ボディの実現などを通じ、クルマの素性を刷新させたという。

 横尾氏は「クルマとしての基本を素性を抜本的に見直しました。信頼性、耐久性、悪路走破性を確保するために、伝統とも言えるボデーオンフレーム構造は維持、その上でプラットフォームを一新しています。フレームの一部に曲げを入れてまでリアショックアブソーバーの配置を見直して、最適化したサスペンションジオメトリ、200kgにも及ぶ徹底した軽量化。エンジン搭載位置の変更や外板のアルミ化などによる低重心化といった、さまざまな素性の刷新を行ない、走る、曲がる、止まるの基本素性が飛躍的に向上しています」と説明。

V型6気筒 3.5リッターツインターボガソリンエンジンを搭載

 パワートレーンには、最高出力305kW(415PS)、最大トルク650Nmを発生するV型6気筒 3.5リッターツインターボガソリンエンジンが搭載された。

 横尾氏は「パワートレーンについても14年ぶりに刷新。大排気量V8エンジンに別れを告げ、V6ターボエンジンとすることで力強い低速トルクとピークパワーの向上による扱いやすさ、そして経済性を両立しています。一方で、変えていないものもあります。悪路走破性と室内の居住性を両立させる黄金比とも言うべきホイールベースは初代から続く2850mmを堅持、オフロード性能に直結するアプローチ、デパーチャ、ランプブレークオーバーの各アングルの値も現行モデルと同等を確保しています」と強調した。

4座シートの“EXECUTIVE”やオフロード性能を高めた“OFFROAD”新設定

LX“OFFROAD”(プロトタイプ)
4座独立式シートを採用する専用設計の“EXECUTIVE”

 また、多様化するユーザーのニーズに対応するためモデルラインアップでは、標準仕様に加えて、4座独立式シートを採用する専用設計の“EXECUTIVE”や、前後デフロックなどの専用の機能を装備してオフロード性能を高めた“OFFROAD”が新設定された。

 横尾氏は「LX初となる4座仕様の設定で、あらゆる路面においてくつろぎを感じていただける後席空間を持つ VIPグレードを新たに設定しました。最大48度までリクライニングし、助手席の後ろにはオットマンを装備。センターコンソール上の操作パネルや天井からの包み込まれるような空調。専用チューニングのサラウンドシステム含め、全てがレクサスの掲げる人間中心の考え方に基づいています。ある時はショーファーに運転を任せ、ビジネスクラスのように快適な空間での移動、ある時は自らハンドルを握り、余暇を楽しむとともに家族や友人にくつろぎのおもてなしを提供します。まさに多様なライフスタイルに寄り添う、どんな道でも、楽に、上質に、という新型LXの狙いを象徴するグレードです」と説明した。

 そのほか、レクサス初採用となる指紋認証スタートスイッチによるセキュリティ向上なども行なったことを紹介。横尾氏は「カーボンニュートラル社会の実現に向けて、新型LXも環境対応性能の向上に力を入れています。信頼性、耐久性、悪路走破性の確保のために信頼のある内燃機関を軸とした取り組みを実施いたしました。パワートレーンの刷新や車両全体での大幅な軽量化によって従来型との比較で車両使用時の年間CO2排出量をグローバルで約20%低減できる見込みとなっています。多様化するお客さまの価値観、ライフスタイルに寄り添うために、世界中のどんな道でも楽に上質に走れることメンバー一丸となってこの想いを胸に開発を進めてまいりました。ぜひ、実際にあらゆる道を走って体感いただければと思っております」とプレゼンテーションを締めくくった。