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アストンマーティン、V12搭載のオープン2シーター「DBR22」初公開

2022年8月15日(現地時間) 発表

アストンマーティンがV12搭載のオープン2シーター「DBR22」を初公開した

 英アストンマーティンは8月15日(現地時間)、アメリカで開催されているモントレー・カー・ウィーク2022にて、V型12気筒エンジンを搭載するオープン2シーターの特注モデル「DBR22」を初公開した。

 今回公開されたDBR22は、アストンマーティンのオーダーメイド部門である「Q by Aston Martin」が手がけた最新の特別プロジェクトで、伝統的な技術に先進の素材と最先端の製造技術を組み合わせることで、デザインの純粋さ、エンジニアリングの精密さ、胸のすくようなパフォーマンス、そして真の情熱が完璧に融合する姿を目指したモデル。

 Q by Aston Martinは、アストンマーティンの全モデルを対象にしたオーダーメイドサービスを行なうチームで、豊富なオプションを用意し、塗装からグラフィック、カーボンなどの素材まで、完全なオリジナル車両を製作する。DRB22はQ by Aston Martinの10周年を記念したデザインコンセプトモデルとなる。

 DBR22は、最小限のパネルで構成されたフォルムで、より彫りの深い、より筋肉質な存在感を表現しつつ、ドラマチックさとエレガンスがスムーズに融合されたデザインに仕上げられている。注目はカーボンファイバー製のフロントグリルのデザインで、昔の車両「DBR1」や「DB3S」から直接インスピレーションを受けていて、アストンマーティンの伝統を受け継ぎながらも、そのインスピレーションを現代的なデザインに落とし込んだ、ユニークなアイデンティティを表現したという。

カーボンファイバー製のフロントグリルを採用

 ボンネットには、V型12気筒5.2リッターツインターボエンジンからの熱を排出するためのホースシューベント(馬の蹄の形のようなダクト)を採用し、長く途切れることのないボンネットのラインは、コックピットへと続き、ローラインのウィンドディフレクターとドア上部の細長いカーボンファイバー製アームに取り付けられた繊細なミラー越しに、風を逃がすように計算されている。ホイールは、DBR22のために特別にデザインされた14本スポークの21インチ軽量アロイホイールで、モータースポーツで使用されるセンターロックハブ式となる。

 コクピットは、クラシックとコンテンポラリーを融合させ、レザーとカーボンファイバーを多用したユニークなコンポーネントを多数採用。新開発のダッシュボードと洗練されたインフォテインメントディスプレイは、クリーンですっきりとした空間を演出している。また、シート後方には2つのナセルが配置され、ドライバーと同乗者の頭上の気流をスムーズに後方へと整流。テールにある水平のライトグラフィックとスリムなフルワイドテールランプの下は、熱気を排出するためにパンチングパネルとなっている。さらに、ディフューザーや大口径エキゾーストテールパイプと相まって、圧倒的な存在感を放つとしている。

 パワートレーンは、最高出力715PS、最大トルク753NmのV型12気筒5.2リッターツインターボエンジンを搭載し、トランスミッションはパドルシフト付きの8速ATを採用。0-100km/h加速は約3.4秒、最高速319km/hを誇る。シャシー構造は、フロントとリアのねじれ剛性を高め、アダプティブダンパーは精度としなやかさを兼ね備えた独自のキャリブレーションを施し、一般道でもサーキットでも運転する喜びを感じられる仕上がりになっているという。

 また、3Dプリントを活用し、何枚ものアルミパネルを接着して作成したリアサブフレームも初採用。大幅な軽量化と剛性アップに加え、必要に応じて超少量生産モデル用の特別なパーツも作れるとしている。

 アストンマーティンの最高技術責任者であるロベルト・フェデリ氏は、「DBR22の構造には、カーボンファイバーが多用されており、構造部品の製造に3Dプリンティングが使用されるなど、テクノロジーが極めて重要な役割を果たしています。DBR22は、世界トップクラスのデザインに、エンジニアリングと生産に対する機敏で知的なアプローチを組み合わせた、アストンマーティンのユニークな能力を示すものです。究極のオーダーメイド・カスタマイゼーション・サービスを実現するために設計されたこの車両にとって、エンジニアリングの開発は、DBR22がそれにふさわしいダイナミックな劇場を持っていることを意味し、その見た目と同様に、ドライブも病みつきになることを保証します」と述べている。

 また、アストンマーティンのチーフ・クリエイティブ・オフィサーであるマレク・ライヒマン氏は、「私たちはデザインシステムをハイパードライブに設定し、形式主義の探求をさらに押し進め、今日のこの場所で未来を表現することに努めました。表面、プロポーション、フォルムをどこまで表現できるか。このアプローチと先進のプロセス、テクノロジー、素材を組み合わせることで、私たちはレースの血統を効果的に現代化し、新たな血統を作り上げました。DBR22は、スピード、敏しょう性、スピリットにあふれた熱血漢の純血アストンマーティン・スポーツカーであり、明日の多くのアイコンの基礎となるマシンだと考えています」とコメントしている。

 なお、DBR22(デザインコンセプト)は、8月19日~21日に開催される「ペブルビーチ・コンクール・デレガンス」にも展示するという。