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アルパイン、「送迎用バスの置き去り防止システム」開発 園向けクラウドサービス「コミュなび」との連携で総合的な安全管理を実現

2023年7月 発売予定

オープンプライス

アルパインマーケティングが開発した送迎用バスの置き去り防止システム製品の配置イメージ

 アルパインマーケティングは4月24日、幼稚園や保育園の送迎バスでの園児置き去り事故防止を支援する「送迎用バスの置き去り防止システム」を発表した。現在、国土交通省の「送迎用バスの置き去り防止を支援する安全装置性能認定」に申請中で、認定取得後の2023年7月ごろより販売を開始する予定。価格はオープンプライスで、4月より事前受付も開始した。

 近年、幼稚園・保育園の送迎用バスでの園児置き去り事故が相次いで発生し社会問題となるなか、2023年4月1日より「送迎用バスの置き去り防止を支援する安全装置」の設置が義務化され、設置に対する補助金(1台あたり上限額17万5000円)の給付も開始されている。

 そこでアルパインマーケティングは、こうした事故を繰り返さないために乗降時確認式の安全装置に加え、グループ会社であるアルプスアルパインが有するセンサー技術を活用した置き去り防止安全装置を開発。乗降時の確認と合わせて人体を検知するセンサーによって、車内での園児置き去り防止をサポート。

 今回開発した送迎用バスの置き去り防止システムの主な特徴は、キースイッチ(イグニッションキー)をOFFにすると、車内点検メッセージを流して車内の点検漏れを防止するとともに、車内の点検後、本体の「たすけてボタン」を長押しすることで待機モードに設定。待機モードで「たすけてボタン」を押せば、救助を求めるメッセージを大音量で車外に発信する仕組みを採用。また、運転席のスイッチで園児の乗降を周囲にアナウンスし、危険が潜む乗降中も周囲に注意を発信する。

園児バス置き去り防止システム(乗降時確認装置/自動検知機能)動作イメージ

 さらに、人体を検知する「PCRセンサー」を採用。スイッチなどの操作が不要な安心仕様で、エンジン停止の15分後に車内で人体を検知した場合、非常事態をWeb/メールで通知。エンジン停止の15分後に異常検知がなくても、さらに15分間検知システムが連続作動するようになっている。

 採用している人体検知センサーは、対象となる人が眠っている状態でも検知が可能で、GPSやGalileoなどのマルチGNSS(全球測位衛星システム)で測位した位置情報を無線通信し、クラウドサーバーへ提供する「GNSSトラッカー」を搭載。確実で安定した車両データの送信を実現した。また、このシステムは12Vおよび24V電源のいずれにも対応していて、小型~大型までの幅広い車種に取り付けが可能。

テクノクラフトの「コミュなび」との連携で総合的な安全管理を実現

 システムの販売に際しては、GPSやインターネットを利用したアプリケーションやASPサービス、各種コントロール端末の開発・製造・販売・サポートを行なうテクノクラフトと協業し、同社の幼稚園・保育園・こども園向けクラウドサービス「コミュなび」との連携で、異常発生時の画面でのお知らせや、先生・保護者へのメール/アプリプッシュ通知をはじめとした総合的な園児の安全管理を実現するとしている。

コミュなびと連携した運用イメージ(登園時)

「コミュなび」と連携した運用イメージ(登園時)

1.「バスなび」添乗アプリを起動し、コースなどを選び運行を開始する。

2.各バス停で園児を乗車させる際に「バスなび」添乗アプリの乗車リストから「乗車の点呼」をチェックする。

3.園に戻ってきたら、園児を降車させる際に「バスなび」添乗アプリの乗車リストから「降車の点呼」をチェックする。

4.「バスなび」添乗アプリの運行を終了する。

5.エンジンを停止する。

6.車内の見回り・清掃・消毒を行なう。

7.園内のPCで「バスなび」管理画面の乗車リストを開き、乗降車にチェックが入っているかを確認する。異状がない場合は、今日の運行が問題なく終了したことを、保護者へ通知する(※設定で切り替え可)。

8.異常発生時は、園内の端末と指定の先生・保護者のスマートフォンに通知する。

送迎用バスの置き去り防止システム 各製品の仕様