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BMW、新型LMDhマシン「MハイブリッドV8」正式カラーリング公開 2023年シーズンIMSAに参戦

2022年9月23日(現地時間) 発表

BMWがIMSA2023年シーズンに参戦するために開発した新型LMDhマシン「MハイブリッドV8」の正式カラーリングを公開した

参戦ドライバーも公表

 独BMWは9月23日(現地時間)、米国ロサンゼルスにあるピーターセン自動車博物館にて、2023年度シーズンのIMSAに参戦する新型LMDhマシン「MハイブリッドV8」の正式カラーリングを公開した。

 MハイブリッドV8は、最高回転数8200rpm、最高出力640HP、最大トルク650Nmを発生するV型(90度バンク)8気筒4.0リッターツインターボエンジンを搭載するハイブリッドマシン。この後、セブリング・インターナショナル・レースウェイでテストを行ない、米国での大規模なテストスケジュールを開始するとしている。

ボディサイズは5100×2000mm(全長×全幅)、ホイールベースは3150mm、最低重量は1030kg

 レース用のカラーリングは、テスト中に使用していたカモフラージュカラーリングと同様に、Michael Scully氏がプログラムリーダーシップを務め、BMWグループのデザインワークスが担当。象徴的なMカラーとMロゴのモダンで大胆なフラクタルブロックによって構成された未来志向のデザインとなっている。

 デザイナーのスカリー氏は「これらの要素は分解され、BMW MハイブリッドV8全体を覆う抽象的な三角形のパターンに見えるかもしれませんが、横から見るとMのロゴがきちんと配置されています。Mは再構築されたのです」と説明している。

 また、BMWのロゴを「M bedded(層になったM)」と表現し、ブルーとパープルのエレメントを使用。さらに、BMW Mモータースポーツの特徴であるマットブラックのエクステンションを、フロントガラスの運転席側前方に配置。これは、光を反射しないマット仕上げになっていて、ドライバーの集中力を高めるものだという。ボディのほとんどをカーボンファイバーのままにすることで、塗料を使わずカモフラージュ仕様よりも25~30%の軽量化を実現したとしている。

 さらに、ライティングはスイスの企業L.E.S.S.が、LED照明に代わる新しいアプローチとして、レーザーによってナノアクティブ光ファイバーで光を発生させる方法を確立。これにより超高輝度かつ超均一な光を非常に小さなフォームファクターで実現し、自動車に組み込んだ際に重量とエネルギーを大幅に削減することが可能という。

耐久レースのコアドライバー4名とサブドライバー1名を発表

 2023年IMSAシーズンは、24号車と25号車の2台のBMW MハイブリッドV8で参戦し、コアドライバーは、Connor De Phillippi選手とPhilipp Eng選手の組み合わせと、Augusto Farfus選手とNick Yelloly選手の組み合わせとなる。

 また、デイトナ24時間レースでは、2019年にBMW MチームRLLとともにデイトナで勝利を飾った経験のあるインディカードライバーのColton Herta選手を追加するとしている。なお、その他のドライバーは後日発表するとしている。

Connor De Phillippi選手

 Connor De Phillippi選手は、「GTP プロジェクトが発表されて以来、このプログラムに参加することが私の夢でした。 BMW M Motorsport が IMSA 大会のトップレベルでチャンピオンシップの結果を出すことを熱望していることは分かっています」とコメント。

Philipp Eng選手

 Philipp Eng選手は「このユニークな機会を与えられたことは、私にとって光栄なことです。私はこの挑戦を本当に楽しみにしていますし、私を信頼してくれたBMW Mモータースポーツに感謝しています。BMW MハイブリッドV8で初めて周回したときのことは、決して忘れません。圧倒的なパフォーマンスとパワーを持つサラブレッドのようなレースカーです。DTMのクラス1マシンを思い起こさせる。IMSAのレーストラックでこれをドライブするのは、とても楽しいでしょう」と述べている。

Nick Yelloly選手

 Nick Yelloly選手は「デイトナとセブリングで初参戦した後、北米でフルシーズンを戦うことになり、しかもこの素晴らしいマシンで、というのは最高のことです。私にとって、ハイダウンフォースのレースカーのルーツに戻るようなものです。本当に楽しみです」とコメントを寄せている。

Augusto Farfus選手

 Augusto Farfus選手は「BMW Mモータースポーツの代表として再びトップ・レベルに立つこと、そしてモータースポーツの新時代の幕開けに携わることは、私にとってまたとない機会であり、大変な名誉です。このエキサイティングなプロジェクトは、私のキャリアの中でもハイライトの1つです。敵は非常に強力で、初年度は多くのことを学ぶことになるでしょう。しかし、スタートからよい結果を出すための準備はすべて整っていると思います。それを可能にするために、私たちは間違いなく努力しています」と述べている。

 公開イベントには、BMW MのCEOであるフランシスカス・ファン・ミール氏、BMW Mモータースポーツ責任者のアンドレアス・ルース氏、IMSA会長の John Doonan氏、BMW MチームRLLのオーナーのボビー・レイホール氏、デヴィッド・レターマン氏、パトリック・ラニガン氏らがゲストとして出席。

 フランシスカス・ファン・ミール氏は「BMW Mの誕生50周年と並行して、BMW MハイブリッドV8でモータースポーツの大舞台に復帰することを誇りに思います。この冒険が、BMW Mにとって最も重要な国際市場である北米で始まることをうれしく思っています。BMW MハイブリッドV8は、単なるレースカーではなく、BMW Mの電動化の未来を切り開くものであり、電動化されたMパワーがいかにダイナミックで感情的であるかを明確に示しているのです」とコメントしている。