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スーパーフォーミュラ、坪井翔がドライバーズチャンピオン獲得 豊田章男会長は「もう一回、鈴鹿で最高の笑顔を頼みます」と祝福メッセージ

シーズンチャンピオン記者会見にサプライズで登場したTOYOTA GAZOO Racing Europe 副会長 中嶋一貴氏(左)と、スーパーフォーミュラシリーズチャンピオンを獲得した坪井翔選手(右)

 スーパーフォーミュラの最終ラウンドとなる第8戦・第9戦が11月9日~10日の2日間にわたって鈴鹿サーキットで開催された。前戦となる第6戦・第7戦富士を連勝し、ポイントリーダーで最終ラウンドを迎えたのが36号車 VANTELIN TEAM TOM'Sの坪井翔選手。坪井選手は土曜日に開催された第8戦で2位表彰台を獲得し、最終戦となる第9戦ではドライバーズチャンピオン候補が坪井選手と5号車 DOCOMO TEAM DANDELION RACING 牧野任祐選手の2人に絞られた。

 スーパーフォーミュラでは予選上位選手にもポイントが付与されるが、坪井選手は最終戦となる第9戦の予選では3位を獲得。貴重な1ポイントを積み上げることで、あと0.5ポイント獲得すればチャンピオンを決定する状況を作り出した。このポイント獲得により、決勝レースは10位以内でゴールすれば、ほかの選手の結果にかかわらず自身初のドライバーズチャンピオン獲得となる。

鈴鹿サーキットの表彰台でシリーズトロフィを手にする坪井翔選手。日本最速、アジア最速のフォーミュラカードライバーとなった

 第9戦の決勝レースを3位でスタートした坪井選手は、2周目にはポールポジションでスタート後2位となっていた16号車 TEAM MUGEN 野尻智紀選手を抜き、ポジションアップ。1回のタイヤ交換義務については、交換が可能となる10周目にピットイン。トップを走っていた6号車 DOCOMO TEAM DANDELION RACING 太田格之進選手が11周目にタイヤ交換し、坪井選手の前でピットアウトすると、タイヤが温まるまでペースの上がらない太田選手を坪井選手は猛追。その差を縮めたが、タイヤに熱を入れ終わった太田選手のレースペースは速く、最終的に約5秒差の2位フィニッシュとなった。

 2位になったことで坪井選手は、自身初のスーパーフォーミュラ ドライバーズチャンピオンを獲得。スーパーフォーミュラチャンピオンは、日本最速、アジア最速とも言われ、参戦6シーズンにして日本最速ドライバーの称号を手に入れた。

 レース後のシリーズ会見には、TOYOTA GAZOO Racing Europe 副会長の中嶋一貴氏が花束を手にして登場するサプライズも。花束はTOYOTA GAZOO Racingのチームオーナーである豊田章男氏からのプレゼントだった。

36号車 VANTELIN TEAM TOM'S 坪井翔選手コメント

 これだけたくさんのお客さんの前でチャンピオン決めることができて嬉しいです。僕にとって6シーズン目にしてやっと獲れたチャンピオンです。ここまで本当に長かったし、この鈴鹿に来るまでの2週間、本当に生きた心地もしなくてつらかったのですが、それだけに本当に取れて良かったです。ライバルがいたからこその緊張感だったと思います。最後までチャンピオンシップを争った野尻選手、牧野選手、その他のライバル勢、スーパーフォーミュラを戦っているドライバーはみんな一流のドライバーなので、その中でしのぎを削って、最後の最後でこの場に立つことができて本当に良かったです。今年はチームを移籍することになって、送り出してくれたセルモも、迎え入れてくれたトムスに対しても、何が何でもチャンピオンを取らなきゃいけないという本当に強い気持ちを持って戦ってきました。開幕戦ノーポイントからのスタートでしたが、最終的にここに立つことができました。たくさんの方の応援のおかげですし、このスーパーフォーミュラが今年、本当にどんどん盛り上がっているのを肌で感じながらレースを戦ってきました。本当に嬉しいしか言葉にならないですが、支えてくれた皆さんのおかげでチャンピオンをとることができました。1年間応援ありがとうございました。

TOYOTA GAZOO Racing オーナー 豊田章男氏コメント

坪井、チャンピオンおめでとう!

移籍してチャンピオンカーに乗るプレッシャーを乗り越えて、富士で3勝を挙げ、夫婦同時優勝も果たし、スーパーフォーミュラのチャンピオンを獲って…

「最高のシーズンだったね!おめでとう!」と言ってあげたいけど、まだ、もうひとつ仕事が残ってる!

もう一回、鈴鹿で最高の笑顔を頼みます。その時に、また改めてメッセージを贈りたいと思います。

トムスの皆さんもおめでとうございます。ですが、坪井のために、もう一回よろしくお願いします。ヤマケンも頼むね。タイトル目指してがんばれ!

坪井選手には年間ダブルタイトルの可能性

 スーパーフォーミュラのドライバーズチャンピオンとなり、日本最速の称号を手に入れた坪井選手だが、SUPER GTでもポイントランキングトップの座にあり、年間ダブルタイトルの可能性が見えている。

 坪井選手は、36号車 au TOM'S GR Supraで山下健太選手とペアを組み、SUPER GT 3度目、そして連覇となるドライバーズ&チームチャンピオンを狙っていく。

 このSUPER GT最終戦は、台風によるリスケジュールの関係で第5戦SUZUKA GT 300km RACEとして12月7日~8日に鈴鹿サーキットで開催。真夏から冬にスライドした影響がどう出るのか?など見どころの多い戦いとなっている。