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WRCラリージャパンでトヨタ佐藤恒治社長も注目、KDDIのデジタルツイン技術

ラリージャパンを訪れていたトヨタ自動車株式会社 代表取締役社長 佐藤恒治氏。訪れた観客からの要望に応え握手、KDDIの取り組みを興味深く見たという

WRCラリージャパンでデジタルツインなどの展示を行なったKDDI

 11月16日~19日の4日間にわたって開催されたWRC(世界ラリー選手権)最終戦「フォーラムエイト・ラリージャパン2023」では、各社がさまざまな展示を行なっていた。

 その各社の展示を見て回っていたのが、トヨタ自動車 代表取締役社長 佐藤恒治氏。佐藤社長はゲストのホスピタリティなどを担当し、さまざまな方とあいさつを行なっていた。

KDDIのデジタルツインによって再現されたウェルパインモータースポーツのGRヤリス

 佐藤社長と立ち話する機会があったが、その際話題に上ったのがKDDIのブース。KDDIのブースではデジタルを活用した次世代型の体験観戦を展示。これには高精度の位置測位技術や、高いデジタルツイン技術が使われている。佐藤社長に「あちらの取り組みもご紹介いただきたい」とお勧めされたので、ここに取り上げる。

 KDDIはWRCにも参戦しているウェルパインモータースポーツと協力して、デジタルツインによる新たなモータースポーツの楽しみ方の創造に取り組んでいる。つくるまサーキット那須を高解像度のデジタルデータで再現し、ウェルパインのGRヤリスも高精度デジタルデータで再現。さらに高精度の位置情報をGNSSで取得することにより、実際の走行軌跡をデジタルで再現できる。

 クルマの開発にも使える技術だが、KDDIではこれをデジタル観戦にと考えており、なかなか行けない山奥のSS観戦、観戦人数に限りのあるSS観戦などの改善に使えないかと考えている。

KDDI株式会社 ソリューション事業本部 コネクティッドビジネス本部 副本部長 兼 ビジネスデザイン本部 副本部長 荒井克彦氏

 ブースで話をうかがったKDDI ソリューション事業本部 コネクティッドビジネス本部 副本部長 兼 ビジネスデザイン本部 副本部長 荒井克彦氏によると、マルチカメラソリューションによる走行再現もできるといい、SSでの活用できると面白いのではないかと語ってくれた。このマルチカメラソリューションは多数のカメラを用いるため、長いSSなどは難しいと思われるが、短いスーパーSSなどでの活用はあるのかもしれない。マルチカメラによる位置推定も行なわれるので、特定のコーナーに置ける姿勢変化なども細かく見ることができる。

 KDDIはSUPER GTで36号車 au TOM'S GR Supra(坪井翔/宮田莉朋)を「au」ブランドでサポート。WRCでもウェルパインを「KDDI」でサポートするなど、コネクテッドの技術を活かした新しいモータースポーツの楽しみに取り組んでいる。