ニュース

首都高、2015年3月開通の中央環状品川線でトンネル点灯式

新設トンネル初の全線LED照明

2014年10月2日公開

東京都第二建設事務所長 田中慎一氏(右)、首都高速 東京建設局局長 遠山雄一氏(左)によるトンネル点灯式

 首都高速道路は10月2日、2015年3月開通予定の中央環状品川線のトンネルLED照明点灯式ならびに現場見学会を報道向けに行った。なお首都高では新設トンネルの全線LED照明は初めてとなる。

LED照明点灯式

 点灯式では、東京都第二建設事務所長 田中慎一氏の挨拶、首都高速 東京建設局局長 遠山雄一氏による工事の概要・経過説明が行われ、その後LEDが点灯した。

東京都 第二建設事務所長 田中慎一氏は「残された品川線の工事を確実に進め一日も早い開通を目指します」と挨拶
首都高速株式会社 東京建設局局長 遠山雄一氏による工事の概要・経過説明が行われた
2015年3月の開通をあらためてアピール
使用されたLED照明
点灯前のトンネル内
全線LED照明は首都高の新設トンネルでは初めてとなる

五反田出入口部の建設現場を公開

 中央環状品川線には南端の湾岸線接続部、3号線大橋JCT(ジャンクション)のほか、ほぼ中間地点にあたる場所に五反田の出入口が設けられている。今回はその出入口の建設現場が公開された。公開されたのは山手通り沿いにあり大橋JCTへ向かう入り口から本線合流部までの区間。

すでに電光掲示板も設置された山手通りにある五反田入口
入口には透光板(透明な防音壁)が設置されていた
大橋JCT方向に見える高架は東急目黒線
入口から本線へ向かう下り坂
地上から本線に向かう下り坂には料金所が設置される
料金所は後から建てられる建物ではなく道路と一体化した強固な構造物である事が分かる
本線側から見た料金所付近
料金所付近の壁に設置されているタイルはETCの誤動作を防ぐための電波吸収パネル
電波吸収パネルは壁面にも設置されていた
料金所の上には看板や照明等を設置する枠がすでに取り付けられていた
50m間隔で設置されている消火器、泡消火栓等は料金所わきにも設置されていた
料金所の完成予想イラスト
料金所を過ぎると巨大な排煙ダクトが現れた
天井に埋め込まれた排煙ダクト
埋め込み式の排煙ダクトは等間隔で数多く設置されていた
本線合流部に近くは天井の形状が違っていた
現在見える鉄板は撤去され梁を残し天井高が上げられる

 天井高を極力高くとる工夫や多数設置されている排煙ダクトは万が一の火災時に煙が床面まで到達する事を防ぐとのこと。また排煙ダクトはトンネル内に25m間隔で設置された火災検知器の情報が施設管制室に送られた後確認作業が行われ動作する。

五反田出入口からの本線合流部における切り開き工法

 流入する車が本線合流する区間はシールド工法で作られた本線を一度切り開いて接続する「切り開き工法」によって造られた。沿道の環境や地下のライフラインに与える影響を極力少なくできる新技術だ。

一度構築した本線のシールドトンネルを切り開いて左側から流入してくる線と接続する(写真左は本線走行車目線、写真右は五反田より流入する車目線)
写真左側のシールド工法によって構築された鋼製セグメントが右側で切断されているのが分かる
鋼製セグメントの切断面
切り開き工法による合流部の強度維持のためシールド工法による壁面のセグメントは複数使い分けられる
耐火パネルの下に見えるのが鋼製セグメント
鋼製セグメントより強度の高い合成セグメント(六面鋼殻セグメント)
既存の首都高に見られる追い越し車線側からの合流を避けるためトンネル内は内回り外回りのトンネルが通常と逆配置になる。
手前が大井JCT→大橋JCTの本線、開口部の奥が大橋JCT→大井JCTの本線
合流部の柱は鉄鋼製でこれから耐熱処理が行われる
約100m間隔で死角なく設置されたテレビカメラ
内回り、外回りの本線をつなぐ避難連絡抗
壁に設置された三角形の部品は電源ケーブル等を設置するためのもの

日本初、地上発進、地上到達したシールドマシン

 大井JCT付近のトンネル入口は通常地中から発進するシールドマシンを地上から発進させ再び地上に到達させ工期の短縮を図っている。日本初の試みだ。

連絡バスの中から見た開口部。ここからシールドマシンが発進したのだ
とシールドトンネルの上側が地上から見える
上部には大井北埠頭橋近くの交差点が通っている
交差点の奥に見える大井北換気所
右側にトンネル上部が見える
トンネル入口付近から湾岸線との接続する分岐が見える
トンネル側から見る湾岸線との接続部
湾岸線との合流部、写真左下方面が東京港トンネル
坑内ではトヨタ車体のコムス(ビジネス向けのB・COM)が活用されていた

(高橋 学)