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日本TI、車載向けオンラインセミナー「Japan Automotive Day」開催 TIの強みにヴィーカリ社長「ニーズに応える製品を長期間安定供給できる」

2022年4月21日 開催

日本テキサス・インスツルメンツ合同会社 社長 サミュエル・ヴィーカリ氏

 米国の総合半導体メーカーTIの日本法人日本TI(日本テキサス・インスツルメンツ合同会社、以下両社合わせてTI)は、4月21日に「TI Live! Tech Exchange - Japan Automotive Day」と題した自動車向け製品に関するオンラインセミナーを開催した。

 TIは老舗の半導体メーカーで、アナログ半導体からマイクロプロセッサーまで幅広い製品群を提供しており、日本では主に自動車メーカー向けやIoT(Internet of Things)向けなどに製品を供給している。

 今回のセミナーでは、技術セッションとして「RF CMOS Radarの紹介とそのアドバンテージ」「GaN とリアルタイムマイコンによる DCDC&OBC 高速制御と小型化」「LVDS(FPD-LINK)における機能安全設計」「PSpice for TIを用いたモーターアプリケーションのノイズ解析と対策手法」といったセッションを展開。同社がEV(電気自動車)のパワーマネージメント、統合パワートレーン、高性能センシング、先進運転支援システムテクノロジーなどの領域に提供する製品群についての詳細などが紹介された。

 本記事ではそうしたイベントを日本で開催する狙いについて話した、日本テキサス・インスツルメンツ合同会社 社長 サミュエル・ヴィーカリ氏によるオープニング基調講演に関して紹介していきたい。

日本市場の売り上げの75%は自動車向けと産業向けになると日本TIのヴィーカリ社長

日本TIの取り組み

 日本TIのヴィーカリ社長は「日本TIは日本市場に長期間取り組んでおり、これからもそれは同様だ。日本でのビジネスのうち75%(筆者注:スライドには62%と書かれていたがこれはグローバルのグラフのため)は自動車と産業向けだ」と述べ、日本市場には特にメーカーが集中している自動車メーカー向け製品を中心に取り組んでいると強調した。

 また、ヴィーカリ社長は「長期的なコミットメント、多くのお客さまとの関わり、幅広い製品群といった強みをもって、自動車メーカーの皆さまが自動車のコネクテッド化、電動化、自動化などを実現する上で課題解決をお手伝いしていきたい」と述べ、日本TIは自動車メーカーが取り組むCASE(Connected、Autonomous/Automated、Shared、Electric)といったインターネット常時接続、自動化、シェア経済の実現、電動化といった課題を解決するような半導体製品を提供できると述べた。

TIが提供できるメリット
さまざまなエレクトロニクスに対応

 TIの強みについてヴィーカリ社長は「3つの柱がある。1つめは幅広い製品群を提供していることであり、2つめはシステム専門家のノウハウ提供、開発のスピードアップや機能安全といった自動車に求められる基準の製品を提供すること、3つめは自前の製造プロセス技術とパッケージング技術を活用してカスタマーのニーズに応えられる製品を長期間安定供給できること」と述べ、総合半導体メーカーとして幅広い製品群を持ち、自動車メーカーが求めるような製品を長期間安定して供給できることだと強調した。

ADASやライティングシステム、IVIなどに製品を提供していく

さまざまな車載システムに対応

 そして、ヴィーカリ社長は今後日本TIが注力していく分野として、ADAS、パッシブセーフティ、ボディーエレクトロニクス、IVI、電動化の5つの分野を挙げた。

ADASに対応

 ADASの分野ではADASとその延長線上にある自動運転のシステムの開発を挙げ、同社が提供するアナログ製品と組み込み向けプロセッサーを組み合わせて提供することで、さまざまな顧客ニーズに応えていけると説明した。機能安全などの各種の認証にも対応した製品を持っており、開発に必要なツールなども含めて一括して顧客に提供できると強調した。

 電動化に関してヴィーカリ社長は「電動化では統合型パワートレーンがトレンドになっているが、弊社のソリューションを利用することでもっとコストを削減することができる。また効率を改善してEVの航続距離を伸ばすことが可能になる」と述べ、電動化にも各種のソリューションを提供することで顧客の製品開発を加速していくと強調した。

 また、前方ライトやテールランプなどの各種ライトや車体の伝送関連に関しては、ノイズへの対応が重要であること、また、IVI(車載情報システム)への対応に関しては機能安全の実現や、車載システム同士での通信(FPD-Link)などへの対応が重要だと強調した。