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豊田通商、中国のリチウムイオン電池用電解質リチウム塩(LiFSI)製造「湖南福邦」へ出資

2022年9月12日 発表

 豊田通商は9月12日、中国のリチウムイオン電池用電解質リチウム塩(LiFSI)製造会社「湖南福邦(湖南福邦新材料有限公司)」へ、豊通上海(豊田通商[上海]有限公司)を通して、日本触媒と共同で資本参画することに合意したと発表した。

 湖南福邦は、世界第2位のリチウムイオン電池電解液メーカー大手の深圳新宙邦科技股份有限公司(英名:Shenzhen CAPCHEM Technology Co. Ltd.)の子会社で、リチウムイオン電池用電解質リチウム塩「LiFSI: リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド」を製造している。

 今回の出資では、日本触媒が2億176万9912人民元(40.4億円:20円/人民元前提)、豊通上海が2920万3539人民元(5.8億円:20円/人民元前提)を出資。これにより、株主構成は、Capchem 51.19%、日本触媒38.0%、豊通上海5.5%、長沙鑫聯華源新能源合伙企業(湖南福邦幹部社員による持株会)5.31%となる。

 湖南福邦が製造するリチウムイオン電池用電解質リチウム塩は、リチウムイオン電池の電解質として使用され、低温高温時の性能や寿命などの課題解決が可能であるため、需要が急拡大している。

 湖南福邦では、2022年下期から1200t/年の生産能力でLiFSIの生産を開始して、急拡大する市場の需要増に応えるため、今後段階的に生産能力を増強し、2025年に1万2000t/年の生産を目指す。一方、豊田通商ではグローバルな販売網を生かして湖南福邦で生産されるLiFSIを中国のみならず、日本、アジア、欧州の電解液メーカーへの販売を進めていくとしている。