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アイシン、「子供の車内放置検知システム」の実用化に向けて実証実験を開始 薄型ミリ波レーダーで生体反応を検知

2022年12月22日 発表

「子供の車内放置検知システム」の実用化に向けて実証実験を開始(※写真イメージで実際に運営するバスとは異なる)

 アイシンは12月22日、愛知県刈谷市が推進する「刈谷スマートシティ」の取り組みの一環として、刈谷市および市内の幼稚園など3つの施設と連携した「子供の車内放置検知システム」の実証実験開始を発表した。

 この実証実験は、乗用車や施設の送迎バスにおいて、車内に取り残された子供が熱中症で亡くなる事故が後を絶たず、世界的にも重大な社会課題となっているほか、事故を防ぐためのシステム装備義務化への動きも加速している背景があるという。

 今回の実証実験でアイシンは、子供を送迎する施設のバスに、「センシングによる検知・通報」「運転手に点検を促す仕組み」「園児自ら救助を求める『助けてボタン』」の3つの手段を組み合わせた専用システムを装備し、実際の運用を検証しながら実用化に向けてさらなる改良や精度の向上を行なうとしている。

実証実験のイメージ(※写真は実際に運営するバスとは異なる)

 現在開発中の「子供の車内放置検知システム」は、要となるセンサーに薄型ミリ波レーダーを採用して、対象物を把握する解像度が非常に高いことが特徴といい、センサーから得られた情報は対象物の位置を示すドットデータとして集積され、子供が呼吸する時のわずかな胸の動きを検知し、“生体反応”としてとらえることで子供とそれ以外のものを的確に識別できるという。

 今後は、このシステムを後付け可能な商品として販売していくことを検討していて、必要な場所に早く適切に届けることで、安全・安心な社会づくりに貢献したいとしている。

実証実験の概要

対象施設、車両および実証期間(予定)

・学校法人大和学園 刈谷大和幼稚園
1.システム設置車両:幼稚園バス1台
2.実証期間(予定):2022年12月14日~2023年1月31日

・名古屋カトリック学園 暁星幼稚園
1.システム設置車両:幼稚園バス1台
2.実証期間(予定):2023年1月11日~2月24日

・刈谷市立しげはら園
1.システム設置車両:送迎バス1台
2.実証期間(予定):2023年1月6日~2月24日

実施における関係者の役割

・刈谷市:全体調整、フィールド提供
・アイシン:システム開発、設置・保守・撤去
・対象施設:設置するバスの提供、システムの運用