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アストンマーティン、限定249台の「V12 ヴァンテージ ロードスター」 ヴァンテージ史上もっともパワフルでスリリングな1台

2022年8月19日(現地時間) 発表

アストンマーティンから限定249台の「V12 ヴァンテージ ロードスター」が登場した

 英アストンマーティンは8月19日(現地時間)、歴代ヴァンテージ史上もっともパワフルでスリリングなパフォーマンスと、オープントップ・ドライビングの自由でエモーショナルな刺激を組み合わせた、特別限定モデル新型「V12 Vantage Roadster(ヴァンテージ ロードスター)」を発表した。世界限定249台だがすでに完売。2022年の第3四半期に生産が開始され、最初の納車は2022年の第4四半期の開始予定。

 V12 ヴァンテージ ロードスターが搭載するバンク角60度のV型12気筒DOHC 5.2リッターエンジンは、最高出力700PS/6500rpmと最大トルク753Nm/5500rpmを発生し、車重1tあたり372PSとZF製8速ATによる素早いギアシフトによる加速で、0~60mph(0~96km/h)加速は3.5秒、最高速322km/hをマーク。フロントミッドエンジンと機械式LSD(リミテッド・スリップ・ディファレンシャル)を搭載した後輪駆動により、純粋な走りの楽しさとバランスのよさを兼ね備えたモデルという。

 最適化されたトランスミッションによって素早いシフトチェンジを実現し、ドライバーとの一体感を高める一方、トランスミッション制御システムに採用したアダプティブ・ソフトウェアが、走行状況とドライバーの入力を常にモニタリングして、レスポンスとコントロール性のサポートを実施。

 また、サスペンションのハードウェアは、V12 ヴァンテージと共通だが、アダプティブ・ダンパーに専用チューンが施されたことで、ダイナミクスが最高レベルまで高められているという。さらに、最高のステアリングフィールとクイックなレスポンスを実現するため、ステアリングの設定もV12 ヴァンテージを踏襲しつつ、コーナリングにおける躍動感を高めるために、独自のアップデートが施されている。

 ブレーキシステムもV12 ヴァンテージと同じで、強力な制動力を誇るカーボンセラミックブレーキ(CCB)を標準装備。410mm×38mmのフロントディスクには6ピストンキャリパーが、360mm×32mmのリアディスクには4ピストンキャリパーが組み合わされ、ストッピングパワーと高温でのブレーキフェードに対する耐性が大幅に向上しているほか、スチールブレーキと比較して23kgのバネ下重量軽減にも貢献しているという。

エクステリアパーツをカーボンにすることでさらなる軽量化を実現

 驚異的なパフォーマンスを発揮するV12 ヴァンテージ ロードスターのスタイルは、「形態は機能に従う」というコンセプトに基づいて設計したといい、具体的にはヴァンテージより40mm幅広いサスペンションを搭載するために、ワイドボディ化を実施。また、ボディ全体に広がるフロントスプリッターを備えた新しいデザインのフロントバンパーは、さらなるダウンフォースを生成するだけでなく、空力バランスを整える効果も実現。さらに、形状を見直すことで25%拡大されたフロントグリルと、ボンネットのホースシューエンジンベント(馬の蹄の形をした排出ダクト)によって、冷却性能が向上させられている。

 フロントバンパー、クラムシェル・ボンネット、フロントフェンダー、サイドシルなどは、車重をさらに軽量にするためにカーボンファイバー製を採用し、リアバンパーとデッキリッドは軽量な複合材で造形。新設計のシングルピース・シルとリアバンパーは、空力性能の向上を念頭に置いたもので、リアバンパーはデュフューザーと一体型で、センターマウント・ツインエキゾースト・システムからの排気ガスによって、空力性能はさらに向上したという。この1mm厚の軽量ステンレス製の専用センターマウント・ツインエキゾースト・システムは、刺激的なサウンドを奏でるだけでなく、ヴァンテージ ロードスターに採用されたシステムと比較して7.2kgも軽いという。

 ボディ床下のエアフローを精密に管理しているので、リアウイングがなくても理想の空力バランスを実現しているため、リアウイングはオプション設定となっている。21インチのアロイホイールは、サテンブラックかサテンブラック・ダイヤモンド旋削仕上げの2種類から選択可能で、オプションの軽量鍛造ホイールを選択するとバネ下重量がさらに8kg削減可能。タイヤはミシュラン・パイロット4Sハイパフォーマンスで、サイズはフロントが275/35R21、リアが315/30R21となる。

シートはスポーツプラスシートとより軽量なパフォーマンスシートを設定

 ヴァンテージシリーズのフラグシップモデルとして、V12 ヴァンテージ ロードスターのインテリアにはセミアニリンレザーが採用され、ウイングロゴの刺繍とパーフォレーションパターンを採用したスポーツプラスシートを標準装備。また、さらなるサポートを求めるユーザー向けのオプションとして、手動6ウェイ調整機能を備えたカーボンファイバー製のパフォーマンスシートも用意されている。このシートは通常のシートよりも7.3kgの軽量化に貢献するとしている。

 V12 ヴァンテージ ロードスターを購入したユーザーは、エクステリアのグラフィックやカラーリングから、ウーブンレザーを使用したインテリアにいたるまで、アストンマーティンのビスポーク(特注)サービスである「Q by Aston Martin」により、自分専用に仕上げることが可能となっている。

 アストンマーティン・チーフ・テクニカル・オフィサーのロベルト・フェデリ氏は、「私たちは、V12 ヴァンテージ ロードスターの開発にあたり、V12 ヴァンテージと同等のパフォーマンスとダイナミズムを実現する目標を掲げて懸命に作業に取り組んできました。その一方で、オープントップ・ドライビングでのみが得られる刺激的でエキサイティングな走りによって、その目標をさらに上まわることに成功しました。歴代ヴァンテージ ロードスターのどのモデルよりも強大なパワーとトルク、精密なサスペンション・キャリブレーションが施されたワイドトラック・シャシー、量産型ヴァンテージ ロードスターの最大10倍にも達する強烈なダウンフォースなどによって、もっとも情熱的なお客さまに訴求する、息を飲むようなマシンが誕生しました」とコメントしている。

 また、アストンマーティン・チーフ・クリエイティブ・オフィサーのマレク・ライヒマン氏は、「デザインの観点から見ると、V12 ヴァンテージ ロードスターは、彫刻的な造形と有機的なラインを組み合わせています。その姿は、一流のアスリートやサラブレッドを連想させます。その一方で、V12 ヴァンテージ ロードスターは、最高のパフォーマンスから生み出される負荷に対応できるようにシステムが開発され、効率を極限まで高めるために、エンジンに取り込むエア、車両全体、および車両周囲のエアフローを最大限に活用できるように設計されています。さらに、この車は、オープントップ・スポーツカーでなければ実現できないエキサイティングでドラマチックな走りを求めるドライバーのために製作されました。このプラットフォームは、デザイン面において、私たちが意図したコンセプトを現代的に表現するための機会を与えてくれました。その結果として生まれたV12 ヴァンテージ ロードスターは、ドライバーが意のままにコントロール可能な芸術作品といえるでしょう」とコメントを述べている。