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【祝開通】ついに全線開通した首都高中央環状品川線を助手席に乗って走ってみた
世界第2位、日本最長の道路トンネルが都心の地下に出現
2015年3月7日 18:56
- 2015年3月7日16時開通
首都高速道路は3月7日16時、大橋JCT(ジャンクション)~大井JCT間を結ぶ延長約9.4kmの中央環状品川線を開通した。この開通により、首都圏3環状道路(内側から中央環状線、外環道[東京外かく環状道路]、圏央道[首都圏中央連絡自動車道])の最初のリングが完成するほか、トンネル区間は約18kmとなり、関越トンネルの約11kmを抜いて日本最長の道路トンネルとなる。これは、世界的に見てもノルウェーのLaerdal Tunnel(レアダールトンネル)の約24.5kmに次ぐ世界第2位の長さになる。
開通当日の午前中に行われた開通式の模様は別途掲載(http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20150307_691718.html)しており、本記事では五反田入口の開通時刻の模様、助手席に乗って走ったリポートをお届けする。
五反田入口開通
首都高中央環状品川線で新設された出入り口が、五反田出口と五反田入口。今回、開通時刻に訪れたのは五反田入口で、山手通りと都道418号が大崎郵便局前の交差点から山手通りを渋谷方面に向かった位置にある。都道418号は首都高 2号目黒線の高架下に位置し、都内の道路に詳しい方ならすぐに分かる場所だろう。
五反田入口手前は開通前のため、警察車両とカラーコーンによて封鎖されており、五反田入口には先導車両となる首都高の道路パトロールカーを配置。16時の開通に向けてスタッフが待機していたほか、開通を心待ちにする歩行者が多くいた。
開通10分前となる15時50分、車道からのクルマの流入を防ぐべく設置されたカラーコーンの一部撤去が始まり、開通5分前の15時55分にはすべてのカラーコーンを撤去。人の誘導によって、クルマの流入を防いでいた。
16時00分に開通となり、車道からの流入を開始する。五反田入口の1号車はBMWで、首都高道路パトロールカー、1号車、という順にすぐに車列が形成されていった。開通間もなくに、道路パトロールカーはゆるゆると五反田入口から入っていき、数分もすると、通常の首都高の入口と変わらない風景が広がっていた。
実際に開通区間を助手席に乗って走行
3月7日16時に首都高中央環状品川線は開通したわけだが、折角なので開通区間である大橋JCT~大井JCT間を走ってみることにした。本来は自分で運転してと書きたいところだが、五反田入口取材は電車と徒歩で訪れており、クルマがない状態。そこで、タクシーの助手席に乗車して走ってみることにした。
五反田入口付近でタクシーをゲット。運転手に取材目的を告げ、大橋JCTへ向かってもらう。大橋JCTからの風景を撮影するためには、大橋JCT手前から乗りたいところ。記者は渋谷入口から入れると思っていたのだが、タクシーの運転手は「それでは上り方向にしかいけないので、三軒茶屋から入ります」とのこと。実際、渋谷からは上り方向にしか行けず、プロのアドバイスどおりに三軒茶屋から首都高3号渋谷線の上り方向に流入した。
渋谷線の上り方向は、ややクルマの多い状態だったが、渋滞するほどではなくユルユルと流れる。そこそこの台数が大橋JCT方面へと分岐していたため、「おお、みんな走り初めにいくのか!!」と思ったものの、9割以上のクルマが新宿方面に分岐していった。
実際に走行速度で体感する中央環状品川線は、意外とカーブのきつい印象。ブラインド気味のコーナーも多く、渋滞が頻繁に起こる首都高ということを考慮すると、走行には注意が必要だろう。
トンネルを抜けると横浜方面(羽田方面)と、東関東道方面(千葉方面)へと分岐する大井JCTとなる。ここの方面看板が、横浜方面と東関東道方面となっていたが、横浜はともかく、東関東道のみの表記は分かりにくいのではないかと思った。お台場なり、千葉なりの地区名称がほしかったところだ。
大井JCTを横浜方面に行くと、新幹線の車両基地を見つつ、湾岸線(西行き)への合流となる。全線2車線の中央環状品川線の利便性は高そうで、多くのクルマが利用することで、首都高全体の渋滞の低減につながることを期待する。
ただ、気になったのは大橋JCTでの大井方面への流入の少なさ。新規道路開通時はいつもそうなのだが、カーナビが対応しないと、本格的な交通量の増加は起こりにくい。とくに首都高は複雑な接続形態となっているので、カーナビ頼りで走っている人も多いだろう(そもそも自分自身、接続は理解しているが、出入り口の方向をすべて記憶できてはいない)。カーナビなどが対応することで、中央環状線全通のメリットを多くの人が得てほしいし、世界で2番目の道路トンネルをドライブする楽しさを体感していただきたい。