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光岡、新型「ビュート ストーリー」発表会 トヨタ「ヤリス」をベースにハイブリッドモデルや6速MTモデルをラインアップ
2023年9月22日 07:15
- 2023年9月21日 開催
光岡自動車の創業55周年に4代目となったビュート ストーリー
光岡自動車は9月21日、同社が1993年から30年間にわたって発売しているプレミアムコンパクトカー「Viewt(ビュート)」シリーズの4代目となる最新モデル「Viewt Story(ビュート ストーリー)」を発表。9月22日より発売する。
新型ビュート ストーリーのラインアップは1.0リッターガソリンエンジンモデルが2グレード(2WDのみ、CVT)で、価格は308万円~323万4000円、1.5リッターガソリンエンジンモデルが2グレード(2WD/4WD、CVT/6速MT)で、価格は347万6000円~386万1000円、そしてハイブリッドモデルが2グレード(2WD/E-Four、電気式無段変速機)で、価格は399万3000円~429万円。
発売を目前とした9月21日、東京都港区麻布台にある「MITSUOKA麻布ショールーム/GALLERY 麻布」にてプレス発表会が開催された。
発表会は新型ビュート ストーリーのアンベールから始まった。ビュート ストーリーは2023年の2月から先行予約が始まり、7月に発売日が公表されるという段取りだったため、外観については当初からイラストや画像で公開されていたが、実車が公開されるのはこの日が初となった。
アンベール後は光岡自動車 代表取締役社長 光岡章夫氏があいさつ。ビュート ストーリーの前に立った光岡氏は「当社は100年企業を目指しながら一歩一歩、毎年楽しくがんばっています。今年は創業から55周年となり、その年に新型ビュート ストーリーを発表できることを心からうれしく思っています。光岡自動車では昨年10月に創業の地、富山県に『ミツオカ グランドストア』というカフェをメインにした新しいコンセプトのショールームをオープンしました。こちらは若い世代のスタッフを中心に運営していますが、新しい展開が見えてきていて来年が楽しみという状況であります。その他、各地の店舗のオープンも予定されていて、55周年である2022年は動多い年になっています。また、2024年、2025年の予定も決まっていますが、それらは改めてご案内いたします」と会社の近況を説明した。
続いては光岡自動車 執行役員 ミツオカ事業部 事業部長兼営業企画本部長の渡部稔氏による新型ビュート ストーリーの紹介が行われた。
渡部氏は「1993年に初代のビュートが登場し、早いもので今年で30年となります。本日お披露目となりましたビュート ストーリーは初代ビュートから数えて4代目となりますが、初代から3代目まではベース車に日産自動車のマーチを使用していました。そして本日お披露目する新型ビュート ストーリーは、初めてトヨタのクルマをベースにしています。なお、ベース車はトヨタのヤリスとなります。ベース車の変更は大きな変化ではありますが、歴代ビュートが持つ愛くるしさやDNAはそのままです。また、CVT、2輪駆動のみならず、6速MTや4WD、さらにはハイブリッドもラインアップに加えています。装備面もLEDヘッドライト、レーン逸脱警告機能、先行車発進告知機能を全車に標準装備しています。加えて、レーダークルーズコントロール、パーキングブレーキアシスト機能など、より充実した先進安全装備を選べるグレードも用意しています。30年もの長い間、私どもの代名詞として進化してきたビュートですが、新型ビュート ストーリーは令和の時代にふさわしい非常に使い勝手のいいモデルになっています」と解説した。
続けて「今年の2月より開始した先行予約期間でしたが、8月よりようやく生産を開始できることになりました。計画では2023年内に40台程度、2024年は年間180台くらいの生産を予定しています。現在は2024年8月くらいまでの生産分がすでにご予約いただいている状況になっています」と新型ビュート ストーリーの注文状況を説明した。
そして最後に「先代のK13マーチをベースとしたビュートは,高品質な中古車をベースに、改めてミツオカの新車生産ラインにて組み上げる『メイクアップ・ビュート』として継続販売をしていきます。このような販売を行なう理由は、セダンタイプのビュートが皆さまから愛され続けているためであります」と中古車における新たな取り組みを発表した。
新型になっても愛らしいビュート ストーリーのデザイン
次に登壇したのはミツオカ事業部 商品企画課 課長 兼 デザイナーの青木孝憲氏だ。青木氏は「私からは3つの説明をさせていただきます。1つ目はデザインについて、2つ目は作り方について、そして3つ目は仕様などの話になります。ではデザインについてです。これまでのビュートはフロントまわりを上から見ると、ライトやグリルのある先端部分がほぼまっすぐのラインになっていましたが、新型ビュート ストーリーはフロントサイドを後方に下げています。これは人間の顔で言うとリフトアップするようなイメージで、目的はかわいらしいだけでなく若返って明るい印象も持たせることでした。そして顔つきのを決めるのに大きく影響するヘッドライトはLEDヘッドライトになっています。そのため“目(ヘッドライト)”にキラキラした感じが出ています。さらにそれを強調するようにヘッドライトリングは先代のビュートと比較して約1.5倍メッキ部分を増やしていますので、目元がパッチリした印象になっています。顔のリフトアップに目元のパッチリ感の向上でとてもいい表情になりましたが、さらにヘッドライトの下にもう1つライトを追加しました。こちらは前照灯ではなくてイルミネーションランプで、点灯することで“よりキラキラした”表情になるのです」と、クルマの発表会ではあまり聞くことない比喩的な表現を交えて解説したが、そういう言い回しが似合うクルマであることも確かだ。
2つ目は作り方についてだ。青木氏は「これまでのビュートでは、ほとんどの外装部品をFRPで作っていました。しかし、バディ(光岡のSUV)の製作からプレス金型を使ったものや、射出成形の樹脂パーツに順次切り替えています。大手の自動車メーカーさんにとっては当たり前の製法ですが、われわれにとっては非常にチャレンジングなことでした。そして新型ビュート ストーリーではボンネットがスチール製になりました。リアまわりの外装パーツ類も射出成形による樹脂パーツとなっています。このように製法を変えた理由は、お客さまにもっと高品質なものを提供したいという思いからのことですが、フロントフェイスだけは従来どおりFPRの一体成形で作っています。ビュートというクルマにとって顔つきはとても大事です。ゆえに、顔を構成する部分にパーツの合わせ目は不要なのです。でも、この部分をプレス金型や樹脂成形で作ろうとすると、一体成形は無理で数点のパーツに分かれてしまいます。精度を上げればパーツの合わせ目は目立たないものになるのでしょうが“顔に傷が入る”ことには変わりありません。そのため、フロント部分だけは“つるん”とした理想的な顔を作ることができる手作業によるFRP成形としているのです」と、こだわりを語った。
そして3つ目は仕様について。青木氏によると「新型ビュート ストーリーでは12色ものボディカラーを用意しています。内装色も8色用意してあり、こちらはシート生地色とインパネ加飾パネルの同色セットになります。色だけでも選ぶ要素が多い新型ビュート ストーリーですが、選ぶものはそれだけではありません。従来からあるガソリンエンジンに加えてこのモデルからハイブリット車が設定されたことで、グレードは全部で12種類となりました。つまり12色のボディカラー、8色の内装色、そして12種類のグレードと、どれにしようかと“迷う楽しみ”が新型ビュート ストーリーにはあるのです」とのこと。