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アルピーヌ、新グレード「A110 R」世界初公開 ローラン・ロッシCEO「完璧さを追求したA110 Rを披露するのは日本しかなかった」
2022年10月5日 10:17
- 2022年10月4日 開催
アルピーヌ・ジャポンは10月4日、2ドアミッドシップスポーツカー「A110(エーワンテン)」の追加グレード「A110 R」を神奈川県横浜市の山下埠頭で世界初公開した。
新たに発表されたA110 Rは、アルピーヌが「A110の性能を極限まで引き出した」と表現するモデル。車名に与えられたRは「RADICAL」(ラディカル:急進的、過激な)の頭文字で、この車両がシリーズで最も過激な1台になあることを意味している。受注開始は11月末の予定で、納車開始は2023年夏ごろになる。なお、価格は後日発表されるとのこと。
ボディはカーボンファイバーを用いたフロント、サイド、リアのディフューザーとスワンネックマウントで固定されたリアスポイラー、フラットアンダーフロアなどによってエアロダイナミクスを最適化。ダウンフォースと空気抵抗の最適なバランスを追求し、車両の接地感をさらに高めており、具体的には、A110 Rは従来からラインアップしている「A110 S」と比較して、最高速での走行時に発生するリアダウンフォースが29kg増加している。
専用設定となるシャシー性能では、26段階で減衰力を調節可能なダンパーと剛性を10%アップさせたスプリングを組み合わせて採用。車高はこれまでより10mm下げられ、さらに10mm引き下げることも可能になっている。また、アンチロールバーの剛性もA110 Sと比較してフロントが10%、リアが25%引き上げられ、よりラディカルなボディコントロールが可能になるという。
このほかに足まわりでは、フロントバンパーのエアスクープ、フロア下に設置されたダクトなどの効果でブレーキの冷却性能が高められ、サーキット走行時の耐久性、効率性が20%以上改善している。
さらにA110 Rでは、ほとんどをカーボン素材で構成する新形状のボンネット、ガラス製からカーボン製にスイッチされたリアウィンドウ、レーシングマシンのホイールも手がけるDuqueineと共同開発した100%カーボン製のオリジナルホイールなどの採用により、もともと軽量なA110をさらに軽量化。これまで最も軽量だった「A110」「A110 S アセンション」の1110kgより28kg軽い1082kgという車両重量を実現。エアロダイナミクスの最適化と軽量化によって0-1000m加速は21.9秒、トップスピードはA110シリーズで最高となる285km/hをマークし、3.6kg/PSのパワーウエイトレシオを実現している。
インテリアは“レーシングコックピット”のイメージを楽しめるようデザインされ、骨格部分をすべてカーボンとしたサベルト製シングルシェルシートを採用。ステアリングやインパネ、ドアトリムなどを覆う表皮にはマイクロファイバー生地を使い、グレーのステッチを設定。ステアリングの0時位置やドアストラップなどにレッドを差し色としてアクセントとしている。
完璧さを追求したA110 Rを理解してもらえるのは日本市場だけ
A110 Rのワールドプレミアとなった発表会では、最初にアルピーヌ CEO ローラン・ロッシ氏がスピーチ。
「日本のマーケットをアルピーヌはとても楽しみにしています。モータースポーツの知識がこの日本というマーケットにおいて変換され、重要なものとなっているのです。日本はアルピーヌにとって4番目に重要なマーケットであり、欧州以外では最大の市場です。さらに日本ではA110の販売台数が1000台となりました。去年までA110は1万台が生産されてきましたが、そのうち10%が日本で売られたことになります。これに加えて日本ではモータースポーツに対する情熱も高く、新たな『A110 R』をこの重要なマーケットに提供することで恩返しがしたいと思っているのです」。
「A110 Rを日本でローンチした理由はもう1つあります。性能を突き詰めたA110 Rを初公開する市場は日本しかないと思ったからです。さらなるパフォーマンスを求めるため、軽量化も限界まで追求しております。私たちはグラム単位での軽量化をキロ単位まで積み重ね、ダウンフォースも少しずつ積み重ね、ラップタイムの削減も絶え間なく追求してきました。もちろん、信頼性も決して妥協していません」。
「パフォーマンスを追求し、規律をマスターしようと追い求めたことを理解してもらえるのは日本市場だけであると考えたのです。茶道、剣道、合気道、空手道、柔道など、すべてをパーフェクトにマスターするために突き詰めていく日本人の思いは、もはやアートに昇華しています。つまり、私たちが完璧さを追求したA110 Rをお披露目するのは、まさに日本しかなかったのです」とコメント。茶道、剣道といった日本の文化を引き合いに出し、性能を突き詰めたA110 Rと日本市場の親和性の高さを説明した。
ロッシ氏のスピーチに続き、ルノー・ジャポン 代表取締役社長 小川隼平氏が登壇。「2018年に2代目アルピーヌ A110日本市場に導入して以降、軽量化を追求することで俊敏性を磨き上げたそのパッケージングに対し、日に日に期待が高まっていることを感じています。グレードの個性をより明確にした2022年のマイナーチェンジ以降は販売台数も拡大しており、日本においても近々1000台目の納車を迎えることとなりました。立ち上げ時には14店舗だったネットワークですが、現在は19店舗まで拡大しており、これは実は世界第2位のネットワーク数を誇るものとなっています。2021年の販売台数は、マイナーチェンジに伴う生産台数のブラックアウトによって世界5位の販売台数となってしまいましたが、今後は本国のフランスに次ぐ世界2位のマーケットになり、日本のお客さまの期待にさらに応えていけるブランドに成長させていきたいと考えております」と語り、日本市場におけるアルピーヌのこれまでの展開と今後に向けた意気込みを述べた、
さらに「このたびお披露目となりましたA110 Rですが、もちろん日本市場にも導入いたします。A110 Rをグレードに追加することで、A110シリーズがさらに個性のはっきりとしたカルテットになると思っています。ラディカルという言葉は『過激』という意味を持つ一方、『徹底的な』『根本的な』という意味も含んでいます。軽量・俊敏というA110が持つ唯一無二のキャラクターを徹底的に磨き上げたA110 Rは、走りを愛する日本のお客さまに確実に受け入れていただけると確信しております」と説明。新たに登場したA110 Rも日本のユーザーに受け入れられるだろうと自信を見せた。