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国交省、今後ダイハツへ立ち入り調査実施 「ユーザーの信頼を損ない、自動車認証制度の根幹を揺るがす行為。極めて遺憾」

2023年12月20日 発表

ダイハツ工業株式会社 代表取締役社長 奥平総一郎氏

 国土交通省は12月20日、ダイハツ工業から型式指定申請における不正行為に関する調査結果の報告を受けたとして、今後ダイハツへの立ち入り検査を行なうと同時に、国土交通省と自動車技術総合機構において、全ての現行生産車の基準適合性について技術的に検証を行なうと発表した。

 ダイハツからは、同社が設置した第三者委員会の調査により、新たに「5月19日に報告があった2車種を含め、現行生産・開発中の全車種(28車種)・1エンジンにおいて、型式指定のための申請における不正行為を確認」「不正の内容は16項目におよび、フルラップ前面衝突試験での不正のほか、制動装置などの試験成績書の虚偽記載といったの不正行為(計82件)を確認」「生産が終了している一部の車種(18車種)・3エンジンでも不正行為(計60件)が行なわれていた」という事項が判明したと報告があり、ダイハツによる検証の結果、計142件の不正行為のうち141件は基準適合性、諸元値の妥当性を確認済みで、1件は不適合の可能性があるため原因を調査しているとのこと。

 ダイハツは、5月から出荷停止している「ロッキー」「ライズ」の2車種を含め、全ての現行生産車の出荷を自主的に停止。第三者委員会の調査結果・提言を踏まえ、再発防止に取り組んでいくとしている。

 これを受けて国土交通省は「ダイハツ工業において、国土交通省が基準適合性を確認するまで、現行生産車の出荷を停止すること」「ダイハツ工業において、自動車ユーザーや、OEM供給先の自動車メーカーへのていねいな説明や対応に努めること」「ダイハツ工業のOEM供給先の自動車メーカーにおいて、自動車ユーザーへのていねいな説明や対応に努めること」を指示。

 今後、ダイハツへ立ち入り検査を行ない、不正行為の事実関係などの確認を行なうとともに、国土交通省および、自動車技術総合機構において、全ての現行生産車の基準適合性について、技術的な検証を実施。その上で、立ち入り検査と基準適合性の検証結果を踏まえ、道路運送車両法に基づき厳正に対応するとした。

 国土交通省は「型式指定申請において不正を行なうことは、自動車ユーザーの信頼を損ない、かつ、自動車認証制度の根幹を揺るがす行為であり、今回さらなる不正行為が明らかになったことは極めて遺憾です。国土交通省としては、道路運送車両法に基づき、ダイハツ工業に対してさらなる調査を実施し、その結果に基づき、厳正に対処してまいります」としている。

ダイハツ工業は12月20日16時45分から会見を行なっている