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アストンマーティン、ブリティッシュボルトと高性能バッテリセルの共同開発を開始

2022年3月7日(現地時間)発表

ブリティッシュボルツが開発中というアストンマーティン製EV向け円筒形高性能バッテリセル

2025年に発売予定のブランド初のバッテリEVの開発を強力にプッシュ

 アストンマーティンは3月7日(現地時間)、高性能バッテリセルをブリティッシュボルツ(Britishvolt)と共同開発することに合意したと発表した。

 リチウムイオンバッテリセル技術への投資で英国をリードするブリティッシュボルトとの協力関係は、2025年に初のバッテリEV(電気自動車)を発売するというアストンマーティンの計画をさらに後押しするもので、耐久性、充電時間、航続走行距離などにおいて、新たな基準となる性能を目指すという。アストンマーティンとブリティッシュボルツの共同研究開発チームは、特注モジュールやバッテリマネジメントシステムを含むバッテリパックの設計、開発、生産を実施する。

 アストンマーティンは電動化へのロードマップを推進していて、2024年初頭には初のプラグインハイブリッド車であるミッドエンジンのスーパーカー「ヴァルハラ(Valhalla)」の納車を開始予定。2026年までには、すべての新型車種に電動パワートレーンを設定し、2030年までに主要ポートフォリオを完全に電動化することを目標としている。

2024年に発売予定のPHEVミッドシップスーパーカー「ヴァルハラ」のプロトタイプ。生産台数は最大で999台という

 アストンマーティン・ラゴンダの最高経営責任者であるトビアス・モアズ氏は「この強力なコラボレーションは、アストンマーティンの109年にわたるエンジニアリングの熟練技術と、急成長中の英国のテクノロジー・ビジネスの専門性を融合させるものです。ブリティッシュボルトと協力することで、アストンマーティンのEVのベンチマークを設定するための新技術を生み出すことができると確信しています。それは、高性能と超高級という評判と最高水準の持続可能性を両立させるものです。私たちの株主であるメルセデス・ベンツAGとの緊密な戦略的関係を補完するこのパートナーシップは、アストンマーティンにテクノロジーとスキルへのアクセスを提供し、電動化の選択肢を広げるものです。私たちは、サイエンス・ベース・ターゲット・イニシアチブのネット・ゼロ基準に取り組み、持続可能な超高級車ビジネスのリーディングカンパニーになるという野心の一環として、英国に拠点を置く低炭素電池メーカーと提携できることを誇りに思います」とコメントしている。

「ヴァルハラ」のパワートレーンはバッテリ駆動式のハイブリッドシステムと、V型8気筒4.0リッターツインターボエンジンが組み合わせられる。日本での販売予定価格は1億200万円

 また、ブリティシュボルツの最高経営責任者兼創業者であるOral・Nadjari氏は「アストンマーティンのような一流ブランドにとって、超高級車、高性能車という世界的に有名なブランドに忠実でありながら、電動化に移行することは、パフォーマンスの限界を押し広げる、カスタマイズされた持続可能なバッテリセル技術にこだわることを意味します。ブリティッシュボルトは、アストンマーティンと協力し、電動化への移行を加速させることができることに興奮しています。私たちは強力なパートナーになれると思います。このコラボレーションは、顧客と手を携えてカスタマイズされた持続可能な地域密着型のバッテリセルを共同開発・製造することの価値を改めて浮き彫りにしています。そしてベンチマークをリセットする技術となるでしょう。私たちはブリティッシュボルツの低炭素で持続可能なバッテリセルを搭載したアストンマーティンのEV誕生を心待ちにしています。このようなコラボレーションは、エネルギー転換を成功させるための唯一の方法です」と述べている。