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日産、新型BEV「アリア」のオンラインでの購入が可能に 「オンラインオーダー」など各種サービス説明会

2021年11月12日 開催

新型BEV「アリア」のオンライン注文受付を開始

 日産自動車は11月12日、新型BEV「アリア」のベースモデルの価格を発表するとともに、11月末よりアリアのオンライン注文受付を開始すると発表した。

 日産はアリアの日本専用特別限定車「アリア limited」を6月4日に発表しており、同日より新たに開設したグローバル統一の予約Webサイトを通じて日本国内での予約注文を開始。価格は66kWhバッテリ搭載車の「B6 limited」が660万円、66kWhバッテリ搭載車の4WD「B6 e-4ORCE limited」が720万600円、91kWhバッテリ搭載車の「B9 limited」が740万800円、91kWhバッテリ搭載車の4WD「B9 e-4ORCE limited」が790万200円。

 今回新たに価格が発表されたのは市販モデルのベースグレード「B6」(66kWhバッテリ/2WD)で、539万円とアナウンスされた。アリア limitedでは先進運転支援技術のプロパイロット 2.0やプロパイロット リモート パーキングをはじめ、アリア専用のサウンドシステムである「BOSE Premium Sound System&10スピーカー」などを標準装備するが、「B6」ではこれらがオプション設定となっている(プロパイロット[ナビリンク機能付]は標準装備)。

 これにより、アリアは「B6 limited」「B6 e-4ORCE limited」「B9 limited」「B9 e-4ORCE limited」「B6」の計5グレードをラインアップしていることになるが、「B6 limited」に関しては11月21日でWeb予約を終了することが決定している。納車時期は「B6 limited」が2022年1月27日、「B6」が2022年3月下旬とのこと。

 この価格発表に合わせて、11月末からアリア専用サイトで「B6」の正式注文をオンラインでも受け付けることをアナウンス。同時に、「オンラインオーダー」「納車待ちサポートサービス」「NISSAN ID」という3つのサービスを順次展開していくことが明らかにされた。「オンラインオーダー」「NISSAN ID」は11月から、「納車サポートサービス」は2022年1月から開始するとのこと。

「オンラインオーダー」「納車待ちサポートサービス」「NISSAN ID」という3つのサービスを順次展開

 11月12日にはこの3サービスについての説明会が行なわれ、Japan-ASEANデジタルトランスフォーメーション部 部長 山口稔彦氏が概要を紹介した。

オンラインとオフラインを組み合わせ、自由な購入体験を提供したい

日産自動車株式会社 Japan-ASEANデジタルトランスフォーメーション部 部長 山口稔彦氏

 日産では現在、アリアにまつわるバーチャル体験や限定コンテンツを提供する会員限定サイト「CLUB ARIYA」(会員数は現時点で約1万6000人)を展開しているが、11月末からオンラインで商談から契約、注文までを行なえる「オンラインオーダー」を開始する。

 オンラインオーダーは、購入検討から申し込みまでオンライン上ですべて完結させることが可能なサービス。実際には希望のグレードやカラー、オプション、支払いプランなどを選択すると、クレジットの場合であれば支払総額や月々に必要な金額などを確認することができ、「申し込む」を押すとクレジットの与信などがスタートする(現金一括にももちろん対応)。「やっぱりオンラインで契約までするのは不安」ということであれば来店予約を行なうこともできるし、オンラインでのビデオ商談(現時点で全国の約40%の販売店が対応)やチャットでの相談を選択することも可能という。

 山口氏は「クレジットにも対応しており、ここまでフレキシブルにできたのは日本メーカーとして初めてなのではないか」とコメントするとともに、「オンラインですべて完結したい方にも使っていただけますし、途中まで検討したけどやっぱりお店に行きたいというニーズにも応えます。さらに販売店に行って相談しつつそこではサインしないで、あとで自宅でオンラインからサインするといったオンラインとオフラインを行ったり来たりしながらご注文いただくということにも対応しています」と紹介した。

 ちなみに、オンラインで注文書へのサインやクレジットの手続きまで進めることはできるが、その後の車庫証明といった役所関係の書類のやり取りは直接ディーラー担当者と行なうか、郵送などで対応する必要がある。

 また、値引き交渉がオンラインで行なえるかどうかについてだが、これはオンラインのコンフィグレータ上で行なうことはできない(ビデオ商談やチャット相談ではできる)が、購入を希望するモデルのグレードやカラー、オプションなどを決定したうえで「商談する」という項目を選択し、オンライン上またはディーラーで直接商談をする際に行なうことができる。一方で、オンラインでは商談せずに購入を決定することもでき、この場合は値引き交渉をしないまま契約に進むことになる。

オンラインオーダーの画面

「納車待ちサポートサービス」は、注文したユーザーに対してオンライン上で納車までをサポートするサービス。登録や納車に必要な書類の提出、入金などをオンラインで管理すると共に、製造現場の動画などの限定コンテンツを視聴することも可能。また、各販売会社の営業担当者とも連携したシステムのため、納車までに必要な手続きの進捗管理や、詳細説明等を希望するユーザーに対してオンライン/オフラインのいずれからもサポートするという。

納車待ちサポートサービスについて

 また、「NISSAN ID」はユーザーが日産グループ各社とサービスごとに会員登録されたログインIDを統合するID。これにより、1つのIDでさまざまなサービスを利用できるようになり、NISSAN IDによって日産グループ各社の情報連携のプラットフォームがより強固となり、将来的には個々のユーザーに合わせたさまざまなサービスの提案が可能になるという。このNISSAN IDについて、山口氏は「これまでサービスごとにIDがバラバラで、例えば日産レンタカーと日産ファイナンシャルのID/パスワードは違っていましたが、これを1つのIDに統一し、NISSAN IDを取得されたお客さまには日産圏のモビリティサービスやアフターサービス関連のサービスをシームレスに使っていただくことができるように考えています」と解説した。

NISSAN IDについて

 最後に山口氏は「われわれはオンラインとオフラインを組み合わせ、お客さまが選べる自由な購入体験をご提供したいと考えています。アリアから3つの新しいサービスが始まりますが、こういった活動を通じてお客さまにどんどん新しいカスタマーサービスをご提供したいと考えています」とコメントした。

 なお、今回紹介したサービスの今後の展開だが、「CLUB ARIYA」のような車種専用で実施していくのではなく、日産のオンラインサービスとしてのプラットフォームを今後立ち上げ、その中で車種別に展開していくとしている。

今後はオンラインとオフラインを組み合わせた新しい購入体験ができるようになる