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角田裕毅選手、レッドブル移籍後トークショー初登壇 「日本グランプリの表彰台がまずは目標」
2025年3月30日 14:45
- 2025年3月30日 実施
本田技研工業は3月30日~31日にかけて、ホンダ青山本社ビル建て替え前の最後のひと時をファンと一緒に楽しむクロージングイベント「ホンダ青山本社ビル グランドフィナーレ ~ウエルカムプラザフォーラム~」と題して、さまざまなコンテンツを展開している。
初日となる30日は、HRS SUZUKA Motoクラスのプリンシパルである岡田忠之氏とHRCテストライダー高橋巧氏、、DragoCORSE代表の道上龍氏とF1ドライバー角田裕毅選手、レーシングドライバー兼HRCエグゼクティブ・アドバイザーの佐藤琢磨氏、二輪大型FUNカテゴリー責任者の坂本順一氏と電動二輪カテゴリー責任者の丸山智千氏など、豪華なトークショーが実施された。
特に4月4日~6日に鈴鹿で開催されるF1日本グランプリから「Oracle Red Bull Racing」のシートが決定した角田選手が登壇するとのことで注目度が高く、朝9時に配った整理券は一瞬で配布終了。先頭の人は朝4時半から並んでいたというほど。
まずレッドブル移籍についての感想を聞かれた角田氏は、「ホンダの最終年に、しかも日本グランプリからレッドブルで走るというのは、何かすべてが嚙み合った感じがしました。これ以上にないプレッシャーとシチュエーションですし、レッドブルでのデビュー戦となりますが、とてつもないエキサイティングなレースになる予感がします。でも意外と落ち着いています」とコメント。
ただし、話が急に決まったため、シミュレータでのドライブやシート合わせ、ヘルメットのデザイン修正など、古巣のチームスタッフやエンジニアへ感謝のコメントを伝えたりと、ドタバタすぎて嬉しい気持ちをあまり噛みしめる時間がなかったと、ここ1週間を振り返った。
一緒に登壇した道上氏は、角田選手が15歳のころ、全日本カート選手権で1年だけ監督として共に時間を過ごした経緯があり、「師弟ってほどの関係ではないですよ。よくカート場にいたので、カート場にいるちょっと上のお兄ちゃんって感じですかね。ただ、裕毅の走りは当時から、子供なんだけど天性の才能を持った速さを感じたし、勝つために貪欲でどんな状況でも速く走らせようと努力する選手。ポールポジションも何度も取ったし、速さはピカイチだった。ただ、当時はタイヤやマシンのマネージメントが下手で、エンジンを壊したり、リタイヤも多かった」とコメント。
特に印象に残っていたレースについては、「最終戦の鈴鹿で、最後尾スタートから30台近いライバルを抜いて優勝したのが一番記憶に残っている。ちょっと目を離すと前のマシンを抜いてて、どうやって抜いたかも分からなかった」と角田選手の速さを改めて感じられるエピソードを披露した。
そのエピソードについては角田選手も覚えているとのことで、「ゲームのグランツーリスモやマリオカートでも、最後尾スタートのほうががぜん燃えるんですよね。前にライバルがいるほど、絶対にに抜いてやろうという気が沸き上がる」と、幼少時代の思い出を語った。
また角田選手は、まだレッドブルの実車には乗っていないとのことで、「走行が始まるのはぶっつけ本番の来週から。シミュレータを2日間やって、そこまでチャレンジングなマシンには感じなかったけど、実車はまだ乗っていないので分からないです。まずは何よりマシンの理解をするのが大事だと思っています」とシミュレータでの感想をコメント。
さらにシート合わせについても、「実はレッドブルのリザーブドライバーでもあったので、バーレーングランプリの前にシート合わせをしてたんです。ただその時は、実際に使わないんだから作らなくてもいいのに……なんて思っていたのでちょっと手を抜いていましたが、今回はバッチリ作りました」と来場者の笑いを誘った。
ホンダウエルカムプラザ青山での思い出については、道上氏は「来年も契約できるかとか、いつもドキドキして足を運んでいた記憶があります。あとはイベントとかよく出させていただいた」と振り返った。
角田選手は、「高校生のころ、学校帰りにTシャツ短パン、リュックできたことがあります」とコメントしつつ、「あ、今はちゃんとしてますよ」と自らフォロー。また、昨年自身でアパレルブランドを立ち上げていて、日本グランプリ中は、鈴鹿サーキットの近隣の白子駅前にポップアップストアを出展すると紹介。「レーシングドライバーの僕だけでなく、趣味の世界とか、こんなことに興味があるんだとか、レース以外の部分でもファンの皆さんと交流できたら嬉しいです」とコメント。
最後に日本グランプリではスペシャルカラーのヘルメットをかぶることも明かしてくれた。
なお、トークショー全編はYouTubeで視聴できるほか、2日目となる31日は、全日本トライアルにTEAM MITANI Hondaで参戦する小川友幸選手、フリード開発責任者 安積悟氏とシビックTYPE R開発責任者 柿沼秀樹氏とS660開発責任者 椋本陵氏、HRS SUZUKA Motoクラスのプリンシパルである岡田忠之氏とNakajima Racing監督 中嶋悟氏のトークショーが予定されている。