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デンソー、高度運転支援技術用の新製品を開発レクサス新型「LS」とトヨタ新型「ミライ」に搭載

編集部：塩谷公邦

2021年4月9日 13:56

2021年4月9日発表

高度運転支援技術の実現に向けた新製品を開発

　デンソーは4月9日、乗員に安心感を与える高度運転支援技術の実現と車両の安全性能向上に貢献する製品を開発したと発表した。また同時に、この製品がレクサスの新型「LS」および、トヨタの新型「MIRAI（ミライ）」に搭載される高度運転支援技術「Advanced Drive（アドバンスドドライブ）」に採用されていることも合わせて発表した。

　高速道路などの自動車専用道路にて、ドライバーによる監視のもと、交通状況に応じて、車載システムが適切に認知、判断、操作を支援し、車線・車間維持、分岐、車線変更、追い越しなどを行なう高度運転支援技術の実現には、車両周辺の検知性能の向上、高精度な自車位置の特定、センサー情報の高速処理が必要不可欠となる。

　今回デンソーが新たに開発した製品は、車両や道路の形状を検知する「LiDAR」、2種類のカメラで自車の前方環境を検知する「ロケーター望遠カメラ」、高い精度で自車位置を特定する「SIS ECU」、それらの製品などから得られる情報を高速処理する「ADS ECU」「ADX ECU」のことで、このSIS ECU、ADS ECUおよびADX ECUは、無線通信によるソフトウェアアップデートに対応していて、ユーザーに車両が渡った後の機能の追加や性能向上を可能としている。

車両周辺の検知性能の向上（LiDAR、ロケーター望遠カメラ）

　LiDARとロケーター望遠カメラは、広範囲を高い精度で検知する製品で、今回開発した両製品ともに、車両から200m以上先まで検知することを可能とした。LiDARは、世界最高レベルの性能を有していて、レーザー光の高出力化、受光センサーの高感度化により遠方までの検出を可能としている。また、平面ミラーを用いたスキャン方式を採用したことで、より広い角度で検出することが可能となった。

　ロケーター望遠カメラは、近距離用と遠距離用に2種類のカメラを搭載していて、長い撮像可能距離と高い画素数を有している。特に遠距離用のカメラは、検知角度を狭めることで角度あたりの画素数を向上させ、遠くの映像を鮮明に取得することができる。

高精度な自車位置の特定（SIS ECU）

　SIS ECUは、自車の位置情報や前方の走路情報を提供する製品で、高度運転支援技術を支える重要な役割を担う。今回開発された製品は、高精度地図データ、GNSS（全球測位衛星システム）から得られる位置情報、カメラからの認識情報を組み合わせることにより、自車が走行する位置情報を車線レベルで取得することを可能とした。

センサー情報の高速処理（ADS ECU、ADX ECU）

　ADS ECUおよびADX ECUは、LiDAR、カメラなどの車両周辺の監視を行なうセンサーの情報を集約し、車両を制御する製品。

　高度運転支援技術の実現には、各センサーからの情報をリアルタイムで把握し、数ミリ秒単位の速度で高速処理することが必要なため、今回開発した製品は複数のSoCとマイコンを搭載し、従来の車載ECUの2倍以上の処理性能を有し、ドライバーに代わって車両を制御する頭脳の役割を担うという。

　デンソーは今回開発した製品を通じて、乗員に安心感を与える高度運転支援技術の実現と車両の安全性能のさらなる向上を目指すとしている。