ニュース
F1日本グランプリ開幕、レッドブル角田裕毅選手「ホンダエンジンの音と、日本人が走ってる姿を楽しんでもらえたら」
2025年4月3日 18:16
角田選手に世界的な注目が集まるF1日本グランプリ
鈴鹿サーキットでF1日本グランプリが始まった。金曜日の4月4日から練習走行が始まり、土曜日の5日には予選、日曜日の6日には決勝レースが行なわれる。F1日本グランプリは鈴鹿サーキット最大のイベントとして知られているが、2025年は日本人ドライバーの角田裕毅選手が日本グランプリ直前にレッドブルのジュニアチームであるビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズ・F1チームから、4年連続ドライバーチャンピオンを獲得しているトップチームのオラクル・レッドブル・レーシングへと移籍。表彰台を狙える力のあるチームへの移籍ということで、大きな話題となっている。
練習走行日前の4月3日、鈴鹿サーキットでは木曜日のプレスカンファレンスが行なわれた。木曜日のプレスカンファレンスは2部に分かれ、1部にはリアム・ローソン選手、ジョージ・ラッセル選手、ピエール・ガスリー選手が参加。2部には、角田裕毅選手、シャルル・ルクレール選手、ニコ・ヒュルケンベルグ選手が参加。角田選手とローソン選手が直前でチーム交代となったことから、1部ではローソン選手、2部では角田選手への注目がとくに高く、多くの質問が飛んでいた。
この木曜日プレスカンファレンス後、角田裕毅選手はチームホスピで囲み会見を実施。日本メディアへの質疑応答時間を特別に作った。
角田選手への質問で多かったのは、やはりビザ・キャッシュアップのF1マシン「VCRB02」と、レッドブルのF1マシン「RB21」の特性の違いについて。角田選手は前2戦をVCRB02で戦い、優れたパフォーマンスを見せており、ローソン選手が扱うのに苦労したRB21を乗りこなせるかに世界的な注目が集まっている。
角田選手はRB21のシミュレータに乗ったと言い、2日間ほど走行。確かに敏感なクルマではあるものの、「シミュレータではやっぱ限界がある。シミュレータでやりながらも、完全にその動きがコースに出るのってのも(実際に)走ってないので。リアがナーバスになったときにどういったセットアップが使えるか、逆にフロントが弱かったらどうセットアップが使えるかっていうのをいろいろ試しながらやっていた」と、シミュレータでのセットアップによる特性の変化はつかんでいる様子。
「エンジニアの方が僕よりクルマのことを知っている。だから僕は何より、クルマがどういった動きをして、どういったクルマにしたいかっていうのを伝えるだけなので。あとはもうエンジニアに任せて、そういった動きにテーラーメイドしてくれるように」と語り、イメージをエンジニアとやり取りしている。
さらに、「少しレッドブルもそういった僕と同じような考え方を持っていたってのもあるんですけど、レッドブルに入ったとき(移籍したとき)に僕が作りたかったクルマもそんな感じで。で、たまたまそっち、たまたまっていうか、そっちの方向に行ったときに、結構バランス的にかなりよくなって、全体的にパフォーマンスが上がった」という。その結果、「マックスがそれを試したら、結構マックスもフィーリングがよくて、今までで一番いいセットアップだったということで、多分マックスも僕寄りのセットアップからスタートするというのは聞いています。だから、そういった意味では早速いいスタートができたのかなと思います」と語り、角田選手のセットアップスキルがチームにいい影響を与えている模様。
角田選手が積み重ねてきた知見が、チームへよいフィードバックをもたらしているようだ。
もちろんこれはシミュレータ上の話ではあり、実際のパフォーマンスは金曜日の練習走行、土曜日の予選、日曜日の決勝で明らかになっていくだろう。なにより、世界チャンピオンを擁するようなトップチームに日本人ドライバーが所属し、さらに地元日本のグランプリを走るという状況は、日本のモータースポーツファンにとって夢のような状況だろう。
「ホンダエンジンの音と、日本人が走ってる姿を楽しんでもらえたら」
よく知られていることではあるが、角田選手はSRS-F(鈴鹿サーキットレーシングスクール・フォーミュラ)を卒業し、ホンダの育成ドライバーとして成長してきた鈴鹿で育ったドライバーだ。
2025年はホンダがF1を初優勝してから60周年となり、角田選手はその初優勝マシンをリスペクトした特別なリバリーで鈴鹿のF1日本グランプリに挑んでいく。その心境を聞いてみたところ、「日本の強みというか、日本を見てほしい。せっかくホームグランプリですし、せっかく日本のファンのみなさんに囲まれながら見られるので」と、日本のホンダエンジンに乗って、日本人ドライバーが走るところを見てほしいという。
「トップチームでチャンピオンを取ってきたエンジンに乗っている日本人のドライバー。日本コラボみたいなのを見てほしい。ホンダエンジンの音と、日本人が走ってる姿を楽しんでもらえたら。そこでもちろん、そこで僕が結果を出せれば最高な状態ですけど。もちろんそれを狙っていきますが、限られた時間なので、最大限して(ベストをつくして)ポイントを取れれば最高かなって思います」と、決勝での成績についても抱負を述べた。