デンソー、車両向けセキュリティ監視サービスの実現に向けてNTTコミュニケーションズと協業

車両向けセキュリティ監視サービスのイメージ

　NTTコミュニケーションズとデンソーは10月18日、サイバー攻撃の脅威から車両を見守る「車両向けセキュリティ監視サービス（車両SOCサービス）」の提供開始に向けて、協業を開始したと発表した。

　近年コネクティッドカーと呼ばれるネットワークとつながるクルマが急速に普及し、ICT（Information and Communication Technology＝情報通信技術）を活用したさまざまなサービスとつながる一方で、サイバー攻撃は日々高度化・巧妙化し続けていることから、コネクティッドカーを見守り、早期に攻撃を検知・分析して状況に応じた適切な対応をすることが求められている。

　すでに両社は、2017年より車両へのサイバー攻撃を検知して分析する技術の開発に着手していて、2020年以降、実験車を用いて車両へのサイバー攻撃を模擬し、実験用の車両SOC（Security Operation Center）による攻撃の検知や影響範囲の分析など、さまざまな事象への対応シミュレーションを繰り返すことで、さらなる技術向上を図ってきている。

　今回の協業では、これまでの取り組みを踏まえ、NTTコミュニケーションズとデンソーの互いの強みを組み合わせ、車両SOCサービスを構成するシステムの開発および車両SOCサービス運営体制を確立。

　NTTコミュニケーションズの強みである、IT分野におけるネットワーク、クラウド、SOCなどのマネージドセキュリティに関する技術力と、デンソーの強みである車載システム、車両サイバーセキュリティ、コネクティッドカー開発などで培った情報セキュリティ・通信・データ解析などに関する技術、それぞれの知見を連携することで車両へのサイバー攻撃に対し的確に対応できる車両SOCサービスの提供を目指すとしている。

提供を目指すサービス概要

・車両に搭載されたセキュリティ機器から出力されるログやコネクティッドサーバーとの通信ログを取得することによる車両の監視とサイバー攻撃の検知

・サイバー攻撃に関する動向や実際に車両へ行われた攻撃内容を都度把握することによる高度化・巧妙化を続けるサイバー攻撃の検知

・高度な知識を持つセキュリティアナリストによるサイバー攻撃の脅威に関する分析結果と復旧対応に資する情報のレポート化、およびカスタマーポータルサイトを通じたお客さまへの提示

・SOC事業をグローバルに展開してきたNTT Comの運用実績と運用基盤を活用した、グローバル規模で安定した車両セキュリティ監視