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ホンダとGM、量販価格帯バッテリEVシリーズの共同開発に合意 2027年以降に北米へ投入予定

2022年4月5日 発表

 GM(ゼネラルモーターズ)と本田技研工業は4月5日、量販価格帯のバッテリEV(電気自動車)シリーズを共同開発することで合意したと発表した。

 両社の合意では、量販価格帯の新たなEVシリーズを2027年以降、北米を皮切りに投入予定。EVシリーズは、コンパクトSUVを含むグローバルで人気の高いセグメントに向けたモデルとなり、GMとホンダで世界規模での生産を可能にする設計を検討する。さらに、次世代バッテリに関する協業の深化についても検討を進めるとしている。

 GMとホンダは、GMの次世代アルティウム(Ultium)バッテリを搭載した新たなグローバルアーキテクチャーをベースとするEVシリーズを共同開発することで、EVのさらなる普及に向けて両社の関係を新たな領域へと拡大する計画。技術力や設計力、ソーシング戦略を活用するとともに、世界トップクラスの品質と高い生産性にさらなる価格受容性を実現するよう両社で設備の共通化などを目指し、2027年以降、数百万台規模でのEV生産を可能にすることを目指す。

 新たなEVシリーズのマーケットは1300万台を超え、現在グローバルで最大の自動車セグメントであるコンパクトSUVを含むとし、また、両社は電動化コストのさらなる低減、EVの性能やサステナビリティの向上を目指し、将来のEV向けバッテリ技術の領域における協業についても検討していく。

 GMでは、すでにリチウム金属電池やシリコン電池、全固体電池などの新技術や、それらの早期導入を可能にする生産方法などの研究開発を加速。一方ホンダも、今後のEVのコア要素になると考える独自の全固体電池技術の研究開発を進展させており、すでに日本国内の実証設備にて生産技術の検証などを行なうほか、量産化に向けた取り組みを積極的に進めているとしている。

 GM 会長兼CEOのメアリー・バーラ氏は「GMとホンダは、両社のもつベストなテクノロジーやデザイン、生産戦略を共有することで、価格受容性が高く、お客さまにとって魅力的な性能のEVを、北米、南米、さらに中国を含むグローバルな規模でお届けしていきます。GMは2035年までに大型トラックを除く車両のテールパイプエミッションをなくし、2040年までに企業活動を含めカーボンニュートラルを達成する目標を掲げており、この協業もそのコミットメントに向けての重要なステップとなります。両社が協業することで、それぞれが単独で取り組むよりもスピーディに世界中のお客さまにEVに乗っていただくことが可能になります」とコメント。

 本田技研工業 取締役 代表執行役社長 三部敏宏氏は「ホンダは、2050年までにグローバルでカーボンニュートラルを実現するという目標を掲げており、そのためにはEVのコストを下げ、より多くのお客さまにEVを所有していただくことを可能にしなくてはなりません。ホンダとGMは、グローバルでEVの販売台数を飛躍的に拡大すべく、これまでの技術領域における協業をさらに強固なものにしていきます」とコメントしている。

写真はGMのアルティウム(Ultium)バッテリを搭載したプラットフォーム

【訂正】本田技研工業よりリリースの修正が入ったため、記事初出時から三部社長のコメントを修正します。