パナソニック、世界初フレーム一体成形が可能な遠赤外非球面レンズの量産技術を開発

φ30 mmフレーム一体レンズ

　パナソニックは1月27日、世界初となるフレーム一体成形が可能な遠赤外非球面レンズの量産技術を開発し、試作受注を開始すると発表した。

　同社が開発した遠赤外非球面レンズは、遠赤外線の透過特性に優れたカルコゲナイドガラスを材料とし、新たに開発したガラスモールド成形工法と金型技術により同社従来工法比で約2分の1の低価格化を実現。

　また、回折レンズのほか、世界初となる接着剤不使用で高気密なフレーム一体レンズなど、さまざまな形状のレンズ製作を可能にするという。

ヘリウムリーク試験でリーク量 1×10-9 Pa・m3/sec以下という高気密鏡筒タイプのフレーム一体レンズ

　同社によると、遠赤外センサーは近年の環境保全の高まりから熱検知やモニタリングによるエネルギーマネジメントの重要な役割を担うとともに、車載分野においては、自動運転の需要の高まりから、可視光カメラではとらえることのできない夜間に、遠方の人物や動物を検知できるセンサーとして普及が拡大しているという。

　そこで同社は、可視光用非球面レンズの製造で培ったガラスモールド成形技術をベースに、遠赤外光学系に適した高性能な非球面レンズを低コストで生産する技術を新たに確立させた。

　今後の展開として、同技術を適用した遠赤外非球面レンズの生産は、「くらし事業本部 光学デバイスビジネスユニット（山形工場）」「パナソニック デバイス日東株式会社」を想定。遠赤外センサーや遠赤外カメラを製造・販売している顧客の要望に沿ったレンズの試作、量産を行なうことで、遠赤外センサーモジュールの普及と高性能化への貢献を目指すとしている。