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タイ25時間、SUPER GTチャンピオン関口雄飛選手がタイトヨタのカーボンニュートラル車で参戦

スタート前の22号車と関口雄飛選手

 12月17日~18日の2日間にわたって「IDEMITSU 1500 SUPER ENDURANCE 2022」(タイ25時間耐久レース)がタイ ブリーラム県のチャーン・インターナショナル・サーキットで開催されている。このタイ25時間で話題となっているのが、水素燃料を使う水素GRカローラやカーボンニュートラル燃料を使うGR86の参戦。この参戦はルーキーレーシングとトヨタ自動車の共同プロジェクトになるが、トヨタはさらにもう1台のカーボンニュートラル車を走らせていた。

 それが、タイトヨタによるGAZOO Racing Thailandチームの22号車GR86による参戦。これは日本から持ってきたスーパー耐久で使用しているカーボンニュートラル燃料をタイチームへと提供。必要な部分を改造してもらって、25時間のレースに挑むというもの。

スタートドライバーを務める関口雄飛選手
ドライバー名には関口選手の名前が刻まれる

 そしてこの22号車には、タイのチームのドライバーだけでなく、SUPER GTチャンピオンであり、2016年にはこのチャーンサーキットで劇的な勝利を挙げた関口雄飛選手もドライバー陣に加わっていた。

 GAZOO Racing Company President 佐藤恒治氏はこの挑戦について、「日本からカーボンニュートラル燃料のクルマが来て、タイでレースをやったというだけでなく、タイのチームがタイのレースでカーボンニュートラルで戦ったというのがすごく大事だと思っています。そういうやり取りを私たちとして、やりたいと言ってもらえたので。やるからには『もっといいクルマづくり』につなげたい。ドライバーのフィードバックであるとかいろいろなものを比較して開発につなげたい。関口選手ともそこをしっかり抑えた上でやっていく」と語り、日本のトップドライバーである関口選手の開発力に期待をにじませる。

 この22号車のみは25時間を走る予定で、スタート前に関口選手に聞くと「2時間のスティントを2、3度やる予定。コロナもあったので、(チャーンサーキットには)久々に来られてうれしい。チームはタイトヨタなのですが楽しく過ごせています」と明るい表情。タイトヨタのスタッフやルーキーレーシングのドライバーと話をしたり、コミュニケーションを積極的に取っていた。

 ただ、佐藤プレジデントによると22号車においてはトラブルも出ており、ピットで直す時間もあったという。主には異物を吸い込んでゴミなどが混じるとのことで、燃料そのものではなく吸気系の仕上がりに問題があったようだ。

 タイのドライバーのコメントとしては、「通常の燃料よりもちょっと(パワーが)下がっている感じはするものの、違和感はない」とのこと。タイの人たちがカーボンニュートラル燃料の感想を発信していくことで、カーボンニュートラルの理解も進んでいくのだろう。しかもタイの人たちにとってはチャーンのSUPER GTで優勝したこともあるSUPER GTチャンピオンとの耐久レースを戦えるわけで、カーボンニュートラルと合わせて一つのトピックになるだろう。