ZF、温まる「ヒートシートベルト」を開発 電気使用量を削減しEVの航続距離を最大15％向上

ZFは温まるシートベルト「ヒートシートベルト」を開発した

　ZFは1月5日（現地時間）、シートヒーターなど他の接触式のヒーターと組み合わせることで暖房に必要なエネルギーを削減でき、寒冷時には航続距離を最大15％向上させるというEV（電気自動車）用の「ヒートシートベルト」を発表した。

　EVは内燃機関のように使える廃熱がないため、バッテリ電源でエアコンを動かす必要があるが、このヒートシートベルトはヒーティング機能によって、運転開始直後から36℃～40℃まで発熱し、乗員は体温に近い温かさを均一に感じられるほか、シートヒーターと組み合わせて使うことで、快適な車内環境をすばやく整えられるという。

　ZFは特殊なテキスタイル加工方法によって、発熱体をシートベルトに織り込むことに成功。また、厚さを最小限にする統合型発熱体を使用した特殊なウェビングをベースにし、従来のシートベルトと同じ作動と操作を実現した。

　電熱回路はベルト操作や巻き取りを妨げないように配置され、他に特殊な追加装置類も不要。自動車メーカーは簡単に車両に搭載でき、乗員は通常のシートベルトと同じ快適性と安全性を得られるほか、従来のエアコン使用量を削減することで、車内を暖めるために使用するバッテリ使用量を減らせ、航続距離を最大15％伸ばせるとしている。