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アルパインスタイルの新ブランド「Cal's Motor」からニューモデル「ソノバ」「ベアス」「ベアスプラス」登場 東京オートサロンで一般公開

2024年1月9日 開催

写真は日産のNV200をベース車両に使う「ソノバ」

「NV200」「ジムニー」「ジムニーシエラ」ベースのカスタマイズカー

 カスタマイズカーの企画・開発・販売を手掛けるアルパインニューズは1月9日、新ブランド「Cal's Motor(キャルズ モーター)」から販売するカスタマイズカーのニューモデル「Sonova(ソノバ)」「Beas(ベアス)」「Beas+(ベアスプラス)」を報道関係者向けに公開するプレス発表会を開催した。

 それぞれ日産自動車の「NV200」、スズキの「ジムニー」「ジムニーシエラ」をベース車両に使い、内外装をカスタマイズして独自の魅力を与えたモデル。もちろん、車内にはアルパインのカーAV製品がしっかりとインストールされている。価格はソノバが428万円~453万円、ベアスが298万円~308万円、ベアスプラスが318万円~328万円。1月12日~14日に幕張メッセ(千葉県千葉市美浜区)で開催されるカスタムカーショー「東京オートサロン2024」のアルパインスタイルブース(中ホール5)で実車が一般公開され、1月12日から受注を開始。納車開始は春ごろを予定している。

アルパインスタイルの新ブランド「Cal's Motor(キャルズ モーター)」から発表されたカスタマイズカー3モデル。左から「ベアス」「ソノバ」「ベアスプラス」

 また、2023年1月に発表されたカスタマイズカー「Carica(カリカ)」「Havana(ハバナ)」も今後はキャルズ モーターのラインアップ車種となり、これに合わせてハイエースをベースとしたカリカに2種類の特別仕様車が設定されることも発表された。

ハイエースをベースとしたカリカの特別仕様車「Retreatパッケージ」(左)と「Mini-Vanパッケージ」

 価格は3列シートの装着で8人乗りを実現した「Mini-Vanパッケージ」が648万円~739万円、シャワーセットやサイドキャビネットなどを備える「Retreatパッケージ」が568万円~660万円。どちらもベッド兼用マルチシート、シンク、コンロ(脱着式)などを装備しており、特殊用途自動車として8ナンバー登録となる。

「デザインの魅力だけで欲しいと言ってくれるユーザーと数多く触れ合うようになった」と酒井氏

アルパインニューズ株式会社 代表取締役 酒井龍哉氏

 神奈川県横浜市にあるアルパインマーケティング 新横浜事業所で行なわれた発表会では、アルパインニューズ 代表取締役 酒井龍哉氏が最初に登壇。冒頭で1月1日に発生した令和6年能登半島地震で被災した人に対するお見舞いの言葉を述べ、同社としても何らかの形で復興支援に貢献したいと述べたあと、2023年に自動車業界で起きた大きな事件について触れた。

「皆さんご存じとは思いますが、大手中古車販売店における保険金の不正請求。これは非常に大きなインパクトがあり、エンドユーザーの皆さまがわれわれの業界を不安視する、不審に思うことになったことについては、われわれとしても残念ですし、この問題をこのまま放置するわけにはまいりません。われわれは誠心誠意お客さまと向き合い、信頼回復に努めていかなければないと思っています。また、大手新車メーカーの認証における不正もございまして、こちらでは生産ラインがストップしたことで納車されるはずだったクルマがいつまでも届かないという事態になっております」。

「コロナ禍で部品供給の不足による新車供給の滞りがなんとかキャッチアップされて『さあこれからだ』と期待を持てるようになったタイミングでしたので、われわれにもショックが大きく、お客さまにも楽しみに待っていたクルマが届かないということになり、ご不便をおかけして、期待に応えられない状態になっています」。

「われわれはちょうど1年前、新しいカスタマイズカーとして『ハバナ』『カリカ』というモデルを発表させていただきました。おかげさまで熱狂的なご支持をいただいており、想定を超える受注をいただいております。一方で先ほど挙げたような問題があり、注文をいただいても(ハバナの)ベース車両が生産停止の該当になっておりまして、われわれのところに入ってくる予定だった車両が届かず、カスタマイズしてお客さまにお届けすることができない事態となっています。われわれとしても板挟みですが、『ほかにはないクルマだから待つよ』とご理解いただけるお客さまがたくさんいる状況ですので、1日でも早くお客さまの期待にお応えできるよう、現在も年末年始を含めて不眠不休で生産を続けております」と語り、ハバナのベース車両である「ライズ」が生産停止になっている影響について説明した。

 また、カリカ、ハバナ発売後の反響として、酒井氏自身も車両展示の場に参加したところ、20歳前後の若い女性が展示車を見て「かわいい!」「このクルマ欲しい!いくらですか?」とスタッフに声を掛けている光景を何度も目にしていると紹介。そのクルマがどんなものかまったく知らない状態でも、デザインの魅力だけで欲しいと言ってくれるユーザーと数多く触れ合うようになったと語り、自分たちとしては、こうしたカスタマイズカーは「古きよきカリフォルニア風のデザイン」と「最新モデルが持つ高い機能性」という両面の魅力を持っていることをしっかりと説明してクルマをユーザーに届けたいと考え車両を企画。同社のカーコンサルタントは車両についてきちんと説明できるようセールストークに日々磨きを掛けているが、そこを超越して「かわいい」「かっこいい」とデザインの魅力を評価してもらえるようになっているという。

 これについて酒井氏は、1年前に行なった発表会で「クルマを買うときに、お客さまにワクワクしてほしい」「このクルマに乗ってどこに行こうか考えてほしい」と語ったことを挙げ、それが実際に体現される現場を目の当たりにしたことに喜びを感じていると述べ、同日発表した3モデルでも、2023年に起きた暗いニュースを打破して自動車業界を再び元気にしたいと考えていると語った。

「誰もが憧れるような夢のあふれる空間デザイン」を構築

アルパインニューズ株式会社 取締役 西田敬氏

 続いて登壇したアルパインニューズ 取締役 西田敬氏は、まず、新ブランドであるキャルズ モーターについて説明。キャルズ モーターでは「時代を破れ」をキーワードに設定し、タイムレスな世界観を「California Dreamin」というコンセプトで表現。誰もが憧れるような夢のあふれる空間デザインを作り上げているという。

コンセプトは「California Dreamin」

 新ブランドに先駆けて発売したカリカとハバナを購入したオーナーからは、外観デザインの大きな特徴である角型ヘッドライトやひと目で違いの分かるリアビュー、表面的なデザインだけでなくしっかり造り込まれていることなどが評価されていると紹介。また、日本各地のショッピングモールなどで実施した展示会では、来場者の反応や目線、来場者同士の会話などをチェックして潜在ニーズのくみ取りに着手。希望する車種や車格、デザインなどについて情報収集して、カリカ、ハバナに続くニューモデルの候補を絞っていったと説明した。

カリカを購入したオーナーの声
展示イベントで寄せられた声がニューモデル開発に生かされている

 アルパインスタイルではこれまでも、ベース車両を生かしつつ人と被らないフルカスタムを行なう「ニューズデザイン」というブランドを展開していたが、これとは別に、ベース車が分からないほどのフルボディメイクを実施して「California Dreamin」の世界観を表現するブランドがキャルズ モーターであり、西田氏自身も属する「団塊ジュニア」世代の人が免許取り立てだった若いころに憧れた“アメ車”を連想させるかっこいいデザイン、逆に若い人にとっては見たことのない個性を主張できるクルマを打ち出していくブランドとして位置付けられている。

キャルズ モーターはベース車が分からないほどのフルボディメイクを実施するブランドとなる
ソノバのコンセプト

 NV200をベースとしたソノバでは、子育て家族をターゲットユーザーに設定し、「個性的なデザイン」「人とは違うミニバンに乗りたい」というニーズに応える。外観デザインでは1970年代~1980年代に人気を集めた「ダッヂバン」「シェビーバン」「アストロ」といったアメリカンバンモデルが持つ迫力を表現するため、フロントマスクにLEDの角型4灯ヘッドライトやメッキグリルを採用。ボンネット中央にパワーバルジをイメージした凸型アクセントを設置して力強さを表現し、前後バンパーにはメッキガーニッシュを使ってワイドさを強調している。

 また、ジムニー、ジムニーシエラがベースとなるベアス、ベアスプラスは、キャルズ モーターの他モデルと同じくLEDの角型ヘッドライトやメッキグリルを採用することに加え、フロントバンパーのメッキガーニッシュにはアクセントとして凹みを設定。リアバンパーのコンビネーションランプは丸型タイプに置き換えられ、メッキガーニッシュと合わせて個性化している。また、ベアスではヘッドライトまわりをスラント形状にするなどの工夫を行ない、軽自動車規格をオーバーしない範囲内でデザインしているという。

ベアス、ベアスプラスのコンセプト

ソノバ

ソノバ ワゴン 2WD 3列(7人乗り)。ボディカラーは「ホワイトパール×ウォーターミント」

 日産のNV200をベース車両に使うソノバ。ワゴン 2WD 2列(5人乗り)が428万円、ワゴン 2WD 3列(7人乗り)が443万円、バン 4WD 2列(5人乗り)が453万円となる。ボディカラーは全車に「スーパーブラック」を設置するほか、ワゴンで「ホワイトパール」、バンで「ホワイト」を選択可能。さらにオプションとして、上半分を基本色としつつ、ウエストラインから下をオリジナルカラーで塗装する2トーンカラーも用意している。

ソノバ バン 4WD 5列(5人乗り)。ボディカラーは「ホワイト×アスファルトグレー」
小糸製の角型4灯LEDヘッドライトは上段がロービーム、下段がハイビームとなる
ヘッドライト下に設置されているLEDウインカーはデイタイムランニングライトとのコンバーチブルタイプ(11秒)
リアバンパーとリアハッチに大型のメッキガーニッシュを装着。展示車は木目調シートも装着していた
クロームメッキホイールにトーヨータイヤの「OPEN COUNTRY R/T」を組み合わせる。タイヤサイズは165/80R14 97/95N LT 8P.R.
ソノバ バン 4WD 5列(5人乗り)のインパネ
「11型 フローティング BIG X」「Xシリーズ 17cmセパレート2ウェイスピーカー」「12.8型リアビジョン」などをオプション装着
前後シートに装着するシートカバーはアルパインスタイルがオリジナル製作したオプション品。写真の「カントリー」のほか、「クラシカル」「ダイヤカット」の3種類を用意
フロアマットもアルパインスタイルがオリジナル製作したオプション品だ

ベアス

ベアス 5MT

 スズキのジムニーをベース車両に使うベアス。5速MT車が298万円、4速AT車が308万円となる。

ボディカラーは「ドルフィンブルーメタリック」
クロームメッキホイールにトーヨータイヤの「OPEN COUNTRY R/T」を組み合わせる。タイヤサイズは185/85R16 105/103N LT 8P.R.
小糸製の角型LEDヘッドライトはユニット内を上下に分割する2灯式。上段がハイビーム、下段がロービームの組み合わせ

ベアスプラス

ベアスプラス 5MT

 スズキのジムニーシエラをベース車両に使うベアスプラス。5速MT車が318万円、4速AT車が328万円となる。

ボディカラーは「トロピカルイエロー」
前後バンパーにアクセントとして凹みを設定。リアコンビネーションランプは丸型タイプを採用する
クロームメッキホイールにトーヨータイヤの「OPEN COUNTRY R/T」を組み合わせる。タイヤサイズは215/70R16
「クラシカル」デザインのアルパインスタイルオリジナルシートカバーを装着
オプション品のオリジナルフロアマットはベージュ(写真)とブラックの2種類をラインアップ
オプション品の「9型 BIG X」
オプション品の「Xシリーズ 17cmセパレート2ウェイスピーカー」
オプション品の「10型ドライブレコーダー搭載デジタルミラー」

カリカに2種類の特別仕様車を設定

アルパインニューズ株式会社 生田稔元氏

 また、カリカに設定される2種類の特別仕様車についてはアルパインニューズ 生田稔元氏が解説を担当。

 生田氏は今回の特別仕様車について、カリカの発売後に行なった展示会などの現場で実車を見た人からさまざまな要望や意見などを聞き、このクルマを使ってより多くの人のカーライフをかけがえのないひとときとするため新たな仕様を用意することになったと開発の経緯を紹介。

 カリカ Mini-Van(ミニバン)パッケージでは、6人以上の乗車定員を持つミニバンからの乗り替え需要に対応するため、これまでカリカにはなかった3列目シートを追加。2-3-3の8人乗りを実現している。シートアレンジについても多彩に用意して、通常の「ドライブモード」のほか、座面をチップアップしてまとめ、大きな荷物なども載せられるようにする「トランスポーターモード」や、停車中に家族や仲間同士で向き合って座る「対面モード」、シートを大きなソファーのように使ってくつろげる「リラックスモード」、大人2人の就寝に対応する「ベッドモード」などで使い分け可能としている。

カリカ Mini-Vanパッケージの仕様

 カリカ Retreat(リトリート)パッケージは「このクルマを使ってさまざまな思い出作りをしてほしい」との思いを込めた特別仕様車。こちらでも3列目のシートを用意しているが、これは停車中に使うことに限定するベッド兼用マルチシートとなっており、乗車定員は3-3の6人乗りとなる。一方、キャビン後方の両サイドにはサイドキャビネットを装着。シンクに加えてシャワーも利用可能としており、オプションの2段ベッドマットをサイドキャビネット上に設置することで、大人2人に加えて子供1人が車中泊できるようになっている。

カリカ Retreatパッケージの仕様

カリカ Mini-Vanパッケージ

カリカ Mini-Vanパッケージ 2.8L ディーゼル 2WD

 カリカ Mini-VanパッケージはハイエースのSuper GLをベース車両に使用。2.0L ガソリン 2WDが648万円、2.8L ディーゼル 2WDが709万円、2.8L ディーゼル 4WDが739万円となる。

2列目と3列目に「バタフライ式REVOシート」を採用して8人乗車を実現。スライドさせてシートバックを倒すことにより、大人2人が就寝可能な「ベッドモード」となる
座面をチップアップさせてスライドさせると大きな荷物も搭載可能な「トランスポーターモード」に変身
REVOシートは巻き取り格納式のシートベルトをベース部分に設置。走行時にはシートバックなどのバックルを使い、3連式シートベルトとして利用する
フロントシート後方に「簡易キッチン」を装備。シンク、着脱式コンロ、収納スペースを備え、テーブルとしても利用可能

カリカ Retreatパッケージ

カリカ Retreatパッケージ 2.0L ガソリン 2WD

 カリカ RetreatパッケージはハイエースのDXをベース車両に使用。2.0L ガソリン 2WDが568万円、2.8L ディーゼル 2WDが630万円、2.8L ディーゼル 4WDが660万円となる。

2列目の「キャンパー専用REVOシート」とベッド兼用マルチシートを組み合わせて大人2人の就寝スペースを作り出せるほか、両サイドに固定されたキャビネットにオプションの2段ベッドマットを設置することで子供1人の就寝スペースを追加できる