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首都高、3月7日開通予定の山手トンネルで合同防災訓練を実施
警視庁、東京消防庁、東京都などと連携して万全の安全管理体制を構築
(2015/2/18 15:48)
- 2015年2月17日開催
首都高速道路は2月17日、首都高 中央環状(C2)品川線 山手トンネルで、トンネル内での車両火災事故を想定した合同防災訓練を実施した。
中央環状品川線は3月7日16時の開通が予定されており、山手トンネルは既開通部分の渋谷線~池袋線区間と合わせると、総延長は18.2kmと日本最長の道路トンネルとなる。そういった背景もあり、警視庁高速道路交通警察隊、東京消防庁、東京都、首都高速道路および関連会社など、計11団体250名が参加する大規模な訓練となった。
今回の訓練は「山手トンネル内回り(南行き)五反田出口付近において、複数車両による通行止めを伴う事故が発生。4t貨物車1台が横転したほか、乗用車5台、マイクロバス1台が関係し、うち1台の乗用車から火災がおこり、脱出不能者、負傷者多数」という状況を想定したもの。
訓練はまず、火災車両の消化からスタート。先日の記事で紹介した施設管制システム(http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20150206_687267.html)により火災を確認すると、消火のために遠隔操作で水噴霧設備を稼働。その後、高速隊の白バイ、消防隊の赤バイ、首都高バイク隊の各隊員が機動力を生かして現場にいち早く到着し、現場の状況を確認。続いて警察、消防、救急の各本隊が到着して救助作業が進行する。といった流れで行われた。負傷者の救助には、災害現場に派遣される医療チーム「東京DMAT(Disaster Medical Assistance Team)」も参加し、トリアージおよび医療措置にあたった。
大規模な事故を想定した訓練だったが、乗用車内に閉じ込められた乗員の救助や横転車両の引き起こし、事故車両の撤去、道路啓開作業まで、およそ1時間ほどでスムーズに終了。隊員個人個人の練度が高く、そして各団体の連携も非常にうまくとれているように感じられた。
訓練終了後、東京消防庁 第2方面本部長 田中英夫氏は「我々消防隊は、一刻も早く人命を救出して、少しでも被害を軽減するのが仕事。実際に高速道路が開通してしまいますと、ここで訓練を行うことが不可能になりますので、この場所を知るという意味でも大変に素晴らしいことだと思います。消防隊のみなさんはこの経験を糧に頑張ってほしい」と述べた。
次いで登壇した警視庁 高速道路交通警察隊 副隊長 岡村孝司氏は「山手トンネルは中央環状品川線の開通により18.2km。日本では最長、高速道路におけるトンネルとしては世界最長になり、危機管理が問われると考えます。警視庁高速隊は昨年の12月、大橋ジャンクション内にバイク隊を設置しまして、供用開始後に万全の体制をとれるよう訓練を積んで参りました」と語り、開通を前に準備万端の構え。しかし、今後予想される首都直下地震や2020年の東京オリンピックなどもあり、さらなる危機管理や訓練が重要であるとした。
訓練終了後、報道陣の囲み取材に応じた首都高速道路 代表取締役社長 菅原秀夫氏は、事故対策について「いろいろな設備が作動しているか、うまく使いこなせるかが大事。警視庁、東京消防庁との連携も重要」とした。その上で今回の訓練については「(開通前)最後の訓練としてはよい内容になったと思う。連携がうまくいっていることが示せたと思う」と、万全の体制であることをアピール。また、課題について尋ねられると「アナウンスがこだまして聞こえにくいことが課題。(スピーカーの設置場所によってタイミングを)少しずつズラしていくなど対策を考える必要がありそうだ」と述べた。
首都高速道路によると道路の施工は完了しており、あとは細かな調整などを残すのみだという。今後、3月1日に一般向けのトンネルウォーク(参加募集は締め切り済み)が行われ、その1週間後には開通を迎えることになる。